「風紀の乱れ」という思い込み

基準が曖昧な「風紀の乱れ」なるものを口実にするからおかしなことになる。

そんなものは「それが存在すると思い込んでいる人の心の内」以外には存在しない。単に当人の「心の乱れ」が投影されているに過ぎない。

タトゥ客を断る経営者の心理にあるのは、「入れ墨した者はトラブルを起こすことが多い」という「入れ墨への偏見・差別」だ。「入れ墨をした人は怖い」等の偏見を持った他の客への過剰な同調的配慮であり、見た目で人を判断するルッキズムの典型例とも言える。

他の差別主義者同様、過去の経験と事勿れ主義が排除主義に至らせるのだろうが、タトゥのある者全員をトラブルメーカーと見做すのは「個性と属性」を区別できていない証拠。身体的特徴が似ているからといって、必ずしも精神的特徴まで似通う訳ではない。

タトゥを断る人もまた低水準教育の犠牲者。義務教育で哲学・心理学を教えないから、想像力・自制心・倫理観・論理的思考力・メディアリテラシー・問題解決力が低くなる。

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