元には戻らない

もう4月も終わりそうなのに、なんだか以前のペースに戻せない。

そもそも、人間が「元に戻る」なんてことはないんだけど。


ドラマとか本とかで、素行が変わった人に対して

「元のあなたに戻って欲しい」

みたいなのがあるけど、

もう元には戻らないよね。

一度変化した心は、落ち着くことはあっても「元に戻る」ことはない。


ハンプティ・ダンプティをはじめて読んだとき、怖かったことを覚えている。

ハンプティ・ダンプティが塀に座った
ハンプティ・ダンプティが落っこちた
王様の馬と家来の全部がかかっても
ハンプティを元に戻せなかった

Wikipediaより。


そして何かを行動することが怖くなった。だって「元に戻せない」のだから。

でも、いつ頃からだろうか、人が死ぬようなことでなければ「元に戻せない」ことが受け入れられるようになった。

自分が、不可逆の変化を経験して、それが自分にとって納得のいくことだったからかもしれない。



「元のあなたに戻って欲しい」

それを言う人は、「元のあなた」でないと都合が悪いから言っている。

だけど、何かが変わったら、たとえ行動が元に戻っても、心は以前とは別物になっている。「元のあなた」には絶対に戻せない。


ハンプティ・ダンプティは卵だから、元に戻せないことは死ということだけど、「あなた」は変化しただけで、悲しい結末が待っているかどうかは分からない。


私はというと、元のペースに戻せないなら、新しいペースでやっていくことにすればいいんだな。

また、うんうん唸って、新しいやり方を考えてみよう。


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