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かおり

かおり

においは鼻で感じる感覚で、多くの人がいいと感じるにおいを香といいます。

「香」という文字は、「黍(きび)」と「甘」の二つの文字を組み合わせたものです。黍を茹でた時に生じるあまい香りを現している、といわれています。

また、「薫」という文字は、袋に入った香草を火であぶった形からできた象形文字で、香草をいぶし・くゆらせることで、香草の匂いが立ちこめている様をあらわしています。

英語では

fragrance 、aroma、perfume などがありますが、
fragrance は 良い香りを意味する語で、
sweet(甘い)、delicate(おいしそうな)のような、形容詞と一緒に使われることが多く、特に「花のような(floral)」や、「新鮮な(fresh)」などのように、花や植物の良い香りを表わすときに使われます。

aroma は やや強い良い香り「芳香」のことで、特に食べ物やコーヒー、ワインなどの飲み物が醸し出す香りを表します。
心地よい(pleasant)、甘い(sweet)、ナッツ風味の(nutty)などのような形容詞と一緒に使われます。
語源はギリシャ語の「香草、香辛料」を意味する言葉で、植物等から発する香りに用いられます。

また、「アロマオイル」は「香りがする油」のこと。
植物から精製した油で、「精油(エッセンシャルオイル)」ともいい、成分は天然由来です。
一方「フレグランスオイル」は「良い香りがする油」という意味で、カタカナ語では主に合成香料をさします。

perfume は自然の良い香り 花などの良い香りのほかに、「香水」を意味します。

においを生じる物質

は、気化する物質で、常温で気化するものもあれば、加熱によって気化するものもあります。水に溶けるものもあれば溶けにくいものもあります。

香物質の多くは、植物由来で、多くの花は芳香を発します。花以外から香りを発する植物は香木 香草 ハーブとよばれます。植物の分泌物が固まった樹脂にも香物質を生ずるものがあります。

香料に用いられる主な植物とその使用部位

  • 花 ローズ、ジャスミン、オレンジフラワー、イランイランなど
    果実・果皮 オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライム、バニラなど

  • 全草(葉や枝) ペパーミント、シソ、ラベンダー、ゼラニウム、セージなど

  • 葉 ユーカリ、ローレル、ウインターグリーンなど

  • 材 (木の幹) サンダルウッド、シダーウッドなど

  • 樹皮 シナモン、カッシャなど

  • 根茎 ジンジャー、ターメリック、ベチバー、イリスなど

  • 種子 アニス、コリアンダー、クミン、ナツメグ、ペッパーなど

  • その他 クローブ(つぼみ)、オークモス(こけ)、エレミ、ガルバナム(樹脂)など

  • https://www.jcia.org/user/public/knowledge/explain/perfume


動物性香料

以上のように天然香料の多くは植物由来ですが、動物由来のかわった香料がいくつかあります。

麝香(じゃこう)は偶蹄目ジャコウジカ科の雄の分泌物で、下腹部にある香嚢より採取されます。
また、麝香様の香りを持つもの、それを産生する生物として、霊猫香(シベット)を産生するジャコウネコやジャコウネズミ。植物のムスクローズやムスクシード(アンブレットシード)、昆虫のジャコウアゲハなどがあげられます。

海狸香(かいりこう)、カストリウム (Castoreum) は、ビーバーの持つ香嚢から得られます。

龍涎香(リュウゼンコウ)Ambergrisは抹香鯨(マッコウクジラ)の消化器内に、不明の原因により生じる一種の病的分泌物で、グリスの名の如く灰色のロウ状物質です。その形成には諸説あるが、抹香鯨の食物であるイカやタコの嘴が消化されずに結石し、この廻りに芳香成分が分泌され、これが体外へ排出されたものという説が妥当と思われる。実際、良質品ほどイカ等の嘴が多く混入している。

貝甲香(カイコウコウ) Cuddy Shell原産地:アフリカ
は巻貝の蓋が原料の香料です。

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