2023年 岐阜市議会 9月定例会(9月14日) 一般質問 「第1回 ぎふ長良川花火大会について」

○議長
 2番、可児隆君。

○可児隆 岐阜市議会議員(所属会派: 健やか緑政)
 議長のお許しありましたので、これより、3項目について、質問したいと思います。
 よろしくお願いします。

 さる、令和5年8月11日に、4年振りに開催されました、第1回 ぎふ長良川花火大会について、
質問致します。
 花火大会の開催に向けては、昨年、12月、官民一体となった、ぎふ長良川花火大会 実行委員会が設立され、私も、花火大会 開催場所周辺の自治会、早田地区の連合会長として実行委員会に参加し、委員として、様々な意見を申し上げて参りました。
 しかし、花火大会の運営方法や事業者など、運営委員会に選出された、一部の委員で決定がなされ、実行委員会の場では、その決定事項が報告されるといった形で、地域代表の委員として、提案の機会が与えられなかった感があったことを、まずはお伝えしておきます。
 そして、花火大会を終え、開催地域である早田、金華校下にお住まいの市民の方をはじめ、多くの方から、様々な苦情、意見、要望を頂いておりますので、その内容を紹介しつつ、来年も開催されるであろう、 ぎふ長良川花火大会が、岐阜市民の夏の象徴として開催されることを望み、以下、岐阜市として、花火大会所管部のぎふ魅力づくり推進部長にお尋ねします。
 はじめに、大会、花火大会における、市民の評価についてです。
 そもそも、全国で開催されている花火大会は、江戸時代である1733年に飢餓や疫病で亡くなった方の慰霊や悪疫退散を目的に隅田川で打ち上げられた花火が起源といわれています。
 花火大会の、長良川花火大会も、1946年の8月10日に第1回が開催されました。
 敗戦に沈む、市民の心を元気付けたと、当時の記事として、残されています。
 今回のぎふ長良川花火大会の開催方針の項目に市民が支え、市民が楽しむ花火大会の実施とあります。
 花火大会を終え、4年前まで、年に2度の花火大会を楽しむのに、花火大会で元気付けられてきた、会場周辺のお住まいの市民の意見は、「お金に余裕があり、高いチケット代を購入できる富裕層の単なるイベントではないか。」、「打ち上げの数が減った感があり、遠くから全体を見ることが出来なかった。」、「岐阜市民のための花火大会ではなくなった。」、「もう、来年は、また、来たくないかもしれない。」、「少ない年金で暮らす人は、花火大会も、なかなか楽しめなくなった。」とさびしい意見も頂いております。
 実際、金華校下の多くの方が例年、観覧していた、岐阜小学校北側の長良橋から金華橋間の堤防道路が打ち上げ場の拡大により閉鎖され、また、早田、長良校下の方が観覧していた長良川、
右岸堤防道路も有料観覧席の設置により、チケットを持たない一般の方の通行が禁止されるなど、
その規制を知らない多くの市民が花火を観覧せず、帰路につかれたと、話を聞いております。
 そのような状況で、「市民が支え、市民が楽しむ花火大会」になったと思われるでしょうか?
 その質問をお答え下さい。

 また、令和5年2月に行われた、本年の予算、記者発表において、市長は、62万人の来訪者を呼んだ、ぎふ信長祭りを、ぎふ長良川花火大会の例に挙げ、岐阜市の魅力、財産であり、シビック・プライドと感じて頂けるものを大事にしたいと仰っておりました。
 本来、シビック・プライドとは、産まれ育った地域に限らず、自身が思いを寄せる特定の地域に誇りを持ち、積極的、能動的に地方創生に繋がるような行動をしようとする意義、思い、心意気です。
 シビック・プライドを醸成することによる、地方創生の活性化は、定住者やUターン人口の増加、
来訪者からの定住者への移行、特定思考の高まりによる転出者の抑制などの効果から、地域人口の増加が期待できるといわれております。
 シビック・プライドのポイントの1つとされる、参加型イベントとしての今回のぎふ長良川花火大会
は、有料観覧席以外の地域の財産と感じられることが出来たかと思われますか?
 そのお答えもお願いします。

 次に、第1回 ぎふ長良川花火大会 実行委員会 収支における、当初予算及び補正予算についてです。
  ぎふ長良川花火大会 実行委員会 作成の当初予算では、歳入が1億2900万円でしたが、補正後は、企業からの寄附や、協賛金が増額となり、歳入が2億961万5000円となっています。
 歳出については、事務局費の当初予算が105万8000円に対し、補正後は470万円、プラス364万2000円で、予算費よりも、444%です。
 事業費の内、委託料は当初予算が、1億1599万円に対し、補正後は1億7278万円、プラス5679万円で、予算費よりも149%と大幅に増額しております。
 会場運営や警備などの業務全体について、委託された事業者が請け負っていますが、この業者の選定方法は、どのように行われたのか、相見積もりや入札で業者を選定したのであれば、当初予算通りで抑えるべきであったのではないでしょうか?
 また、歳入の増加に比例したように経費、例えば、補正額は、予算化されなかったフード・エリア運営費、896万1000円、これ、キッチンカー・エリアのことですね。
 で、看板設置費は777万7000円が計上されております。
 さらに、フード・エリアを設け、前回の花火大会までは出店されていた露天商を大会会場から締め出す運営は露天商を営む方達の収入を減額させ、露天商を営む方の中には生活困窮者となり、結果、生活保護を受けざるを得ない方もおみえになっております。
 花火大会のような大きなイベントは、露天商の方の大きな収入源となっており、こうした対応が、生活困窮者を生む原因にもなっているのではないでしょうか?
 当日、私もキッチンカーが並ぶフード・エリアを拝見しましたが、フード・エリア運営費の800万円余りがどこに使われたのか、疑問でなりません。
  ぎふ長良川花火大会は、市長が言う通り、市民がシビック・プライドに感じるイベントであり、民と官が一体になって開催すべき市民行事です。
 過去の花火大会は、新聞社が主催するイベントでしたので、当然、開催に関する収支も一部関係者が確認することで良い訳ですが、今回のぎふ長良川花火大会は、岐阜市も実行委員会に参加し、岐阜市からの負担金も入れ、開催された、市民のための花火大会と認識しております。
 市税が投入されている以上、収支決算報告を早期開示するのが自然であると考えます。
 いかがですか? お答え下さい。


○議長
 ぎふ魅力づくり推進部長、田川智史君。

○田川智史 ぎふ魅力づくり推進部長
 第1回 ぎふ長良川花火大会に関する、大きく2点の質問にお答えします。
 はじめに、1点目の質問、この度の花火大会における市民の評価についてであります。
まず、花火応援席、いわゆる、有料観覧席につきましては、これまでの新聞社主催の花火大会において、警備の強化により、経費が膨らむなどの課題があり、これを新聞社が単独で解決し、開催することが困難なことから、今大会では、企業や自治体だけでなく、観覧される個人の皆様にもご負担頂くことで、本市の宝である、長良川の花火大会を将来にわたり、安定的に継承していく、花火応援席を導入したものであります。
 応援席のチケット販売にあたっては、市民を対象とした先行販売も実施し、約17,000の応援席が、開催日の1週間前に完売致しました。
 まさに、市民の皆様をはじめ、多くの方々に支えて頂いたものと考えております。
 次に、会場周辺の交通規制についてであります。
 持続可能な花火大会を目指すにあたり、第1回大会を安全に終えることは何より大きな命題でありました。
 このため、警察と協議を重ね、緊急車両の通行確保等のため、長良川から金華橋にかけての右岸、左岸の堤防道路を通行止めにしたほか、花火終了後の金華橋通りの一部を歩行者専用にするなど、周辺道路を交通規制するとともに、開催2週間前から順次、大会公式ホームページ、広報ぎふ、新聞、チラシなどで周知にも努めたところであります。
 さらには、市民ボランティアをはじめ、警備、誘導員を多数配置するなど、安全管理に注力した結果、周辺にお住まいの方々には、ご不便をおかけしましたが、皆様のご協力をもちまして、大会としては、大きな事故もなく、終えることができたと認識しております。
 続いて、花火応援席以外のエリアについてでありますが、金華橋下流の右岸、左岸の河川敷、長良川プロムナード、ぎふメモリアルセンターなど、応援席エリア外でも、多くの方々がご覧、ご観覧頂き、応援席含め、会場周辺で約10万人の人出で賑わいました。
 こうした状況を総合的にとらえれば、市民が支え、市民が楽しむ花火大会の第1歩を踏み出すことができたとともに、多くの皆様に岐阜の誇り、あるいは財産、宝として感じて頂けたものと考えております。
 あらためて、大会を支え、盛り上げて頂いた全ての方々に、深く感謝を申し上げます。
 次に、2点目のご質問、実行委員会の当初予算及び補正予算についてであります。
 第1回 ぎふ長良川花火大会 実行委員会の収支予算につきましては、当初の1億2,900万円から、7月21日時点で2億961万余に増額補正されております。
 その内訳として、歳入では、本市が受けた寄附金を原資とする分担金の増額に加え、チケット販売の見込みと、企業からの協賛金を増額したものであります。
 一方、歳出では、花火の打ち上げ、会場設営及び警備にかかる費用を増額補正するとともに、フード・エリアを新たに設ける運営委託料や看板等の追加にかかる経費など、4年振りの花火大会を安全かつ充実した大会とするために必要な経費が補正されております。
 なお、第1回大会の収支決算につきましては、実行委員会において承認された後、議員の皆様に報告させて頂く予定であります。
 何れに致しましても、第1回目の開催を終え、市民や関係者の皆様に頂いた、様々なご意見について、関係者間で情報共有をはかりながら、課題等を整理し、 ぎふ長良川花火大会が持続可能な大会となるよう、引き続き、実行委員会の構成員として、取り組んで参ります。