神道政治連盟が同性愛を理解できない理由

高度な性教育を受けていない者ほど、同性愛に対する認識・了見が狭くなり、非科学的で時代錯誤な冊子を堂々と配布するに至る。
以下、記事より抜粋。

>「同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症です」

同性愛が心の問題か体の問題かは観点で変わる。精神障害でも依存症でもない。性的指向は千差万別なので後天的要因で同性愛者になることもあるが、それは「全ての同性愛が先天的なものでない」ことの証明にはならない。

>「(同性愛などは)回復治療や宗教的信仰によって変化する」

一部そうなる者がいたとしても全員に当て嵌まる訳ではない。「一部と全部の区別が付かない」のは差別の一大特徴。

>「世界には同性愛や性同一性障害から脱した多くの元LGBTの人たちがいる」

逆に、異性愛から脱した多くの元異性愛者もいる。

>「LGBTの自殺率が高いのは、社会の差別が原因ではなく、LGBTの人自身の悩みが自殺につながる」

自殺の原因は常に「自殺者の精神的脆弱」だが、悩みのきっかけや発端が社会の差別の場合もあるので、「自分達の差別がLGBTの自殺に繋がらない証明」にはならない。またこの文章はあらゆる属性に対して言えるので、LGBTのみを論うのはおかしい。

>「性的少数者のライフスタイルが正当化されるべきでないのは、家庭と社会を崩壊させる社会問題だから」

多様性に寛容で適応力のある社会は崩壊しない。自分達の家庭や社会の適応力や未熟さの問題を、性的少数者に責任転嫁している。

>《なんで神道の団体がキリスト教の思想を推すのかなと思った》

原理主義者は、宗教が異なっても(創始当時の)似たような世界観を共有するからである。安倍元総理とトランプ元大統領の馬が合うのも同じ理屈(両者ともトンデモ右翼思想に感化されている)。

>ただ楊氏は講演に際して『私には差別の意図はございません』とハッキリおっしゃっています。

意図がないことは差別でない根拠にならない。寧ろ意図がない方がタチが悪い。

>「私たちも差別的な目的で会合を開いたわけではありません。あくまで理解を深めるためです」

実際には却って”理解を狭めている”ので、講師のレベルや選別手法を変えた方が良い。尤も、本当の目的が「自分達の価値観の正しさを再確認し安心するため」であろうことは想像に難くないが。

>私たちも何が差別なのか、わからないところがあります。

差別とは「己の無知や誤解や偏見や不勉強に無自覚で、論理的整合性や科学的根拠ないなまま、一部(個人)と全部(集団)を混同したり都合良く論点をすり替えたり論理飛躍したり思考停止したりして、多様性に不寛容・排他的になること」と言える。


神道政治連盟国会議員懇談会といえば、ネトウヨ議員の在籍率が高いことで悪名高い。差別が何かも分からない集団が政権を牛耳っているのだから恐ろしい話だ。だが彼らを選んだのは他ならぬ我ら有権者。残念ながら、これが今の日本の民度なのだ。
彼らもまた低水準教育の犠牲者。義務教育で哲学・心理学を教えないから、想像力・自制心・倫理観・論理的思考力・メディアリテラシー・問題解決力が低くなる。

トンデモ右翼思想によくある論調と特徴 http://kanjo.g1.xrea.com/mindo.htm#4

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