☆試し読み☆ 7月8日発売『採点者の心をつかむ 合格する志望理由書』
7月8日発売『採点者の心をつかむ 合格する志望理由書』より、【試し読み】をお届けします。
大学受験において、志願者が増加している「AO入試」(現・総合型選抜)や「推薦入試」(現・学校推薦型選抜)。これらを受ける際に、まずほとんどの大学で提出が求められるのが「志望理由書」です。
著者は、25年にわる小論文指導や、AO・推薦対策全般の指導を行ってきた河合塾の人気講師・中塚光之介先生。
「志望理由書は大学へのラブレター」というモットーのもとに、わかりやすく、オリジナリティーと魅力のつまった「志望理由書」の書き方をレクチャーします。
本書では、4つのステップを核に、書き方を解説しています。
1 過去の自分 →「高校3年間を振り返る」 → きっかけ
2 現在の自分 →「大学で学べる学問について知る」 → 学問分野への関心
3 大学の自分 →「入りたい大学には足を運ぶ」 → 大学での学び
4 将来の自分 →「卒業後のことを考える」 → 職業像
今回は、第1章「志望理由書を書く前に~準備編」より、1 高校三年間を振り返る をご紹介します。
1 高校3年間を振り返る
志望理由書を書く前に必ずやっておきたいことがあります。それは、
「過去の自分について振り返ること」
です。過去、と言っても、約18年間すべて振り返る必要はありません。高校3年間のできごとや成果について、ざっと思い出してみる程度で十分です。
基本的なところでは、部活動、委員会活動、文化祭の企画など、高校の中で行った活動ですね。でも、高校の中だけに限定! というルールはありません。
むしろ、高校の外での活動で一生懸命取り組んできたことが、あなたの魅力を引き出します。なぜなら、高校の中での活動は、多くの受験生が取り組んでいることでもあるので、読み手、つまり大学の先生にはある程度、内容の予想がつきます。
しかし、高校の外での活動では、その受験生の「素」の姿を見ることができます。
ですから、読み手の興味を惹く可能性が高いのです。
たとえば、ボランティア、留学、習い事、イベントへの参加などがそれにあたります。
それ以外の活動でも、自分の時間の大部分を費やしていることがあれば、それを書くことで、あなたがどんな人かをストレートに伝えることができます。
志望理由書に書く内容には、「これを書きなさい!」という決まったルールはありません。
ですから、まずは自分の3年間のすべてをしっかり振り返り、あなたが取り組んだことを、思い出せる限り洗い出してみましょう。
-「思い出」が志望理由書を強くする
「振り返り」で大切なのは、できるだけ具体的に思い出すことです。
高校3年間はどうだったか?
「楽しかったなあ」
「がんばった」
だけでは、そこから志望理由書には何も書くことができません。思い出すべきは「エピソード」です。エピソードとは、
「ある事柄について、そのことを具体的に示す、ちょっとした出来事。また、それを伝える話。」(『精選版 日本国語大辞典』小学館より)
という意味です。つまり、「具体的」に思い出す必要があるのです。
「こんな役割でこんな結果を出した」のようなサクセスストーリーでももちろんいいのですが、逆に「こんな問題が生じたけど何とかクリアした」のように、困難を乗り越えた話は、読み手の関心を惹くこと間違いなしです。
感想に過ぎない思い出は、志望理由書を書くための材料にはなりませんが、具体的な思い出は、それ自体が志望理由書を強くします。
ですから、ある程度時間をかけて、じっくりと思い出しながら、思い出したことを志望理由書に書けるよう、メモとして残しておきましょう。
-小中学校の思い出はNG?
ちなみに、小中学校の活動は志望理由書に書いてはいけないんですか? という質問を受けることがあります。
たとえば、幼いときからこれまで、ずっと続けてきた、もしくは今も続けていることが今の自分を作っている! のであれば、小中学校の思い出でもいいでしょう。
ですが、そこまでではないエピソードですと、高校3年間以前のできごとになってしまうので、読み手は、今の自分とのつながりが薄い印象を持ってしまうかもしれません。また、思い出す段階で記憶があいまいになっているので、具体性に欠ける可能性もあります。
ですので、志望理由書には、高校3年間のできごとがふさわしいと言えますね。
お読みいただき、ありがとうございました!
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