第8回 web版「ぼくいえ」 取手が壊れた。
なんとも地味なタイトルですみません。このタイトルで「お!」ってなって読んでくれる人とかおらんやろマジで。
でも、2004年竣工して18年、未だ訪ねてきた人が「木の匂いがする!」と言ってくれる自慢の「ぼくいえ」も、ガタがきている部分があるんだよっつう話です。
その一つが取手。ウチの取手は主に小泉誠さんの皮の取手を取り付けております。
もちろん、他にも遊びでつけたものや、大きめのドアなどには大きめの取手をつけているのですが……。
サービスヤードに出るドア(網戸と二重扉になっているのだ)
子ども部屋のドア
寝室の本棚の扉。当時新築ハイになっていた私が
ニューヨークから取り寄せた
基本はこいずみ道具店の皮の取手、「Tongue 1穴/ナチュラル」。何がいいって、シンプルさ、使い心地の良さ、大仰じゃないサイズ感、そして!そう、お・値・段。確か当時150円でしたから。一個。今もちょっと上がったけどそれでも200円。
しかし、これ取手ですから、やっぱり日々引っ張ったり、濡れた手で触ったり、あれこれ使っていると伸びてしまったり、ちぎれてしまったりするわけです。特に、食器棚の取手につけたのは使用頻度が高くてどうしても。この商品が悪いのではありません。単なる使い過ぎです。
で、別のところでよく使うところ(納戸のドアとか、サービスヤードへ出るドアにつけた網戸とか)でちぎれてしまったところは、ハンズマンとか行っておもろ!って感じの取手があったので、それを取り付けたりしました。
ただね、やはりなんというか、大仰な感じが否めないんですよね。上の写真はサービスヤードの網戸なんですが、これもハンズマンでかわいかったTシャツ取手。持ちやすくてがっしりしていていいんですが、なんでTシャツ?ってなったら、うん、もう、そこはフィーリングで、ってなっちゃうじゃないですか。ストーリーが成立してないとどうにもこそばゆい。食器棚用に考えていた取手はハンズマンにフォークの形とかあって、いいかなと思ったんだけど、なんかでかい気がする。売り場で取手を手に10分くらい考え込みましたよ。でもね、家づくりしてる時から私が終始こだわっていた「さりげなさ」「そっとね、そっと」という観点から鑑みても、食器棚の取手はどうしても小泉さんのじゃないと。
で、またお買い上げしました〜〜〜。ホクホク。多めに購入。5個。
お店の人の対応も良くて、ああ、東京行ったらこの店行きたいなあ、と思ったもんでした。
【著者プロフィール】
川上夏子(クワズイモデザインルーム)
1974年生まれ、福岡市在住。企業向けデザイン、ブックデザイン、エディトリアルデザインからライティング、撮影、イラストなど、グラフィックデザインにまつわるいろいろを生業とする。著作に『ぼくらのいえが できるまで できてから』『小夏を探す旅』、ブックデザインに『福岡喫茶散歩』(小坂章子)など多数。
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