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続・Buen Camino 2023 あなたも巡礼に出かけてみませんか? ③

3)プエンタ・ラ・レイナ Puenta la Reina 

 6/2(金)
 5:45に真っ暗な外に出た。仏側のサンジャン・ピエ・ド・ポーから来た人たちは、そろそろ疲れが出てくる頃なので、遅いようだ。昨年見た懐かしいパンプローナの街並みを眺めながら西を目指し、旧市街から新市街へ出て、郊外への道を辿る。やがて、ナバラ大学のキャンパスをかすめて、その脇を通る。1時間ほどで脇にベンチがあったので、そこで朝食を取った。昨日買ったパンとりんご。私の前を犬の散歩や通勤の人、宿で一緒だった巡礼たちが通り過ぎて行く。

 夏の盛りだった昨年とは違い、気候もそれほど暑くない。花が咲き、鳥が啼いている。この時期、大学はまだ休みに入っていないので、学生たちは動き出していない様だ。そういう意味で、この時期の巡礼は「大人」だけのもので、静かで、季節的にもベスト・シーズンと思う。

 パンプローナを出て、最初の町に入った。丘の上にできた小ぶりの町である。多分パンプローナに通勤する人たちの住宅地だと思われる。いい雰囲気の町であった。
昨年は小麦の収穫が終わっていたので畑には切り株しか残っていなかったが、今年は収穫前で、黄金色に色づいた穂が丘を埋め尽くして風に揺れている。美しい風景で、何度も写真を撮った。

        「ライオンの たてがみ揺れる 麦畑」

刈り入れ前の麦畑

ゆるい傾斜地にある畑の風景は、水田の風景を見慣れた日本では見ることができない独特な風景である。他に、ぶどう、菜種、そら豆、ひまわりなど。
黄色い小麦畑の脇には、赤いヒナゲシの群落が美しい。

ヒナゲシの花が目を慰める

長い坂を上りきると、そこがペルドン峠780mで、風力発電の巨大な風車の一群があった。巡礼と風車の何と奇妙な取り合わせか。そしてドン・キホーテが突進したという風車の話を思い出した。
 また、ここには巡礼のモニュメントがある。これとよく似た作品を長崎県大村市の放虎原で見た。1658年に131人の潜伏キリシタンが処刑された場所である。

ペルドン峠
峠の巨大な風車群

プエンタ・ラ・レイナの町の入り口にあるアルベルゲ(7€)に宿をとった。今回は急ぐ必要がない。時間的に早かったので、洗濯をした。乾燥しているので、夜までには乾くはずだ。左足の指にマメができたようだが、歩くには支障はない(昨年はこれで苦しんだ)。息子から借りた45-60lのザックが快適だ。

 町の門のそばにある古い教会を覗くと、マリア像と十字架のキリスト像があった。ここでは十字ではなく、Y字型で身体的苦痛がより強調されている。

Y字型の十字架像

 夕食をとりに外のレストランに向かったら、何台かの車を従えた馬車が通るところであった。結婚式のパレードで、式を終えたカップルが乗っていた。実は昼に別の教会を見物していたら、誤ってウエディング・ロードに入ってしまい怒られたのだった。帰り道に、そこを歩くと思われる二人連れに会ったが、案の定、乗っていたのはその二人であった。

結婚式を終えた新婚カップルの馬車  

 夕食は、野菜サラダにハンバーガー、そしてビール。どれも分量が多く、食べきれなかった。(23.5km、39.920歩)


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