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独りでテントを組み立てる練習をしている 靴が欲しくなる陽気だ とっくに乾いた部屋干しが西…
ごみ捨て場に春を見た朝だ アルミ缶が倒れる悲しい悲しい音 パソコンのLEDを五分は見ていた
ラジオに頷きポットに苛立つ 年齢を書くたび顔が歪む あんなに小さな地震で何を考えていたか…
なにもかも枯れた公園で子どもが元気だ さびしいまま寝て起きてもさびしい やはりマーガリン…
犬が遠くからゆっくり舐めに来る 春がゴールかのように待つ シジミほどの役にも立っていない
口笛で高音が出ない朝だ 鎮痛剤で小遣いを使い切る ブロッコリーを食べてくれる人も居ない
レジの人が乱暴に休憩札を置く チェゲバラをミュージシャンだと思っている 自分が番号札を取ってないのを見ていたはずだ
正月の情緒から逃げてコーヒー 無理矢理にひねり出した抱負 焼けた餅に慰められる
来年のカレンダーがなく焦る キャリーケースを引く本人だけ気づいていない クリスマスムード…
霜の降りたベンチの前で立ち尽くす朝だ 沸騰するまで本を読む 部屋が暖まり始めて犬が動き出…
悪くない方が謝っている 雲の無い空にムササビを飛ばす 冷たい料理だったなんて
寝てる猫起こさぬよう石段を下りる 賑やかな飲み屋の前を俯いて通る 労うように洗車されてい…
野良も警戒心を捨てる秋晴れ 湿った落葉を払って座る 茶漬けが熱すぎて水を足す
大きめの地震だが疲れ果てている 夢で見ていた空のほうがリアルだ 昨日まであった自販機が無い