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子育て政策の先進地に勉強に行ってきました

8月9日10日で総務委員会で新潟県の出雲崎町と燕市に研修に行かせていただきました。想定以上の視察受け入れをしていただき、この場でも御礼申し上げます。

出雲崎町

出雲崎町は自然増を目指さない

まずですね一番驚いたのが、出雲崎町は社会増を目指すと明言しています。
※社会増は出雲崎町に引っ越してきてねで人口が増えること

一般的には”子どもがもっと生まれるようにしよう”などの自然増施策も含めて掲げている自治体が多いように思います。「自然増を外したのはすごいですね」と発言したら

自然増を目指すのは無理ですよ。うちの町は1人産まれたら、10人亡くなるんですよ。

とド正論ストレートをお見舞いされました。ここってすごい大切だと思っております。できないものはできないと言い切る。「それはですね…..」や「検討します(即答!)」とかだと大事なことが対話できないなと思っちゃいます。

出雲崎町の概要

面積は44.38㎢。6km X 7kmぐらいの四角形のイメージです。只見町で言うと、只見駅~ねぎぼうず X 只見駅~田子倉ダムの四角形ぐらいです。とてもコンパクトですよね。ちなみに只見町は747㎢です。

人口は4,190人。只見町と同規模で、海と山があり文化がちょっと違ったりする。お隣みたいな市町村は「長岡市」「燕市」「三条市」みたいなところです。つまりベットタウンの側面ある町です。

出雲崎町は、転入超過が新潟県最多です。(出雲崎町へ引っ越ししてくる人が、出雲崎町から引っ越しちゃう人の差し引き)

子育て政策は2階建て

という印象です出雲崎町の政策。
※今日、私の言葉のチョイスが独特だから伝わりにくいよ。と指摘してくれた人がいるのですが、こういうことなんだろうなと思いました。

出雲崎町の移住子育て政策は、住むところ用意しますを中心に置いているなと感じました。というのは、先述のベットタウンの要素がある町ならではだなと思います。

町が宅地整備をして、どうぞ戸建てを立ててください(近隣市町村の土地相場より安いです)役場職員が自ら観光PRのような場で土地を売りにいくし、住宅メーカーに営業に行く。

を何十年もやってきているそうです。その効果だと思うのですが、対応いただいた副町長(町職員出身)や課長が骨太です。野村証券の営業マンまでじゃないですけど、ゴリゴリ文化が受け継がれているそうです。お二人とも海側出身で、ゴリゴリ文化は漁師文化に近いかもと談笑されていました。

近年は、ファミリー向けのお試し町営住宅を整備(子どもが2人いるとちょっと手狭な間取り)をして、宅地購入前にワンステップいれた感じです。ということから1階が住居整備(ハード)、2階に子育て政策(ソフト)と整理しました。

空き家対策はどうしているの

本音でお話してくださりましたが、「若い人は空家を好む人は少ない。現代的な住居を好む人が多い。」とのことです。
また「議会からは、新築を建てるのではなく、空家の活用を。といただくが、実績データから判断し、出雲崎町での移住政策では、空家は需要と供給バランスが合わないと判断している。」というような意図の発言だったと思います。違ったらすみません。

【余談】
議員は「町民の代表」と言われますが、僕はあんまりそう思っていません。そういう意識低い系議員です。行政側の方が現場に近い場合は、議員は町民の声(未来の町民)を代弁しているとは思えないんです。議員の声が町民の声かどうかは、町民との距離によってケースバイケースなのかなと。いつでもどこでも黄門様印籠スタイルの対話では無理がでるなと思っています。

保育所の運営は民間

只見町には診療所と保育所があり、そこには公務員の立場の方が勤務されています。地方自治体の職員数には定数があり条例で定められています

公務員として看護師や保育士などの専門職の方がいるのが良い悪いではなくて、その地域の特色かなと思います。出雲崎町には保育所が民営なので、よっしゃ認定こども園にすっか。とかがしやすいように感じました。

社会増している自治体はベットタウンだけなのか

最近すごく後ろ向きなのですが、地方都市で社会増を実現できるはベットタウンだけだと思っています。例えば名物元市長の明石市は市長がこのような意図の発言をされていた記憶です。

明石市で過ごして、大学就職は神戸市へ。結婚して子育てする時に明石市に戻ってきたくなる市にする。仕事は神戸に変わらず通勤してもらっていい。

みたいな感じです。つまり近隣市町村と子育て世代の移住争奪戦です。只見町はどこかに出かけようとしたら大体2時間(会津若松、那須、長岡)なので通勤には現実的な時間ではないと思います。なのでベッドタウンにはなり得ないと僕は思っています。国道289号が三条市まで開通したら1時間の通勤はあるかもしれませんが、冬季の夜間の除雪が実現できるのか僕には見えない。

えちごトキめき鉄道の鳥塚社長の、田舎にもともと需要はないに納得しすぎて最近そこから上がれないです。

誰のために働くのか

私も移住者ですが、只見町に移住する方って独特な方しか来ないと思っています。その上で全国取り合いの子育て世代を只見町に移住してもらうってほぼ不可能じゃないかなと思います。実績としての数字も乏しいと判断しています。

できないことはできないで割り切った方がいいんじゃないか。それならば只見町住民へもっと直接的にお金と人を使った方がいいんじゃないか。と思うようになりました。観光関係の担当職員は土日に外に行くことが多いでしょうし、地区の行事や草刈りに出られない状況があるのは、本末転倒な気がしてきていますし職員本人も切ない気持ちがあるんじゃないかと思います。

出雲崎町の子育て政策

紙でパンフレットをいただいたのですが、めっちゃ素敵で見やすいガイドブックです。「行政でこのデザイン出すの良いですね。」とお話しすると副町長が「我々が作ると脂っこくなってダメなんです笑。」その辺りの意思決定が骨太だよなーと思います。
出雲崎町子ども子育てガイドブック

燕市

燕市の素晴らしいのはまず、当初予算のポイントが素晴らしい。これは本当に見やすいし理解しやすい。

https://www.city.tsubame.niigata.jp/material/files/group/5/2023yosanpoint3.pdf

燕市の子育て政策

燕市ではより具体的な施策を伺いました。

  • 保育所数は16園

  • 乳児の受け入れは施設によって2ヶ月〜OK

  • 保育現場のDXはそこまでハレーション起きていない

  • 保育士から"コドモン"好評。特に欠席電話対応業務が激減、掲示板でのお知らせ周知が確実になった

  • 幼稚園の需要が時代的に減ってきて、認定こども園に変更してきている

  • 施設の建て直しの際に公営から民営に転換

な感じです。財政規模、経常収支比率、民生費の割合なども只見町と比較しながら保育所長さんも交えてリアルなお話を伺いました。

まとめ

出雲崎町では只見町と人口が同規模の自治体として、「社会増、自然増の考え方」「近隣町村の影響とマッチした施策」と学ばせていただきました。

燕市では保育所の再編や働き方などの先進事例などを具体的に学ばせていただきました。

受け入れ難い事実を受け止めてから前向きになることが大切だなと思います。只見町のことを言っているのではありませんが、身の丈に合わない政策を掲げた結果、限られた労働力が分散して職員が疲弊し、事業成果がでていない状況って自治体あるあるなんじゃないかなと想像しています。

今は辛い事実を消化するのに時間がかかっていますが、もう少ししたら前向きになっていると思います。
僕が「シュコーシュコー」と言い出したら闇堕ち(ダース・ベイダー)しかけているので、C‐3POのモノマネをして励ましてください。スターウォーズネタをいきなり入れましたが、今後ともよろしくお願いします。