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Buen Camino 2022 あなたも巡礼に出かけてみませんか? ②

(2)パリからサンジャン・ピエド・ポー へ

8/15(月) 
 翌日の早朝出発に備えて福岡から成田に移動した。空港ロビーで、とりあえず15,000円をユーロに両替する。後はカードを使い、現金は現地でその都度引き出す予定である。

 翌日、成田発9:35のエールフランス(AF)の直行便でパリに向かう。乗り換えがないのはいいが、その分長い時間、窮屈な姿勢を強要される。ロシアとウクライナとの戦争によって、ロシア上空を飛べないので、アラスカのアンカレッジ、グリーンランド上空を通ってヨーロッパに入った。この航路を使うのは50年ぶりで、その時はアンカレッジで給油したのを憶えている。2019年のカナダへの旅に続いて、今回もマイレージを利用した。

 午後、パリのCDG(シャルル・ド・ゴール)空港に到着。コロナ関係の規制は解除されたとのことであったが、半信半疑であった。しかし、気抜けするほど何もなく入国できた(スペインにはまだ規制が残っていた)。また、マスクの件であるが、街頭ではほとんど付けている人はおらず、バスや鉄道などの公共交通機関を除いて必要ではなかった。TVで見て知っていたが、みんながマスクをしている日本とは、大違いであった。

 ヨーロッパの国々では「観光税」が導入されており、フランスは一人15€(2,100円)を徴収している。当然、コロナによって観光収入は落ち込んだ。観光産業からの収入が大きな割合を占めるこれらの国々にとって、それは日本以上に深刻な問題であったと思う。同じことはスペインでも感じた。

 宿をとったモンパルナス(Montparnasse、モンマルトルではない)はセーヌ川左岸にあり、芸術家たちがかつて大勢住んだ町である。ここにはTGVの始発駅がある。空港からはバスで移動するつもりであったが、バス停がわからず(何人かに聞いたのだが)空港内をうろうろして時間を浪費し、タクシーに切り替えた。こういう時の早い判断が、海外旅行では必要となり、これから何度も痛感することになる。パリ市内までは距離があるので、バスに比べると割高(58€、8,120円)となった。しばらくすると強い雷雨となり、雨の中でバスを降りてから宿を探すのは大変で、結果的に良い判断であった。タクシーはクレジット・カードが使えず、ユーロで支払ったため、手持ちの現金が半分以下になった。

 ホテル到着後、雨があがったので散歩を兼ねて駅を探し、明日のSNCF(フランスの国鉄)のTGVの切符(59€)を購入した。モンパルナス駅はターミナル駅で、フランス西部や南部方面への始発駅となっている。宿の向かいにある映画館では、日本のアニメを上映していた。

 腹が減ったが、まだ店には入りづらかったし、疲れていたので早めに寝ることにしたが、ホテル前のレストランの客が午前2時まで騒いでうるさかった。なお、こちらは夏時制を実施しているので、日本時間では1時ということになる。

  8/17 
  まだ真っ暗な5時半頃にホテルを出て駅に向かう。途中で朝食のパンを買い、7:11のTGV inOuiで出発して、11:03にバイヨンヌBayonneに到着した。TGVには一度乗ってみたかったが、特別どうこういう事はなかった。外装は白であったが、車体は汚れていた。シートは左右に2人掛けが並んでいて、私の横は若い女性であった。

TGV

 窓外には畑と小さな森が続き、フランス農業の堅実ぶりを見ることができた。サンジャン・ピエド・ポー St Jean Pied de Port(以下、SJPと略)に向かう次の列車まで時間があったので、その間に2,000円もの昼食を駅前のレストランで食べたが、美味しくなかった。テラス席にいたらにわか雨に会い、店の中に逃げ込んだ。

 2時過ぎのローカル列車(10.5€)に乗り換えて、約1時間で「旅」の出発点となるSJPに到着した。ここはピレネー山脈東側の麓にあるフランスの小さな町で、多くの巡礼がここを起点に旅立って行く。

SJP駅

 ここにいる人たちは巡礼だと何となく思い込んでいたが、ほとんどが観光客であった。小さな町なので半日もあれば見ることが出来る。

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