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麻布の入試問題は文系なのか

さて、息子が麻布を受けたいと言い出したのを受けて、偏差値もさることながら算国国国と言われる入試問題に息子が対応できるとは到底思えませんでしたので、とにかく塾の各教科の先生にご相談。

まずはその時点で偏差値50あったら御の字だった国語。
国語:息子さんの失点は選択肢問題に集中していますね。ですが麻布の問題は選択肢問題ほとんどないんですよ。文章も大人びたものというよりは小学生が読みやすいものが多い。対応できると思います。

続いて算数。6年になる頃までは60を切ることはほとんどありませんでしたが、6年もいくらか過ぎるとその難易度の上がり具合に翻弄され始め...
算数:たしかに厳しい面もあるけど理解できていないとは思いません。麻布の問題も初めは難しくてこんなの解けるのと思うでしょうが慣れれば安定して解ける問題です。

続いて理科。理科については根本的に興味がゼロ。少し力を抜けば一気に悲惨な状況になるためなんとか機械的にテキストをこなしてそこそこ安定した成績を取っていました。
理科:麻布は文系の入試問題と言われがちですが、私は理系の学校だと思っています。

最後に社会。これは歴史オタクな本人が一番好きで得意科目だったのであまり気にしていませんでした。
社会:僕前から息子君は開成なんかより麻布が向いてると思ってたんですよね〜。彼は社会を得点源にしていく必要があると思います。

◆ ◆ ◆

そんなこんなで怒涛の夏期講習が終わってカキシからのSSに突入し、いざ蓋を開けてみると普段算理が立つはずの息子は完全に国社優位。
国語は普段なら最後の2択で外すような選択肢問題もなく、そこまで絞れているならばそこまでを記述で示せば点数になります。麻布は全体として5〜6割取れればいいので、そうやって点を拾っていけば半分くらいにはなるんですよね。漢字は本当に簡単なものしか出ないし。実際普段のテストより、受験者のベースが上がるはずの学校別の方が偏差値的に良かったです。国語の勉強は塾で完結させて、漢字以外の家での対策はほぼゼロ。
社会に関しては知識はそこそこでも臆することなくわりと自由に俺理論を書けばOKで、海城の記述のように本文や資料にあることだけを読み取って書かなければいけないわけではないので気楽。学校別も余裕。

反面算数は全く難易度に対応できておらず、理科に至っては知識も薄い上に全然読み取れない。
ことに理科に関しては、興味のなさとハリボテの知識量が如実に表れる入試問題だと痛感しました。
麻布の理科の問題はそのユニークなアプローチに注目されがちですが、訊かれていることは基本的な知識や考え方。この考え方というのが本当に曲者で、本質的に理科の世界を捉える目がないと設問の意図からずれてしまうんですよね。だから記述になると一歩手前のところまでしか考えが及ばず、「質問に答える」ということができない。あまりに理科ができなさすぎて、配点が小さいにもかかわらず理科で落ちるかもと常に怯えるほど。
ただ、設問数が多く記述もそれ以外の問題も配点的にはさほど変わらないと思われ、記述ができなくても記述以外のところで稼げばいいわけですが、それも知識がハリボテなのでボロボロ。他の学校の理科の過去問は問題なく解けても、麻布に関しては最後の最後まで理科には泣かされました。
算数はギリギリまで安定せず、基礎を重ねてSSの問題繰り返してなんとか本番2週間くらい前から少し安定してきたかなという感じ。

配点が国算60点理社40点なので、優先すべきは国算。おそらく麻布を目指す受験生は国語に比重を置くパターンはあまり多くないと思われ(記述ばかりで家でのやりようがないし、上述の通り大きく失点することが少ないから)、息子の全体の勉強量は算数6割理科3割残り国社でした。

とにかく麻布の問題に関しては普段は悪くなかった算理で苦しみ、一方で普段平均点も取れない国語には困らなかったので、私は麻布の入試問題はあまり文系の問題だとは感じませんでした。
我が家は理科のSSと過去問を繰り返して繰り返してNewtonも読ませてなんとか麻布に寄せたけど、本質的に理系脳がないとあの理科は解けないと思いました。まあそれは社会にも同じことが言えるのかもしれませんが。普段の国語ができなくても、あまり関係はないように思います。

ただし理社の問題も死ぬほど読ませるので、あれを見せられて読もうと思えるくらいの文章慣れはたしかに必要なのかもしれません。そこは読書好きが役立ったかな。文系の要素が必要だと思うのはそこだけかも。記述ばかりですが、伝えることさえできれば文章が上手な必要もありません。息子は語彙量も少なく文章は非常に稚拙です。

最後に。
息子が麻布の問題と相性が良かったかというと、まあこんなもんかな普通かな(理科以外は)、というところ。ただ麻布の問題は解いていて楽しいと言っていたので、大事なポイントはクリアしていたのかもしれません。そして大人の私の目から見て、麻布の問題は細かい難しい知識を問うことはなく、雑な男子の特性を捉え、そんな受験生たちの伝えたい思いをなんとか汲み取ってあげようという優しさがあるように感じていました。
あともう一つ。周囲の観測からいっても、開成に合格圏くらいの子なら、よっぽど相性が悪くなければ多分問題なく解けます。
傾向が全然違うからと志望校変更に尻込みをする必要はあまりないかなと思います。常に開成から落ちて来ないで来ないでとは思っていましたけども。

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