ひぐらし業考察『黒幕は誰で、何故世界は再び繰り返すのか。』

※この先、『ひぐらしのなく頃に業』本編のネタバレしかないので、アニメを先に視聴することをオススメします。

※前作までで明かされている謎も含めながら考察していくので、2006年のアニメ『ひぐらしのなく頃に』2007年のアニメ『ひぐらしのなく頃に解』のネタバレも大いに含みます。先に視聴することをry


※1話〜4話『鬼騙し編』完結時点での考察です。




前回、鬼騙し編は『鬼隠し』『目明し(綿流し)』『罪滅し』が交わった世界であると推測した。


その時に気になった共通点。
ひぐらし無印で毎回鍵となっていたはずの、鷹野さんとの接触があまりに薄い。

圭一は数々の恐ろしい話を、オカルト否定派の警察(大石)から聞いたので、無駄に怯えなかった。
更に、綿流しの夜に接触しなかった為、圭一と詩音は祭具殿に入らなかった。


もしかしたら、レナも詩音も鷹野と接触をしなかったのではないだろうか。
説得力のある鷹野スクラップの閲覧や鷹野の助言がなければ、レナも詩音も陰謀説を知らずにいれるはずだ。


入江診療所に怪しい人たちが出入りしていた点や、一命を取り留めた圭一が「首が痒くないか」と尋ねられていたことから、入江診療所は雛見沢症候群の専門機関である入江機関だということには違いがないだろう。
そして同じように鷹野も、鷹野一二三の無念を晴らすために雛見沢症候群の研究をしているのだろう。

しかし、
富竹は「自害」ではなく「行方不明」だった。
鷹野も「焼死体」ではなく「行方不明」だった。

本来であれば、監査員である富竹を疎ましく思う鷹野が、雛見沢症候群を強制的に発症させ自害を促し、大災害を引き起こすために自分が死んだように偽装するはず。

それが、“なかった”。


更に梨花は「腹」ではなく「首」を刺された。

本来であれば、女王感染者を生きたまま殺さなければならないので、鷹野が殺すとしたら腹を刺すだろう。

それも、“なかった”。


なんなら、レナが襲いかかった翌日に梨花と沙都子の遺体が発見されたとのことだが、圭一が見舞いに来た魅音(詩音)と

「お久しぶり〜!何年ぶりだっけ?」
「2日…ってことはないな」
「うん、そうだね。……本当は、もっと早く来たかったんだけど。あれから色々あってね」

と会話していることから、圭一が目を覚ましてから少なくとも2日は経っている。
梨花が死亡した場合、24時間以内に村人を殲滅する『終末作戦』が発動するはずだ。

それすらも、“なかった”。


つまり鷹野が暗躍しようとした痕跡が何も残っていない。むしろ重要な終末作戦すら実行できていないのだから、鷹野の身に不本意な何かが起きたと思うべきだろう。

鷹野にどこかで救いがあったのか。
はたまた、運命に抗えなかったのか。

鷹野は今回、被害者でしかなかったように思える。
ならば何故世界が再びループしたのか。

世界がループするのは、誰かの意志があるからこそだ。
鷹野でなければ誰の意志?


ひぐらし業2話冒頭での羽入と梨花のやりとりを思い返せば
祭囃し編(昭和58年6月を乗り越えた世界)より先の話のようだから、祭囃し編の世界に納得できなかった人物が居たのだろうか。

だとしたら、いったい誰だろう。

私自身、あれ程までに完璧な世界は無いと思っていたからこそ、2話の冒頭に驚かされた。誰もが救われたはずの世界だった。

祭囃し編で不遇なままの人間はいないか。よく思い出してみよう。



そして思い出す。
鉄平の問題が残ったままになっている。



祭囃し編で鉄平は(たしか)帰って来なかった為、沙都子は悟史失踪後に虐待を受けていない。
問題が起きなかったのだ。だから完璧な世界だった。

しかし、よく考えてみれば。
本当に“完璧”だったのだろうか。

被害が起きなかった。それは喜ばしいことだ。
だが裏を返せば、皆殺し編のように“乗り越えた”訳ではなかった。


児童相談所は動かなかった。
村人が立ち上がり、自らの意思で沙都子を救おうとはしなかった。

祭囃し編では、リナも鉄平も生存している。
そして村人と沙都子のわだかまりも、共に考え乗り越えたわけではなく、『沙都子も受け入れられつつある』という描写しかなかった。
北条家の問題だけ、根本的な解決は何もされていないままなのだ。


しかも思い返せば、沙都子はどの世界でも、唯一物語が始まる前からの『発症経験者』だった。
祭囃し編での発症者はいなかった。疑心暗鬼に陥る前に回避できたからだ。唯一、鷹野三四が収束間際に首を掻いていたが、それも富竹に支えられ、落ち着くに至った。

祭囃しの世界では、悟史と沙都子だけが、その後も緩和治療を受け続けるのだ。


昭和58年6月を乗り越えたところで、沙都子が鉄平から再び被害を受ける可能性は残ったままだ。沙都子がそれをキッカケに再発し、再び疑心暗鬼に囚われ、遂には村人全員を恨み、御三家を中心に復讐を始め、梨花までも殺害したのだとすれば。

今回の黒幕(世界を繰り返す『強い想い』の持ち主)は、北条沙都子なのではないだろうか。


メタなことを言えば、OPでもEDでもやたら沙都子絡みのシーンが多い。
児童相談所、悟史のバット、テディベア、酒瓶、鉄平。
そしてなにより、OPに登場するショートカットの謎の少女のシルエット。
ラムダデルタのようにも、幼少期の鷹野三四のようにも見えるが、沙都子の成長後だってあんなシルエットな気がする。
シルエットどころか、OPではネクタイを伸ばす動きを見せる。
あれは魅音と同じような制服なのではないだろうか?

OPのシルエット問題と言えばもう一人。
こちらは間違いなくフェザリーヌであり、つまり今回『ひぐらしのなく頃に業』は魔女の関与が描写されるのだと推測されるが、それについてはまた後日、別の記事にまとめようと思う。

▼ ココカラ追記 ▼
まとめた。

▲ 追記ココマデ ▲


沙都子が黒幕だとして。

何故沙都子が殺害されているのか。

①梨花のように何度もループを経験していないから詩音の奇行を予測ができなかった

②梨花を殺害しようとして襲いかかったが返り討ちにされた(不可抗力で殺害したショックから梨花は自害)

③黒幕は沙都子ではないから


さあ、どれだろう。
この記事が恥ずかしくなるので、③でないことを願いたい。

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