ショッキングな災害映像を長く見ないで

年明け早々に様々な災害が起こり、TVではショッキングな映像が多く流れています。災害のニュースや映像を見ることで、不安が高まり、不安定になる子どもたちがいます。お子さんが映像に多く触れることを制限してあげましょう。

私たち人間や動物は危険を感じると、偏桃体が警報を鳴らして「闘争・逃走反応(とうそう・とうそうはんのう)」反応を起こします。
心臓がドキドキ、呼吸が速く浅くなります。
これは原始時代の名残りだそう。
例えば、トラに襲われた時生き延びるためには、あれこれ考えないで戦うか逃げるか素早く動くことが必要です(固まって死んだように動かなくなる方法もあります)。
普通なら発揮できない力を発揮できる反面、交感神経系が大興奮します。
この時、思考や判断力は低下し、消化器系の機能は低下します。

子どもがショッキングな映像を繰り返し見るということは、今トラに襲われているわけでないのに、トラに襲われた時に生じる身体反応がおきる可能性があるというわけです。
人間の脳は、ショッキングな映像を長期記憶して繰り返し思い出すことができます。未来の危機に備えて、自分を守るのに役立てるためです。一方で、目の前に危機が迫っていない時でも交感神経が優位になり、不安を高め、心身に悪影響を及ぼしがちなのです。

交感神経を鎮めてあげましょう。
下記のような「シャボン玉呼吸法」がお勧めです。
「吐く息」は副交感神経を優位にし、「吸う息」は交感神経を優位にすると言われています。

①     まず息をそっと吐き出します。
②     鼻から吸って1・2・3 お腹がふくらみます
③     4で止めてます。
④     シャボン玉を膨らませるように、細く長くゆっくり吐きます。
5・6・7・8・9・10 お腹がへこんでいきます。

小さなお子さんは、大人といっしょにシャボン玉をして遊ぶのもいいでしょう。

かんもくネット 角田圭子(臨床心理士/公認心理師)