投資政策とアセットアロケーション
期待リターンと分散
ポートフォリオの期待リターン
資産配分比率×各資産の期待リターン の合計
相関係数
相関係数=AB共分散/(A標準偏差・B標準偏差)
数理的手法に基づいて最適資産配分を決定する最適化アプローチの弱点
リスク許容度の設定が難しい。
推定が難しい期待リターンの想定の微妙な違いによって、最適配分比率が極端に振れることがある。
ホームバイアス
投資家が自国資産に大きく隔たったポートフォリオを保有する現象。
ホームバイアスが起こる要因
【情報の内外格差】国内株式に比べて外国株式に関する情報を得ることは相対的に難しい。このような情報格差のために、国内株式に比べて外国株式は相対的に期待リターンが低く、リスクの大きい資産と受け止められてしまう可能性がある。
【行動ファイナンス的要因】投資家は自国の文化や健全性に関心を持ち、自国に対して楽観的になりやすい傾向がある。
政策アセットミックス
政策アセットミックス策定後、資産配分比率が当初に策定した比率から乖離してきた。投資環境の見通しに変化がない場合、政策アセットミックスを維持するようにリバランスを行う根拠。
リバランスを行わないと、株式や債券の組み入れ比率が変化してポートフォリオ全体のリスクがリスク許容度を超えてしまうことがある。つまり、リバランスを実行しないとリスクの変動の放置に繋がる。
政策アセットミックスを長期的に維持することによって、場当たり的な市場タイミング志向を回避し、規律を持ってリスク調整後リターンを高めることが出来る。
相関係数の推計について
過去の実績リターンに基づいた相関係数を用いる際に留意すべき点。
特殊な市場変動などによって、極端な数値となる場合がある。
➡対処)特殊な変動があった期間を除外する。
将来の予測が必ずしも過去の実績通りになるわけではない。
遠い過去のデータが現在の経済環境を反映していない。
➡対処)確認する期間をより短い期間に変更する
リスク・パリティ・ポートフォリオ
ポートフォリオに対する投資対象各資産のリスク配分が等しくなるように資産配分を決定する方法。
投資対象資産のシャープレシオが全て等しい場合、平均・分散の観点から最適解になる。
リスク・パリティ・ポートフォリオはリスクの低い債券への投資金額が大きくなり、リスクの高い株式などへの投資金額が少なくなる傾向がある。
歴史的な低金利水準にある債券の期待リターンは低く、他資産よりも期待シャープレシオが低い可能性がある。このためリスク・パリティ・ポートフォリオはリスク・リターンの観点から最適とは言えない可能性があることに留意する必要がある。
ヘッジファンドの運用実績データベースに基づいて算出されるパフォーマンスに生じうるバイアス
【生き残りバイアス】消滅したファンド等を計算から除外することによる上方バイアス。
【遡及バイアス】新規組入れファンドのリターンを遡及的に導入することによる上方バイアス。
【自己選択バイアス】リターン実績を開示しないファンドが存在することによる上方・下方バイアス。
株式の期待リターンの計算方法
ビルディングブロック法
安全資産リターン
+長期債タームプレミアム
+長期債に対するエクイティプレミアム
サプライサイド法
株式配当利回り
+企業収益成長率
+株価バリュエーション変化率
市場ポートフォリオにおける資産のリスク寄与
例)市場ポートフォリオにおける株式のリスク寄与
株式のウェイト×〔(P株式共分散)/P標準偏差〕
バリューアットリスク(VaR)
VaR=-P時価×信頼水準に対応する値×標準偏差×√投資期間
CVaR
ポートフォリオの損失額がVaRよりも大きくなった場合の発生確率による加重平均損失額を指す。
損失額がVaR以上となることを条件とした、損失の条件付期待値。
CVaRは同じ信頼水準でVaRとCVaRを比較した場合、CVaRで示される損失額の方がVaRで示される損失額よりも絶対値ベースで大きくなる。
時間加重収益率・金額加重収益率
時間加重収益率(年率)
〔(期末1/期初1)×(期末2/期初2)〕^(1/期間)
※期初に資金を追加していたらそれも期初の金額に含める
時間加重収益率は、キャッシュフローの影響を排除しているため、ポートフォリオのパフォーマンスを評価するのに適切である。キャッシュフローを自らコントロールできない場合は時間加重収益率で評価するのが望ましい。
金額加重収益率
最初資金×(1+r)^n
+追加資金×(1+r)^(n-1)
+追加資金②×(1+r)^(n-2)
=最終的な資金額
をrについて解く
解の公式を使って解く場合が多い
運用期間中のキャッシュフロー流出入を考慮した内部収益率ともいえる
人的資本
人的資本とは、将来の労働稼得力の総額の現在価値。
毎年の収入を(1+rf)で現在価値に割り戻して合計する。
人的資本は、各時点において、それ以降の将来収入の現在価値を求めたものであるから、時間が経過するにつれて徐々に減少し、定年時点におけるゼロまで低下していく。
CCPI(Constant Propotion Portfolio Insurance)
オプション価格に依存せず、単純なフォーミュラに従って資産配分を変更することで、一定額以上の損失を回避しつつ値上がり益を追求する手法。
CCPIを適用しても想定した額以上の損失が生じる(=フロア割れを起こす)のは、リスク資産の価格が大きく下方にジャンプした場合である。
ショートフォール確率
ある資産(ポートフォリオ)の一定期間のリターンが、一定の目標収益率を下回る確率をショートフォール確率という。
期間を特定する。
期待収益率、標準偏差、目標収益率を特定期間に換算する
期待収益率・目標収益率は単純に×特定期間
標準偏差は×√特定期間 とすることに注意
z値を求める。
6.z値がマイナスの場合、ここらへん↓
7.z値がプラスの場合、ここらへん↓
8.求めたz値と標準正規分布表を照らし合わせて、確率を求める。
※試験では0以上の下側確率が与えられているので1から差し引く必要あり
9.従って、目標収益率を下回る確率は、
1-(z値を基に得られた確率)=0.05≒5.0%
のように算出する。
長期投資と短期投資で最適資産配分比率が異なる条件
個人投資家の保有する富を金融資産のみではなく、人的資本などを含めた幅広い資産概念で捉えて最適資産配分を考えるとき、人的資本の価値は若年層で大きく、高齢層で低くなるので、それに応じて各種の金融資産への配分比率も投資家の年齢に応じて異なってくる。
リターンが独立同一分布でないとき。例えば経済情勢によって投資機会が変化したりするとき。
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