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『三体』で高める基礎SF力(ZAKKAN#2)

映画について会話になった時、クリストファー・ノーラン作品について言及される機会が極めて多い。
ただ僕は『インターステラー』と『テネット』を公開当時に特段の思い入れもなく1度観ただけであることに加えて、それらノーラン作品特有の複雑な物語にあまり馴染めていなかった。

映画を積極的に観るようになったのはここ2年くらいなので、今ならもう少し自分のノーラン作品受容力が高まっているのでは?と思っていたのだけれど、僕は基本的に”劇場でしか映画作品を観ない”というこのサブスクブームには時代錯誤なシネマ原理主義者のため、なかなかその機会がなかった。

そんな中、新宿歌舞伎町にある109シネマズプレミアム新宿が下記の特別上映を発表した。

インターステラーリベンジ&インセプション初鑑賞をこの機会にやるっきゃねぇと意気込んでチケットを買った。
(土日のチケットは人気すぎて発売日の0時に争奪戦が繰り広げられていた。ノーラン作品恐るべし…)

そして観ました。インターステラーとインセプション。
2週連続で。

両作品を見終わって感じるのは、作品そのものの面白さというよりも自分自身の基礎SF力(SFの設定を受容するチカラ)の圧倒的成長だった。

特にインターステラーの宇宙的SFの世界観については、今年の夏に中国のSF大作『三体』を読み返したのが効いていた気がする。
公開当時の鑑賞時は、主人公が5次元空間に突入した瞬間に『…???』って感じで、理解することを放棄してしまったのだが、今回は置いてかれず最後まで楽しめた。

というか、『三体』が良い意味でとんでもないスケール感の物語かつそれがめちゃくちゃ面白いことによって、あらゆる非日常設定を受け入れた上でストーリーに伴走する基礎体力が付いたのだと思う。

インセプションの夢の多重構造とそれによって生じる体感時間のズレなども、多分『三体』を読む前の僕であれば『はぁ??』となっていたのではないだろうか。

『三体』よ、僕の世界を広げてくれてありがとう。
ネトフリの実写化も必ずや再入会して見ます。



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