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自由律俳句集ワ「飛花落葉」

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自由律俳句のまとめ⑬
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記事一覧

自由律俳句 #325

錆を血痕に見紛い驚く夜道 喫煙所のヒエラルキーの外に居る 泣きながらも炒飯作る

カズタカ
6か月前
8

自由律俳句 #324

供養が必要になり線香を買う あるはずもない糞が匂った気がする 余ったドッグフードの貰い手…

カズタカ
7か月前
7

自由律俳句 #323

床屋のラジオで深刻なニュースを聞く 子どもがジュースで残雪に色を付けている CM通りに作っ…

カズタカ
7か月前
7

自由律俳句 #322

更地になると悲しいほど狭い 色のない入院病棟を歩く 珍しいパンだというが普通だ

カズタカ
8か月前
9

自由律俳句 #321

廃屋に着付け教室の看板 まだ食べ盛りだと思われている 人狼に誘われただけで緊張する

カズタカ
8か月前
7

自由律俳句 #320

放屁でおさまった痛み 夢の中で初雪 疲れ切った身体で雲を呑む

カズタカ
8か月前
6

自由律俳句 #319

落としたマフラー上からずっと見ている 上着に付いたたばこの匂い感じながら歩く 自動販売機でココアを選ぶ指の荒れ

自由律俳句 #318

違法駐輪を注意する人の息が白い 知らない祝日がある 水からお湯に変わるのを感じる手

カズタカ
9か月前
7

自由律俳句 #317

椅子の背が上着で賑やかだ 高架下の公園で子どもの泣き声響く 聞かれたくない電話をする場所…

カズタカ
10か月前
12

自由律俳句 #316

手を振る顔はもう暗く見えない ゾンビメイクだが疲れ切っているのがわかる ドンキホーテで憂…

カズタカ
11か月前
12

自由律俳句 #315

地面のキンモクセイ雨に濡れて寂しくなる 自分が座らなかった濡れたベンチにあっさり座った …

カズタカ
11か月前
10

自由律俳句 #314

寒い風呂場で腰を叩く 口笛くらい聞かれてもよい夜 追い抜きざまに溜息をつかれる

カズタカ
11か月前
8

自由律俳句 #313

捨てる靴を最後に履く雨 おぼつかない車庫入れを見る猫 タオルケット一枚分の重み感じる

カズタカ
1年前
11

自由律俳句 #312

パン屋と水族館は似ている 無慈悲に片付けられる夏の残骸 兄弟が恐る恐る課金している