「ユーコンを流れる」2019 ユーコン川344km、8日間一人旅②
2)前日(8/27) 「カヌーピープル」
カナダのバンクーバーVancouverで国内便に乗り換えて、ホワイトホースには夕方に到着した。幸い予約をしていたKP店はホテルのすぐそばで、ユーコン川のほとりにあった。既に営業時間が終了していたので、場所だけ確認して、街を散策した。緯度が高いので遅い時間になっても明るく、人が歩いて賑わいがあった。20世紀初期のゴールドラッシュに関する資料館があった。
翌日は、終日、準備に費やした。朝、一番でKP店に顔を出し、旅に必要な装備や保険などの確認をし、またガス缶や川の地図などを購入した。東京で大道芸人をしているという二人連れの日本人青年に会った。彼らもユーコン川を下るという。彼らが使用するのはカヌーで、私より1日遅れでの出発だ。私の8日間に対して、10日間とゆっくりである。不安な感じが見て取れ、同行したそうであったが、幸い、コースと日程が合わなかった。「幸い」というのは、同行したいのは山々であるが、今回のわたしの旅は、「ひとり旅」が目的であるからだ。帰国してネットを見たら、彼らがアップしたものを見つけた。弥次喜多道中で難儀したようだが、無事帰国できて良かった。
店の担当者は、私のひとり旅に不安を感じたようで、「沈(ちん)」した時はこうするんだと、身振り手振りで対応の仕方を教えてくれた。私も、一度くらいの沈は覚悟していたが、結果的に一度もなかった(「沈」とはカヌー用語で、転覆すること)のは、ラッキーであった。
それから、スーパーマーケットで食料品を買い足した。ただ、現地に何があって、何がないのかが分からなかったので、ラーメンやレトルト類を日本から持ち込んだのは正解であった。ここで買ったのは、フランスパン1本、細かく刻んだサラダの野菜2袋、ドレッシング、プルーン、そしてチョコレート、クラッカー、牛肉1枚などであった。
こちらのものは、何でもサイズが大きく、ひとりでは持て余す分量だ。食事の基本は、朝はパン、クラッカー、おかゆ、昼はインスタントラーメン、夕食は米1合を炊き、親子丼、カレー、牛丼などのレトルト類、スパゲッティーなどで、飽きないように工夫した。朝、温かい紅茶を入れ、残りはテルモスに保温して休憩時に飲んだ。
酒は、クマ対策の観点から、酔っぱらってはならないと思って、買わなかった(しかし、夜間の寒さを考えると、持って行った方が良かったかも?)。日本から用意した蚊取り線香は一度も使用しなかった。もう、蚊の季節ではなかったからである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?