「0」という数字

「0」という数字について書こうと思う.

数の表し方で10進法が登場した際に発見された「0」という数字.

これは,例えば,「101」という数字を表す際に発見されたという.

もし,「0」という数字がなければ「101」は「1 1」と表すことになる.これでは「11」と間違えてしまうため,10の位には「何もない」という意味で新たに「0」という数字を作り,表されるようになった.

この「0」という数字の誕生はとても革命的だったが,数学界の秩序が乱されつつあった.

たとえば,2つの数の掛け算で,その組み合わせの数だけ答えが多く存在するが,

「0」という数字をかけてしまえばどんな数字も無に変えてしまう,恐ろしい数字になる.

他にも,「0」という数字は,割ることをしてはいけない.たとえば,0をxと置くと2つの計算式が成り立つ.

1×x=0

2×x=0

この2つの答えはどちらも同じなので,等式で結ぶことができる.

1×x=2×x

さて,等式の性質より,両辺同じ数字で割ってもよいので,xで割ると約分ができる.

1=2

このように「0」で割ることは許されない行為なのである.

文章で説明すると,たとえばこんな文章があったとする.

「10個のりんごあって,それを5人分けると1人何個になるでしょう」

この文章による計算はもちろん,

10÷5=2  で,1人分は2個となる.しかし,分ける人数が「0」人ならどうだろう.つまり文章はこうだ.

「10個のりんごあって,それを0人分けると1人何個になるでしょう」

これは,文章として成立していないのはわかるだろうか.

そもそも,人が存在しない状態で1人分のりんごがわかるわけない.つまり「0」で割るという行為は日常で置き換えても説明がつかない行為なのである.


このように,「0」という数字の扱いは慎重でなければならないので「悪魔の数字」とも呼ばれる.


ここで,話が終わると「0」という数字が悪い印象で終わってしまうのですこしだけ良い印象を.


「0」という数字「何もない」という意味で誕生したが,現在はそれ以外の意味でも使われる.

たとえば,温度で「0℃」と言えば温度が全くないという意味なのだろうか.

これは,「基準」という意味で用いられる.この「基準」という意味があるからこそ,数は負の数まで拡張され新しい世界が広がったのかもしれない.(これは僕の考えです)








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