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ウエノカナコの詩

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以前から書いていた詩を、不定期でnoteにあげていきます。日付が残っていれば日付を入れます。私の心の叫びです。 過去の詩にも、後からタイトルを付けることにしました(2021/3/…
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2021年7月の記事一覧

(詩)ブレーメンの音楽隊

ブレーメンの音楽隊は 絶望した仲間たちが希望を求めて旅立った ブレーメンの音楽隊は ブレーメンを目指す ブレーメンの音楽隊は 泥棒から館を奪い取る 協力して奪い取る ブレーメンの音楽隊は 幸せを見つけた みんなで幸せに暮らせる館を手に入れた ブレーメンの音楽隊は ブレーメンに行かなかった ブレーメンに幸せがあったのかどうかは わからないまま 泥棒の館で 幸せに暮らした

(詩)勇気

勇気は 味方がいると思えたら生まれる 自分だけで奮い立たせることは難しい 依って立つもの 駄目だったとしても戻ってこられるところ そんなものが 勇気には必要な気がする ---------- 昨日はたくさんの方にスキをいただきました。 やさしいコメントもいただきました。 私はずっと 「ひとりでも頑張っていく!」 と思ってやってきました。 だけど、限界を知りました。 ひとりで頑張るのは短期間ならできるけど 10年は越えられなかった。 私に蓄積してい

(詩)ひとりぼっちに気付かなかった

ひとりでいることと ひとりぼっちでいることはちがう 私はひとりでいることが好きだ 必要以上に構われることは好まなかった 子育てをして それでもひとりだった まわりにああだこうだいうひとはいたけど いつもひとりだった 何年かして気がついた じぶんが 「ひとりぼっち」になっていたことに つながれるひとがいない 相談できるひとがいない スタンドアローン いつの間にかつながり先をなくしていた 何年も誰ともつながれず 一人で精いっぱい子育てだけをしていた

(詩)雨降るのかな?

「雨降るのかな?」 知らないよ 「雨降るのかな?」 天気予報見れば 「雨降るのかな?」 俺に聞くなよ 「雨降るのかな?」 自分で決めろよ 「「雨降るのかな?」の答えを自分で決めるの?」 そうだよ 自分で決めるんだよ 「雨降るかもしれないし降らないかもしれないしわかんない」って その後にまた決めるんだよ 出かけるのか出かけないのか 雨に濡れてもいいのか濡れたくないのか 雨なんてどうでもいいんだよ 自分がやりたいことが先にあるんだよ

(詩)自分で決めたいんだよ

ボロボロになった靴を捨てるのも 期限のある頼まれ事をいつやるかも この後何をするかも 自分で決めたいんだよ あなたからの「これしたら?」は要らないんだよ まだ決めていないけど 自分で決めたいんだよ 「これしたら?」はね 「どうしたらいいと思う?」の後にしか 要らないんだよ

(詩)ベクトルが違う

ひとりでいたい人と 人といたい人 外に行きたい人と 家にいたい人 と 映画が好きな人と 映画が好きじゃない人 何が違う? ベクトルが違う 「好き」と「好きじゃない」は 矢印が大きい人とゼロの人 「外に行きたい」と「家にいたい」は 矢印が反対を向いてる同士 お互いに、その場所でやりたいことがある それぞれやりたいことがある ひとりでいたい人は ひとりでやりたいことがある

(詩)さなぎ

カブトムシは、カブトムシになってから土から出てくるんだって イモムシから土の中でさなぎになって 土の中からカブトムシの格好で出てくるんだって でもセミは違うよね セミは幼虫のまま木に登って 幼虫の形の殻の中から 背中を割って出てくるよね あれはさなぎじゃないんだって 私たちは人間だけど いろんな形のさなぎがあるかもね 中には生まれた時から同じ形の バッタみたいな人もいるかもね 寒い冬を越さないと咲かない チューリップみたいな人もいるかもね 人間はあ

(詩)扉を開けないで

扉を開けないで 扉を開けないで あなたが入ってこないように扉を閉めたの 鍵を探さないで 鍵を探さないで あなたが扉を開けないように鍵をかけたの この扉は私の扉なの この扉を開けていいのは私だけなの 扉の前で楽しそうなことをしないで 私に扉を開けさせようとしないで そういう意味じゃないの 扉を開けるかどうかを決めるのは私なの あなたが扉の前にずっといるから 私は扉を開けたくないの