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おばあちゃんの冷たい額に手を当てて

2023年2月1日に祖母がなくなりました。
そして今日が親族だけのこじんまりとした葬儀。

14年前、祖母の息子である僕のおじさんが亡くなったとき、
祖母は涙一つこぼさず、最後のお別れの際に
黙っておじの額に手を当てていたのを覚えていました。
なので僕も祖母に同じようにしてお別れをしてきました。

そして祖母のおかげて14年ぶりに
親戚が顔を合わせることができました。

祖母はどんな人だっただろうと
ここ数日考えていました。

祖母は生粋の京都人で、
サバサバしていて、
裏表があって(笑)
人情味のない、
自由な人でした。

そんな祖母のことが僕は大好きでした。

僕が高校生の頃、
実家の両親の元を離れたくなったとき、
今思えばちょっとした家出だったんですね、
祖母の家に電話して、
「おばあちゃん、今から行ってもいい?」
「来たらええよ」
と二つ返事で許可してくれました。
今でも電話番号覚えてて自分でもびっくり。

祖母の家に行っても何をするでもない、
会話が弾むでもない、
ただ二人でテレビを見てるだけ。

料理をほとんどしない都会っ子の祖母は、
夕食は毎回洋食屋の出前を取ってくれて、
朝になると砂糖とブライト(ミルク)
たっぷりのインスタントコーヒーを入れてくれました。

そんな祖母といるのはとても居心地が良かったのを覚えています。

4人の子どもたちと5人の孫と、1人のひ孫に見送られて、
祖母は旅立ちました。

本当にお疲れ様やったね。
良い人生だったかな?
なんにもお返しできなかったね。

ありがとう、おばあちゃん。

またどこか出会おうね。


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