【義妹生活】原作者様の解説を踏まえた1〜5話の感想

アニメ義妹生活の原作者様はTwitterXで1話ごとの長文感想という解説を書いてくださっています
せっかくなのでその解説を踏まえて思うところを語りたいと思います

全体の印象から考えたこと

原作者様は女性なのかなと思いました

「作者の性別」というメタ的な要素を感想や考察に交えるのはどうなのかな?と思ったりしますが、各キャラの心情に多くの影響を与えると考えます
作品という世界を作る原作者が、男神なのか女神なのかによって作られる世界の色が変わるのは当然のように思います
キャラの精神性を深堀りした解説を見た感想として、神の性別を考察するというある意味不敬な行為をしてしまった事に対するいいわけです

基本的に男性作者の恋愛ものは、主人公の男性が恋愛弱者です
現在と過去において彼女がいない存在です
彼女がほしいと思っていますが、女性と話すことが苦手です
そういうキャラのほうが視聴者が感情移入しやすいからですね

浅村くんにはそういった点が感じられませんでした
女性と話すことを苦手としていません
ガッツいたりキョドったりしないで女性と「正しく」会話できる能力がすでにあります
普通にしていたら普通に彼女ができる性格ですね
そのくせ彼女は作ろうとしない
母親の不倫というトラウマから女性不審になっていることからして、彼女を作れないのではなくて、作らないタイプの主人公ですね

普通のラブコメだと浅村くんは主人公失格です
ですが義妹生活は「心に壁を作っている浅村くんを女性ヒロインが攻略する」タイプだと思います
浅村くんが攻略するのではなく、浅村くんは攻略されるほうだと思います
浅村くんがヒロイン()だと思います

第一印象で書いた前回の感想↓

浅村くんに性欲が感じられないのが疑問でした
性欲というものは単なる欲求ではありません
思考と思想に根強く影響する要素です

藤本タツキ先生の「チェンソーマン」において、主人公が「全部っぜんぶチンチンで考えてるっ!!」と苦悩します
あれはギャグではありますが、男性の持つ業とも言える性欲が思考へ影響していることをよく表しています
リアルにおいてもいい年をしていい地位についた男性が下半身の問題でやらかすニュースをよく目にします
あれは男性のもつ業の影響なのです

当然性欲に流されることを正当化するつもりはありません
理性無くしたお猿さんじゃないんですから性欲だけで行動したりはしません
性欲という業をどのように制御支配するかが人間というものです
ですが無視できない要素
それが性欲の業なのです

浅村くんには性欲が感じられません
正確に言うと、性欲の業が感じられません
母親の不倫の件で女性不審になった場合、それでも性欲が残るわけで
浅村くんのパターンだと、だいたいの人はヤリチンになります
浅村くんは女性を「裏切る存在」だと認識しています
それでも本来男性には性欲は存在していて、身体は女性を求めることになります
その自己矛盾といえる思考の回答として、女性に対して誠意を持ち心を尊重することを止めて、肉体としてだけ認識し、ヤリチンという存在になるのが妥当な選択だと考えるわけです

浅村くんというキャラを否定する気はありません
男性作者も恋愛もので女性ヒロインに対して理想像を押し付けします
作者が作り出した世界のキャラは絶対なものとして理解するのが、視聴者として正しい姿勢だと思います
それゆえに浅村くんはある意味女性の考える理想像の一つ
性欲という業の支配から思考を切り離すことが可能な精神的イケメンとして理解します

そういうわけで前回の感想の件は無かったことにして再度1話から感想を書こうと思います

1話

浅村くんの言う「フラット」と綾瀬さんの言う「フラット」には違いがあると感じます

浅村くんの「フラット」は壁です
フラットな状態をキープする前提で話しています
今後独立するまで綾瀬さんとは他人の関係のまま維持していこうという意思が感じられます
ゆえに浅村くんは綾瀬さんに干渉しません
つまり関係の変化を求めていません

同じ家に住む同年代の女性に対して意識するなというのは無理な話ですが、なるべく意識しないようにするということですね
母親の浮気というトラウマの傷が癒えるまで女性から離れたいがゆえの選択でしょう

綾瀬さんの言う「フラット」は先入観です
フラットな状態からスタートするという前提で話しています
義妹とは義兄とはこうあるべきという先入観を無くしてフラットな位置から関係を構築していこうという意思を感じます
つまり関係の変化を許容しています

ゆえにグイグイ干渉していきます
浅村くんの心の平穏をかき乱し情緒を不安定にさせる存在になっています
この浅村くんが心を乱させる様子は、普通の恋愛ものだとヒロインの役目ですね
それ故に浅村くんがヒロインだという考えが出てくるわけです

はじめから2人の「フラット」の認識が違っています
「浅村くんなら私の言葉を正確に理解できると思っている」
「私はあなたに何も期待しないから
 あなたも私に何も期待しないでほしいの」
「この意味、あなたなら正確に理解できるよね」
ぶっちゃけ浅村くんも綾瀬さんも相手の気持ちを正確に理解しているようでいて、全く理解できていなかったんだろうな
2人の「契約」の認識にズレがあると考えれば、その後の2人の行動の違いに納得できると考えます

あえて敬語を使う浅村くん
干渉しない他人としての距離を保つ
敬語を止めてほしいという綾瀬さん
距離が近い関係としての当たり前の対応
思った通りとか、すり合わせとか、まったくズレてると感じます
無表情のまますり寄ってくる綾瀬さんのことがまるで分かっていない浅村くん

先入観を求めていない綾瀬さんに対して、浅村くんは「女性は男が入った後の風呂を嫌うはず」という先入観で風呂のお湯を張り替える
浅村君にとって綾瀬さんとの距離を保つための行動が、綾瀬さんにとっては浅村くんとの距離を縮める行動になっているわけですね

2話

浅村くんの一人称視点
たしかに語り口はそのようですが、浅村くんの心情については閉ざされているように感じます
起きたことを淡々と語っているが、浅村くんがどう思っているかは伏せられているように感じます
わたしは原作小説を読んでいません
もしかして原作小説では浅村くんの思考や苦悩が語られているかも知れません
あくまでアニメで受けた印象で感想を書いてます

「不親切」というのは恋愛ものの「テンプレ」じゃないという意味だと理解しました
この淡々と出来事が起きていくことによって、じわじわと静かに2人の心に変化が生まれていく
もどかしいような思いがこの作品の魅力だと思います
徐々に浅村くんに惹かれていく綾瀬さんと
綾瀬さんに壁を壊されていく浅村くん
恋に落ちていく綾瀬さんと
恋に落ちたくない浅村くん
恋愛への方向性が真逆です
そのうち浅村くんが爆発して綾瀬さんにキレ散らかしてくれることを期待してしまいます
普通の恋愛ものでは主人公が絶対にやらない行為を見せてくれると期待しちゃいます

学校での2人
義理の妹であることを友達に伝えない浅村くん
義理の兄であることを友達に伝えた綾瀬さん
がっつりズレてます
これは「フラット」な関係の意味が違っているためにおきた現象でしょうね

他人に教えることで他人からの目線が変わることを考慮して、義理の兄妹という関係を伝えてはいけないと考えた浅村くん
そもそも他人からの目線を気にしていないの綾瀬さん
浅村くんは自身をとりまく状況への影響もフラットであるべきと考えているのでしょう
綾瀬さんは浅村くんとだけの関係がフラットから始まると考えているため、周りの変化はどうでもいいト考えているのでしょう

高額バイトの話
綾瀬さんは金銭感覚がおかしい
母子家庭で育っているわけだから、そんなうまい仕事が存在しないことは分かっているはず
もしあるとしたらとっくに綾瀬ママがその仕事をしているはずだと分かっているはずです
つまり、もしそんな仕事があるとしたら「若い身体」を利用した商売=ウリしかないということを理解しているはずですね

その前提で浅村くんは話します
でも話を聴くと綾瀬さんは本当にそんな仕事があるのではと思っているかフシがある
カマトトぶっているわけでもなさそう
ということはどういうことか?

おそらく綾瀬ママが金銭的に綾瀬さんに苦労させなかったのでしょう
住んでいるところはボロアパートでしたが、綾瀬さんは服やファッション的に苦労していたように見えません
綾瀬ママと綾瀬さんは姉妹のように見えるルックスですので、化粧やファッションは綾瀬ママが協力したのでしょう
接客業をしている綾瀬ママとしては見た目で舐められてはいけないという考えもあり、綾瀬さんを立派なギャルとして育てたと思います
金銭的に苦労はしなかったとはいえ、夜の仕事である綾瀬ママと綾瀬さんは物理的に合う時間が少なかったようです
綾瀬ママがもっていた綾瀬さんの写真は小さい頃のものでした
おそらくその頃離婚して、ずっと女手一つで育てていたのでしょう
目付きが悪くて写真写りが悪いというのはいいわけで、実際は離婚してから母親と行事に参加するのが困難になったので写真を撮る機会ができなかった
そのことで綾瀬ママに後ろめたい思いをさせたくない綾瀬さんの気遣いなんだろうなと思います

そのため短時間で稼ぎたいという考えに至ったのでしょう
親と会話する時間がなく、友達も少ないため情緒の育ちがいまいちで、金銭感覚がおかしくて、見た目はギャルというポンコツ
そのくせ母親に向けられた世間の偏見に対して敵意をもっていて、そこから抜け出す方法をポンコツなりに模索している
それが綾瀬さんなのでしょう

正直浅村パパの収入は十分で、しかも綾瀬ママも共働きしていますので、金の心配はしないで学生としての本分を全うしろというのが親の気持ちでしょう
けど親の心子知らず
学生のうちに金銭的に独立したいというのは、それが許される自由があるという意味においてある種の甘えなんだよなあ

3話

センシティブ判定のせいか、元のポストのリンクが表示されないのでリプライをリンク

理解してくれすぎます
こうありたい願望、こうなりたい理想像までをも理解してくれる浅村くん
なにをしても許されるかのように勘違いされせくれるのだろうな
だから踏み込んでも許されると思ってやらかす綾瀬さん

下着の件
浅村くんは見える位置に下着があるという行為がデリカシーのない行為であって、それはルール違反だと感じたと思います
綾瀬さんとのやりとりで、浅村くんは下着を完全なるモノとして認識するべきであったと、自分が間違っていたと考えたのでしょう
デリカシーを持つべきという考えは、下着というものを特別視しているからこそ生まれる先入観です
綾瀬さんに先入観を押し付けるのは間違っている
下着で反応するのは自意識過剰であったと反省したのでしょう
まあ無茶言うなって話であるし、同年代の女の子の下着に反応しないなんて聖人か異常者のどちらかだろう

家庭内ウリの件
完全なる綾瀬さんのやらかし

おそらく彼女は他の人間に対しても売春していくことになったのではないかと思います。慣れて、そして、一人からだけではやはり金額が足りない、ということにいつか絶対に気づくわけですから。

Xより抜粋

もし浅村くんに対して家庭内でのウリをしてしまったとしたら、その先にある「他の人間」とは誰のことを示しているか?
この後綾瀬さんが誰にウリをするようになるかというと、浅村ババが相手としか思えないんですよね

綾瀬さんが浅村くんと同じく信頼できる男性にして、浅村くんより収入が上の存在
パートナーである綾瀬ママの仕事時間は完全に把握できていて誰にも見られず知られずにコトを起こせる相手
綾瀬さんが浅村くんに持った「期待」は拡大すると浅村パパにも持てるはずです
浅村パパなら綾瀬ママにも浅村くんにも知らせないように「期待」に答えてくれるはず
綾瀬さんが「パパがしてくれないなら、お金がほしいから他の誰かとウリをしようと思う」と言うだけで浅村パパは落ちるでしょう
それを浅村くんが知ったときの絶望を想像するとたまりません
綾瀬さんは悪意がまったくないまま浅村家全員を絶望させる選択に踏み出そうとしました
正直綾瀬さんの思考回路はぶっ壊れていて、もはや恐怖すら感じるレベルです

まあそういったことをまったく感じないまま、素直にドキドキイベントとして楽しむことも出来ますので、考えすぎなのでしょう
たぶん

私は正直綾瀬さんが怖いです
自分なりの正しさの拡大解釈暴走特急
独特な思考回路の危うさに気づかないまま、危ないところに飛び出していく怖さ
トラックに引かれそうになったのもそう
自分はしっかりしていると認識しているのに、他人からすると薄氷を踏むような行動をする娘
もしもこの娘を好きになったとして、いつかサラっとNTRイベントを起こしそうな怖さがあります

ぶっちゃけこの話ってホラーだっけ?と思うほどです
アニメ制作者側の人は、この怖さを認識しながら作っているような気がします

「一番嫌いなタイプの人間だよ」浅村くんの言葉
綾瀬さんの行為は、浅村くんにとって母親の浮気のトラウマをフラッシュバックさせるような行為です
浅村くんはブチギレてもよかったと思います
でも自分を抑えました
綾瀬さんのためを思いキレるのを止めたんだと思います

綾瀬さんはとても儚くすぐに壊れそうなガラス細工の魅力があると思います
自分がなんとかしないとすぐに壊れてしまうガラス細工
浅村君はその危うさゆえに惹かれてしまっているのでしょう
だから兄さんと呼んでくれてもいいと、恋人にならない惹かれすぎない壁を作ろうとしました
ガラにも無く自分の考えを押し付ける発言をしました
でも返ってきたのは「浅村くん」
浅村くんにとって、心の内をすぺてを知られたかのように聞こえる返答
怖すぎます
ぶっちゃけ綾瀬さんは魔性の女と言っていいと思います

4話

現代文が苦手
勉強を教える浅村先生
なんとなく自分好みの女に育てているような感覚があリますね
さすが魔性の女
さすましょ

メダカの水槽

「メダカの存在は表現すべき何かを象徴するメタファー(暗喩)になっている」ということでしょうか。又、メダカの種類にも意味があります

Xより抜粋

メダカの種類は普通のヒメダカだと思います
もしくはカダヤシ(メダカではないけどメダカ扱いされる似た魚)かもしれません
どちらにしてももっとも一般的で安いメダカです

最近のメダカは尾鰭が大きかったりダルマみたいに膨らんでいたりメタリックに光ったり黒かったりといろいろな品種が作られています
いろいろな種類がいる中で、もっとも地味で一般的なメダカを飼っている綾瀬さん
水草はアナカリスとマツモ、アヌビアスと一般的な入門セットに入ってそうなもの
大繁殖しそうな浮き草を入れちゃってることと、まだ浮草が3つしかないのは水槽を立ち上げてすぐなように思えます
1匹の単独飼育
普通はメダカは複数飼いします

そういった点を考えると、あのメダカはパイロットフィッシュのようにも見えます
パイロットフィッシュとは魚が生きるために必要なバクテリアがいる水を作るために、本来飼う魚の前に水槽にいれる魚です
今後生きるための環境をつくる魚
ぶっちゃけ死んでもいい前提の魚です

このメダカがメタファーとなるとどんな意味か?
生きるための環境をつくるために死に物狂いで努力している綾瀬さんを表しているのかな?

(追記)
3話のペットショップで水槽を覗く綾瀬さんを見直しました
おそらくヒメダカですね
そのなかで身体が変形した歪な個体に綾瀬さんは興味を示したように見えます
メダカなどの飼育魚は一度にたくさんの子供を生みますが、そのうち一定数身体に障害を持った個体が生まれます
そういった魚は身体も弱くて死にやすいため、クレームを受けないように成長過程でハネられる(殺処分)されることが多いです
ヒメダカは安い生き物ですのでそんなに厳密に管理されないこともあり、ハネられずに生き残った個体なのでしょう

多くの普通の中にいる歪な個体
そのメダカに綾瀬さんはシンパシーを感じて飼うことにしたのでしょう

でもこのメダカ たぶん死にます

作りたての水槽は水ができていないことと温度やpHが変わることで魚は死にやすくなります
しかも身体に障害を持つ個体ですのでさらに死にやすくなります
メダカがメタファーであるということなら、このメダカの役割は死だと思ってしまいます
綾瀬さんの心になにか衝撃的なことが起きて、その時に同時にメダカも死んでしまうと予想できちゃいます

5話

読売先輩について

合コンなどに連れていかれることもありましたが、そこで出会う男たちのつまらなさにかなり辟易しています。まあこれは男に限らずですが、彼女の嘘や冗談を真に受けすぎたり、ドン引きしたり、腹黒と思われたりと、彼女にとってはユーモアの範囲で楽しく話せればいいのになーぐらいの軽い気持ちで発した言葉が想定外の捉えられ方をしてしまうことが多発しました。

Xより抜粋

浅村くんと先輩の会話から判断すると、Xで言われているほどのひどい発言を浅村くんにはしていないように思えます
浅村くんとの会話で唯一ドン引きした内容は「あと半年の命」の件ですね
冗談にしてはタチが悪すぎる発言

おそらく読売先輩はここまでひどくはないにしろ、冗談の範疇を超えた発言を誰に対してもしてしまっていると思います
その意図としては、相手がどういう反応をするかを試しているわけですね
自分と付き合う男としてふさわしいか、会話して楽しい相手なのか試している

他人を試すという行為は無礼です
ぶっちゃけまともな交友関係の相手にやったら絶縁されても仕方ない行為です
かなり親しい関係の浅村くんにもやっちゃうということから、他の相手にも結構な頻度で何の悪気もなくやってしまっているのでしょう
そこが読売先輩のポンコツなところだと思います
女子校のみで育ってきたゆえの人間関係の特殊さと彼氏を作ろうとしなかった周りに流されない性格で作られた、「自分は周りとは違うけど、本質的に正しいことをしている」と思い込んでいるタイプなのでしょう

読売先輩が考える「つまらない男」は、読売先輩が「試して」みた結果、反応が「つまらない」男なのでしょう
もしくは試すまでもなく、性にガッツイていてくるような男のことでしょうね
他人に対して「つまらない」と断言できるセンス
これは常に他人を評価しているからこそ生まれている読売先輩の壁です
自分の視野の狭さを認識していないか、認識していても正当化して納得しているタイプです

他人を試すという行為は、あらかじめ用意された答えに対して正解かを判定するものです
つまり今回浅村くんを試したのは「私が付き合うに値する男なのか?」という問いかけをして、「100点の答えを出せるか」を試したわけですね
どんだけ上から目線だよと思います
ですが、おそらくまったく悪気はないのでしょう

これに対して浅村くんは100点の回答をするわけですが、なぜ浅村くんがそんな完璧な答えを出せるかというと、読売先輩と男女の関係になる気がないからですね
浅村くんは母親の浮気のトラウマで、女性と深い関係になろうと思っていません
ガッツイてこない男
性欲を出さない男
それが今の浅村くんです
そういう男を読売先輩は求めていた事になります
女を拒否する浅村くんに理想の男を求めて100点を出した読売先輩
つきあえるわけがありません
読売先輩が告白していたら振られていたでしょう

読売先輩は彼氏という役割に対して理想の王子様を追い求めている永遠の少女みたいなものです
そしてその理想の王子様は、男が女性不審にならないと到達しない性欲のなくなった男です
そんな男はそもそも彼女を求めませんから彼氏彼女にはなれません

綾瀬さんもウリという最低の問いかけをして浅村くんを試しました
ですがこれは浅村くんを知るための行為です
浅村くんが精神でイケメンだったので拒絶・絶縁されることなく、綾瀬さんの危険性を理解して踏み込む結果に繋がりました
お互いに理解し合うこと、すり合わせることを望む未来に進みました

それに対して読売先輩は、理想的な王子様として浅村くんが合格するかを試しました
読売先輩は浅村くんの本質を理解しようとしていません
読売先輩の理想的な王子様に届けるかジャンプしてみせろという判定をしているだけです
浅村くんがいつもどおりの返答をしたのは、ぶっちゃけ拒絶の意味だと思います
「試すようなことをしているけど、関係を変える気がないよ」という意味の返答
小説ではこの回答ではなかったということを察すると、「浅村くんは読売先輩に試されたことに、少しイラッとしている」解釈をアニメ制作の人は加えたかったと思います
無礼ですからね

これが浅村くんの彼女候補2人の違いであって、絶望的に読売先輩が浅村くんの彼女になれない点だと思います
読売先輩は始まる前から負けている負けヒロインのようなものです

読売先輩は他人を求めていません
理想的な彼氏という「役割」を求めているだけです
読売先輩の問いかけに対して理想的な反応を返す存在を求めているだけです
こんな人は今後も彼氏ができません
できても長続きしません
ずっと存在しない相手を求めて、浅村くんに告白できなかった過去に後悔をし続ける負けヒロイン中の負けヒロインです
このまま変わらないでいたら、「美人で明るくて社交的なのになんであの人モテないんだろうなー」と言われたまま年齢を重ねていく人になってしまいます

まあそれはそれでかわいいんですけどね
自分の問題に気づかないまま壁を作っていることを理解できていないままの女性
違う機会があったらちゃんと攻略されるタイプのヒロインでしょう
でも今回は相手がわるかった

散々言いたいことを書いた後でのまとめ

この作品は「女性の視点による女性の魅力」を凄くよく表現されていると感じます
普通のラブコメが描く「男の理想像の都合のいい女」ではありません
男を惑わす女性像
ファム・ファタール 運命の女
男を惑わして破滅させるくらい魅力的な女を表現出来ていると思います

心を閉ざした浅村くん
綾瀬さんが心を惑わしいろいろなことを感じさせる
感受性を刺激し無気力だった浅村くんを動かす存在の綾瀬さん
もしかしたら救いなのかもしれません

浅村くんが破滅するのか救済されるのか?
今後が楽しみな作品です

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