最初から「楽なやり方」を教えないで欲しい・・

現在小学2年生の子ども。少しづつ、自分の事を自分でできるようになってもらおうと、色々とやらせている。

自分の事を自分でするのは、「自分を知る」ことでもあると思う。

何が得意で、何が苦手か。最初はすべて初めての事だから、できなくて当たり前。だけど、やっていくうちに簡単にできるようになっていく事も多い。それでも「苦手だな」と思うことが、本当に苦手な事。やった経験がほとんどないだけの事を「苦手」と勘違いするようにはなって欲しくはない。

そして、最終的には「苦手なことは、人に手伝ってもらってもいいんだ」というところまで考えられるようになって欲しい。

苦手だから「やらなくていい」じゃなく、苦手なことは「手伝ってもらってもいい」「ちゃんとお互いが納得したうえでなら、誰かにお願いしてやってもらってもいい」「有料のサービスを利用していい」ということを選べるようになって欲しい。そして、「人にやってもらうということはありがたいことなんだ」という気持ちになれる人間になってくれたら、と思う。


そのためには、まず、自分ができる事は自分でできるようになってもらうわけだけど、そのやり方について、ちょっと気になることがある。

夫は、子どもに「こうするといいよ」と、すぐに「楽なやり方」を教えてしまう。

私は、それをいいことだとは思えない。

基本的なやり方を教えたら、『自分で』うまいやり方、楽なやり方、効率のいいやり方を発見していって欲しいと思っているからだ。



子どもへの伝え方としては最初に、「面倒だな」と思いながらやってもらう。「面倒」だけど「やらなくちゃいけない」と思ってもらう。

(「やらなくちゃいけない」と思ってもらうために、私は「大人というのは、自分で自分のことが全部できるようになることだよ」と伝えてある。なので、大人に向かって成長しているあなたは、これをできるようにならなければいけない、と教えている。「ひとり暮らしができるようになる」ことが目標。)

手順としては以下

1 基本を教える(ゴールを示す)
2 やって見せる
3 作業を見ててあげて、本人にやってもらう(ここで一切口を出さない
4 3で手順を忘れなくなったら、任せる(基本、大人は見ない。口も出さない)

3の状態では、質問や手順の確認を子どもの方からしてくるので、そこは短い言葉で答えてあげる。「○○はどうすればいいの?」「△△で大丈夫だよ」「わかった」くらいのやり取り。

大人はつい、聞かれもしないのに「ここはこうした方がいいよ」と教えてしまうのだが、それを聞いた子どもは「間違えた!!」と思い、委縮してしまう。まだ自信がない状態なので、アドバイスがダメ出しに聞こえてしまうのだ。

ここは出来上がりが最低ラインをこえていればクリアー。


3を何回か繰り返していくうちに、大人が「一人でできそうだな」と感じたら、始める前に「今日もついていた方がいいかな?」と確認をする。それで、本人が「大丈夫」と答えたら4へ。「困ったことがあったら呼んでね」を忘れずに。

そうすると、子どもが勝手に、自分で楽になる方法を探し始める(上記4)。

そして、試行錯誤していく中で「自分なりのやり方」を見つける。そうなると、自分に対しての自己効力感も上がるし、最初やっていた頃よりもスピードもアップする。早くできるようになると自分も嬉しい。そして、大切な事なのだが「自分で開発した方法は、忘れにくい」

4の段階をたまたま見ていた大人が、「こうすると楽だよ~」と教えても、「教えられたやり方は、すぐ忘れる」。そうすると、「思い出す」ことに時間を取られたりして、案外作業に時間がかかってしまうため、嫌になってしまう。

これに「教えられた通りやらないと何か言われる(せっかく教えてあげたのに、など)」が加わると、おそらく「やりたくない」気持ちが強くなるだろうと思う。

私は何か教えるとき、「お母さんはこうやっているけど、違ってもいい」と必ず言う。目的が達成できればいい。ただし、絶対守って欲しいことだけはちゃんと言う。


自分のことは自分でする。最初からできない、苦手だと言わずに取り組んで試行錯誤する。

最初から「楽なやり方」を教えない。これを、大切にしていきたい。





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