「電子カルテは離れる度にログアウトしろ」と言うけれど…
(ここ数日、W杯や出張のため投稿を休んでおり、久しぶりの投稿になります。)
今日は電子カルテのログイン(ログオン)とログアウト(ログオフ)についてです。
会社のパソコンですと、恐らく「自分専用」のパソコンが割り当てられ、そのパソコンはほぼ自分だけが使える状況が多いのではないでしょうか。
しかし、病院の電子カルテは少し事情が異なります。
電子カルテの入っているパソコンを「職員で共用」している事が多いです。
どうしてかというと、例えば外来診察室1で診察する医師は曜日によって違います。
月曜日はA医師、火曜日はB医師、水曜日はC医師という感じで。
ですので、診察室を共用する必要があるので、必然的に電子カルテパソコンも共用することになります。
そのため、使用後には「必ずログアウトをしなさい」と言われています。
しかし、あまりログアウトされていないのが現状です。
なぜかというと「次のログインが面倒くさいから」です。
外来診察室は午前半日ずっと自分だけが診察で使用するのでまだ良いですが、より深刻なのが「病棟のパソコン」です。
自分の受け持ち患者さんが、複数の病棟に入院中だったりすると、各病棟で電子カルテにログインし、入力する必要があります。
となると、その都度ログイン&ログアウトする必要があるのですが「ちょっと患者さんを診察して、すぐ戻ってくる」つもりで患者さんの部屋に行ったら、別の病棟から呼び出された…。なんてことがよくあります。
すると、そのパソコンはログインのままになります。
現場をわかっていない日本医療機能評価機構なる公益社団法人は「パスワードは類推されないように数字とアルファベットを混ぜなさい」などと型通りの指導をしてきます。
「パスワードを複雑にするほどログアウトしたくなくなる(次にログインするのが面倒だから)」という現場の状況をわかっていません。
それでも一方的に「退席する際は必ずログアウトを」と指導を繰り返すばかりで、現場での実施率は改善していない様です。
きちんと現場をわかった人が、医療制度を改変していってほしいものです。
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