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3月会議での一般質問について

3月2日~3月11日まで議会が開催され終了しました。いつもは事前に、「こういうことが大切だと思っているから、こういうことを質問します」と宣言してから臨むのですが、勉強が追いつかなかったので事後になりました。時間の使い方がなっとらんくてすみません。

3つの質問

  1. 行政情報の発信体制について

  2. 学校の運営について

  3. 新地方公会計制度に基づいた財務諸表の活用について

1.は苦言、2.は提言、3.は難しいけど大切なことです。

1.行政情報の発信体制について

質問の要旨としては、雪まつりの情報発信が適切だと思えなかった。明日災害が起こったら、情報が交錯することが予見されるため住民の安全が守れないと感じている。というようなことです。

最近教えてもらったことがあるのですが、「話が合う人と合わない人の違い」みたいなことです。「この人は1言うと10わかってくれる。この人は10言っても1しかわかってくれない」みたいな時の考え方です。それは

  1. 持っている情報が違う

  2. 価値観が違う

  3. その両方

とのことなので今回の場合ですと、

  1. 雪まつりでの情報発信の事実確認

  2. 共有した事実に対しての主観

をしっかり分けて議論をすすめることが大切。という意味だと思います。持っている情報もバラバラ、価値観もバラバラ。そのまま議論すると結局なんなんだっけ?となりやすい。事実確認した上で、私側の指摘は以下の3つ。

指摘事項

1.情報の統制ができていないこと。
公式の情報を、いつ、誰に、どのような方法で伝えるのか(伝えないか)ルールがない、あっても運用できていない。

2.顧客目線がないこと。
出店者の目線、近隣の雪まつりに来たいと思ってくれている方の目線、遠方の方の同様の目線、それがない。その人達がどんな情報が必要なのかを想像することができていない。
それは、ガイドラインがHPに掲載されていないこと、県知事がまん延防止を国へ要望したこと、その要望を受けて只見町がどのような判断をしていくのか。そのような情報がなかったことからそう感じている。

3.自分たちが作った計画に捕らわれていること。
コロナ禍での開催基準は、国県の基準を参考に実行委員会で決めている。開催までのスケジュールを計画しているけど、感染状況によっては明日その計画は変更を余儀なくされる。なので
よく観察する、判断に必要な情報を集める、判断する、実行する、を短サイクルで回すことで、急激な状況変化に対応できやすい考え方(OODAループ)が必要ではないか。PDCAサイクルのP(プラン)どおりにやることが最適ではないのはコロナ禍で痛感していませんか。

という質問をしました。行政の方の価値観も大枠同じで、特に「公式の情報を出すのが遅かったことは恥ずかしく思う。」というような発言を町長がされました。公の場で自分の非を認め、謝罪する。ってなかなかできないことだと思います。私もできるように精進します。

2.学校の運営について

ここは今回の議会だよりに載せる原稿をそのまま掲載します。

 令和4年度に、小学校と高校の教員数が減少すると聞いている。
産休や育休を気兼ねなく取れる環境にするためにも、未来を担う子どもたちを導く教員の不足解消は、医師・看護師不足の解消と同等の町の優先課題だと考えるが町長の考えを問う。

 教職員の不足については全国的な問題となっている。
公立小学校教職員試験の倍率は2.6倍で過去最低を更新し、産休、育休者の補充すらままならない状況である。県と町が協力して教員の多忙化解消に取り組んでいる。
居住環境を整えることも重要と考え、教員住宅のエアコン設置予算を令和4年度に上げている。只見町教育ポータルサイトで情報発信し、学校運営協議会で住民と相互に協議できる場を作っている。

 学校の先生の時間外勤務を少なくしたいのがこの質問の要旨である。
例えば3小学校で同じ授業を同時にオンラインで実施することができないか。その授業中は2校分の先生の手を空けることができる。極端に言うと「先生の数が3倍になり、生徒の友達の数が3倍になる」考え方ができる。今後考えていかなければならないことは、「先生の数を増やせないのであれば、どうやって業務を減らしていくか」である。
僻地医療という言葉があるのであれば、僻地授業の言葉を作り只見町を過疎地の教育の先進地にしたいと考えている。目指すべきゴールは、只見町が先生から選ばれる場所、先生自身が学べる環境、働きやすい職場環境が大切だと考える。

 同じ授業をオンラインで実施することについては、教科による。道徳などの単発の授業は教科書の進行速度が違っても可能だと考える。今後、各学校の先生方と検討したい。

3.新地方公会計制度に基づいた財務諸表の活用について

(質問してから時間が経って自分の中でも疑問や答えが変わっているので、3月議会時とはちょっと違うところが出てきています。その前提で見てください。)
国の偉い人たちは「公会計の在り方、企業会計の考えが必要なところ」などを議論してきた経緯があるようです。その結果、現制度の公会計(単式簿記)に企業会計(複式簿記)の考えをいれよう。となり、新地方公会計制度が運用されているとのことです。

参考にした書籍

ざっくりこの本に書いてある大切なことだと感じたのは

□新地方公会計制度の目的は、資産(減価償却)を把握し活かすこと
 ↑公共施設の在り方、管理するのに必要(補修するのか、壊すのか)
□予算を重視した単年度会計では、財産変動を総合的に明らかにできない
 ↑資産が多いことで財政負担につながる、バランスはとれているか

なのかなと思います。もっとあるんですが私の理解ではここまでしかです。

質問におこしたこと

□固定費(維持費、何もしなくても出ていくお金)の見える化が必要ですよね?
 ↑住民へのわかりやすい財政状況の説明ができる
□固定費を抑え、投資にまわす予算を増やすのが大切ですよね?
 ↑困っている人がいてもお金がないと手を差し伸べられない
□そのお金は未来の子どもたちのためのお金ではありませんか?
 ↑国からの地方交付税は減額の見込み、社会インフラの負担額は増額の見込み。町が存続し続けるための貯金(借金)のバランス、計画は大切

家計も行政も同じ考え方でいいんじゃないか

今年度の予算が適正なのかを判断するためには、ある程度将来にわたったお金の使い方(計画)がわかっていないと判断できないと思っています。これって家庭に置き換えるとみんなやっていることだと思うのです。子どものために学資保険や、車を買うとかそういうのって数年先までお金のことを考えているのと同じ感覚です。

固定費の見える化の『固定費』とは「水道光熱費、家賃、携帯代」など毎月必ずかかってくるお金です。これから給料が減っていくことが見えていたら、まずはここから手をつけ始めると思うんです。
そこを節約して、欲しい物や必要なものを買ったり、貯金や投資にまわすわけですよね。

節約したお金で買ったものがその場でなくなるもの(美味しいご飯などの消耗品)だったらそれはそれでいいんですけど、その後も使い続けるもの(家とか車の資産)だと、買ったあとも継続的にお金がかかってくるわけです。それを維持するお金が増えていまします。固定費を節約したのにまた固定費が増えるわけです。それはそういうものみたいです。

自治体で考えると資産で見えやすいのは、「公共施設」です。自治体運営の24時間ジム付き温水プールとかあると「最高だー!もっとやれー!」と思いますし、もしあったとして「無くしたいと思うんですが…」と言われたら、年に1回しか使っていなくても「なにごとだー!反対だー!」となると思います。ほんと、そう思います。

ということは生きている限り、物質的に豊かな生活を目指すのであれば、基本的に固定費は上がり続けるという私の認識です。けれども税収は減り、国からの交付税も減る。その未来が見えているなら、今から備えて計画しなきゃヤヴァイよね。という趣旨です、今回の質問。

_______

行政のお金の使い方って本当に難しいしセンスが問われるし勉強と勇気が必要だと感じます。あと普段意識していませんが、「道路」「橋」「上下水道」などは維持するのにすごいお金かかります。

参考にした資料、自治体、などは以下

【郡山市の財務諸表】
めちゃくちゃ見やすい。住民へわかりやすい説明をされていてすごいなと思います。
https://www.city.koriyama.lg.jp/uploaded/attachment/19051.pdf

【安芸高田市の石丸市長の財政説明会】
めちゃくちゃわかりやすい。このぐらい喋りたい。どのような世の中になっていくのかデータから事実を共有し、その上で行政の進む方向を示されている。元銀行マン。励みにさせて頂いています。貯金も借金も基本的に変わらない(大意)というのは衝撃でした。

【只見町公共施設等総合管理計画】
ここのP.27には、衝撃的な内容が書かれています。

https://www.town.tadami.lg.jp/File/2017/03/23/body-public_facility.pdf

公共施設(建築物)およびインフラ施設について試算した結果を併せて、全ての公共施設等における今後 40 年間の更新等に掛かる費用の見通し額を、下記のとおりに試算しました。
【試算結果】
◆全ての公共施設等の更新に将来充当可能な経費:年間約 6.4 億円
(平成 27 年度までの5年間における投資的経費の平均額。事務費・解体撤去費等を除く)
◆年間更新費用:約 15.9 億円 (40 年間総額:約 636.5 億円)
年間不足額  : 15.9 億円 - 6.4 億円 = 約 9.5 億円不足

只見町公共施設等総合管理計画

A:「昨年通りです(毎年9.5億円不足します)」
B:「はいそうですか、わかりました」
A:「辞める事業はありません(今までと変わらず固定費を維持します)」
B:「はいそうですか、わかりました」
A:「住民満足度が低い公共サービスの見直しをします(固定費を削減したいです)」
B:「それは困ります、存続してください」
A:「では逆に住民サービス向上のために、新たな事業をやります(固定費は増えます)」
B:「いいですね、もっとやってください」

ではいかんと思うのです。同じく只見町公共施設等総合管理計画のP.14冒頭には、

1人あたりの公共施設の延床面積 本町の人口(国勢調査要計表による平成 27 年 10 月1日現在 4,470 人)1人あたりの公 共施設の延床面積は、17.1 ㎡/人となっています。 また、総務省が平成 24 年3月に公表した「公共施設およびインフラ資産の将来の更新 費用の比較分析に関する調査結果」によると、全国の市町村の平均 3.22 ㎡/人に比べて 約5倍となっています。

只見町公共施設等総合管理計画

只見町は全国平均より5倍の面積の公共施設がある。と書いてありますが、住民の、皆さんのおおくは「そんな贅沢はしていないぞ!」と感じると思います。住民が少なく面積が多いので道路が長いので、只見町はここの数字が高くなってしまうのだと思います。違ったらすみません。

このバランスを整えていくのはとても大切だなと感じた一般質問になりました。白髪増えました。