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二次元オタクの原点と、今の私を形成するマンガたち #私を構成する5つのマンガ

Twitterでもnoteでも話題のこのタグ。
見かけたときから
絶対やりたい!書きたい!!
と思っていましたが
5つ選出するのに悩みに悩み...
気づけばGWも終わってしまいました。

時間はかかったけれど
ようやく選び終えたので、
私を二次元オタクにした
原点
ともいえるマンガ1つと、
今の私を作っているマンガ4つを
ご紹介します。

ネタバレもありますのでご注意ください。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』に二次元オタクの楽しさを教わった

私を構成するマンガ、1作品目は
天野明先生の『家庭教師ヒットマンREBORN!』です。

この作品は私の二次元オタク人生のはじまり
といっても過言ではないマンガです。

リボーンに関しては、
マンガの紹介というより
自分語りになってしまうのですが
それでも「私を構成する」という
テーマ上、外せないマンガです。

小学生時代、
私は少女マンガ誌『ちゃお』ばかり
読んでいました。
あのころは、ちゃおが少女マンガ界の
バイブルというか...
誰とでもちゃおの話ができました。

しかし、高学年になってからは
ちゃおの付録を使っていれば
会話が生まれる、というようなことはなく...。
周囲の話題は
「あの曲いいよねー!」
「この服かわいいね!」といった
ものに変わっていきました。

もともと家族が
オタク気質だったこともあり、
好きなアーティストや
好きなファッションブランド
(メゾピアノとかああいう感じのやつ)の
話をする子はどうも居心地が悪くって、
気がづいたらオタクグループの中にいました。

オタクグループは楽しかったけれど、
そこでもちゃおの話は誰もしておらず
知らない作品やキャラクターの名前が
飛び交っていたのを覚えています。

私がいたグループの間では
『週刊少年 ジャンプ』がブームだったようで、
中でも『家庭教師ヒットマンREBORN!』の
「雲雀恭弥(=雲雀さん)」という人が
好きだとよく聞かされており、
話に付いていきたい一心で
アニメを見はじめました。

少年マンガ原作のアニメは
『NARUTO -ナルト-』や
『焼きたて!!ジャぱん』と他にも
見てきたけれど、
画面の中のキャラに対して
「愛おしい」「俺の嫁」といった、
いわゆる推しメン的な感情
持ったことがなく、
こんな楽しみ方があるんだと
初めて知りました。

アニメを見てからは
私も雲雀さんの沼に落ち
マンガを買い揃え、
ジャンプショップでグッズを買うために
「遠出をしたい(※1)」と母に頼んで
付き添ってもらったり...。
とにかく毎日が雲雀さんでした。

今思えば、雲雀さんは
私の好みとはまったく違うし
周りに合わせたいがための
推しだったなあと思いますが、
おかげで今は1作品につき
1人は必ず推しができるくらい
ハードル低めなオタクができていて楽しいです。

みんなと話したくて
少し無理をして推しを作ったあのときの
キラキラした気持ちは今でも宝物です。

※1 : ジャンプショップには
  限定商品が売っています。
  そしてわりと都会にしか店舗がありません。

『ラストゲーム』で家族の愛を受け入れられるようになった

私を構成するマンガ、2作品目は
天乃忍先生の『ラストゲーム』です。

『ラストゲーム』は、
今回このエントリーを書くにあたり
真っ先に頭に浮かんだマンガです。

なぜ真っ先に浮かんだかというと、
現在も心の支えにしているセリフがあるから。

セリフ紹介の前に
ストーリーのあらすじをご覧ください。

この物語は主人公2人の
小学生時代からスタートします。

勉強、運動、ルックス、家柄
すべて完ぺきな少年・柳が
地味で貧乏な転校生・美琴に
勉強、運動で惨敗。

その上、自分の家庭が裕福であることを
誇っていた柳に対し美琴は
「すごいのは あなたのお父さんであって
あなたじゃない」と言い放ちます。

柳は人生で初めての挫折を経験し、
雪辱を誓いますが
ライバル視していた美琴に
いつからか好意が芽生えます。

時は進み、2人が大学生になったころ
長年の片想いを実らせるため、
美琴に「恋を自覚させたら勝ち」という
一方的なゲームを仕掛けることで
物語は動きはじめるといったお話です。

そんな物語の中で、私の心に響いたのが
「お父さんの愛情でしょ?」というセリフです。

上のセリフは、52話で
柳が自分の今の生活は
全部親から与えられたもので、
昔から自分の手で
お金を稼いで生活してきた美琴に
引け目を感じるという心情を吐露したときに
美琴がかけた言葉です。

このセリフは
「私は必要だから働いてるだけ
比べる必要なんかない
ましてや恥じる必要もない
そんなの御両親に失礼だ」
と続きます。

当時の私は、自分の家庭環境が
嫌で嫌で仕方がなくて、
学費を親が払ってくれる家庭が羨ましい
とか
親のお金で一人暮らしをさせて
もらえる人がいるなんてずるい
とかそんなことばかり考えて
イライラしていました。

しかし「お父さんの愛情でしょう?」という
言葉に、美琴の強さに、
ハッとさせられました。

お金はたしかに愛情表現の一部では
あるかもしれないけれど、
お金で愛は買えない。
私の家族もお金ではない違う形で
ちゃんと愛情表現していてくれたと思うのに
お金にこだわって、見失ってしまっていたことに
気がつきました。

このマンガに出会ってからも、
やっぱり裕福な家庭が羨ましいなんて
思うこともあるけれど、
それは「その家庭の愛情表現の一部」として
受けとめられるようになりました。

大切な言葉をくれた
『ラストゲーム』ならびに
天乃忍先生には感謝しかありません。

『ハイキュー!!』は人生の主人公が自分だと何度でも気づかせてくれる

私を構成するマンガ、3作品目は
古舘春一先生の『ハイキュー!!』です。

『ハイキュー!!』は
高校バレーを題材にした少年マンガです。

王道なスポーツマンガで
特殊能力を生まれ持っていたり、
超絶技がバンバン使えたりはせず
男子バレー部の日常を
リアルに、そして丁寧に描かれています。

胸に刺さるセリフや
泣けるシーンもたくさんありますが
私が1番好きだなと感じるのが
「脇役も主役なところ」です。

『ハイキュー!!』には烏野高校に通う、
日向翔陽(ひなた しょうよう)と
影山飛雄(かげやま とびお)という
主役が2人います。

この2人の成長を追うのが
『ハイキュー!!』のストーリーであり
それ故に、烏野高校視点で
物語は進んでいきます。

しかし、40話は烏野高校視点ではなく
対戦中の相手・常波高校が
メインの視点となっており、
普通なら脇役止まりの高校や人々が
まるで主役のように描かれています。

その常波が
烏野に負けたときのモノローグが
脇役も、そして読者さえも
主役にしてしまうほどに秀逸
だなと思いました。

多分
こんな風にあっけなく"部活"を終わる奴が
全国に何万人と居るんだろう

何試合もある予選を全部勝ち抜いて全国へ行って。
これが物語だとしたら全国へ行く奴らが主役で
俺達は脇役みたいな感じだろうか。

それでも俺達はやったよ、
バレーボール
やってたよ

このモノローグ、
「バレーボール やってたよ」の部分に
勝とうが負けようが、
試合に向けて頑張ってきた日々の中では
自分が主役だったんだという意志が
込められているようで好きです。

また、同じ40話から
以下のモノローグは
バレー以外のことでも
何かを頑張ったことがある人全員に
刺さるのではないでしょうか。

あの時
もう少し
もう少し頑張ってたら

筋トレも走り込みも
もっと頑張ってたら

もっと主将らしく
できたてたら

レシーブ一本に
もっと必死になれてたら
もう一歩
足が前にでていたなら

もう少し
バレーをやれていたんだろうか

私の人生も「もう少し頑張ってたら」で
溢れているので
感情移入しまくりでした。

こういった視点切り替えや
共感度高めのエピソードたちが
物語を自分ごとにさせているのだなあと思います。

頑張ってはいるけれど、上手くいかなくて
悔しい思いをしている人の
背中を押し続けてくれるマンガです。

『True Love』を大人になって読み返したら発見があった

私を構成するマンガ、4作品目は
杉山美和子先生の『True Love』です。

『True Love』は2013年〜2015年に
連載していた作品で、
リアルタイムで読んでいました。

もちろん当時から大好きな作品だったのですが
1点だけ受け入れられないところがありました。

それは、主人公の親友が私の苦手なタイプだったこと。

このマンガは幼いころに両親の離婚で
離ればなれになってしまった
兄妹・弓弦と愛衣が
9年ぶりに再会し恋に落ちるストーリー。
兄妹モノのマンガです。

弓弦と愛衣はともに高校生で、
同じ学校に通っており、
そこに登場する愛衣の親友・ナナヨは
弓弦のことが好きでアタックを続けます。

その最中、弓弦と愛衣は
お互いの想いが通じ、恋人関係となります。

2人が付き合っていることに気づいたナナヨは
愛衣に隠し事はないかと問い詰めますが、
愛衣は言えるはずもなく
「何もないよ」と答えます。

ナナヨは兄妹で恋愛なんてという感情と、
親友に隠し事をされたという悲しみから
愛衣を拒絶。絶縁関係となってしまいます。

そのまま時は流れ、数年後。
ナナヨは愛衣を呼び出し、
「あの時は、兄妹なのに
お互い好き合ってるとか理解できなかった」
「愛衣、必ず幸せになってね」と伝えるのです。

私は当時「愛衣、必ず幸せになってね」
というセリフに納得がいかず、
お前のせいで愛衣はどれだけ
ツラい想いしたと思っとんだ

とか
ツラいときに側で支えず
なにを今更親友ヅラしとんじゃ
とか思っていて
スジが通っていないナナヨが、
とにかく嫌いでした。

しかしそんなことも忘れて
久しぶりに『True Love』読も〜!と
思い立ち、読み返してみると
あんなに嫌いだったナナヨのことを
受け入れられている自分がいました。

昔は、ナナヨのような
発言に一貫性のない人が苦手でしたが
5年の間に、自分が成長するのと同じく
周りの人も迷い悩み、いろんなことを感じながら
成長していることが
わかるようになっていたのだなあと
この作品を通して気づかせてもらったので
今回選出してみました。

『鉄楽レトラ』には私の人生すべてが詰まっている

私を構成するマンガ、最後の5作品目は
佐原ミズ先生の『鉄楽レトラ』です。

この本を初めて読んだとき、
「運命」だと思いました。
それくらいに登場人物や環境の
一つひとつが「私」すぎて
共感の嵐。胸にズドンときた作品です。

物語は何事にも無気力な高校生・
鉄宇(きみたか)の回想からはじまります。

中学1年生のころ、
鉄宇はバスケ部に所属していました。
小学生からバスケ経験のあった鉄宇は
初心者の多い部活内で中心的な
存在でした。

しかし、2年に上がると状況は一変。
実力も体格も
周りに劣るようになっていました。

慢心から、現実を受けいれられない鉄宇は
レギュラーに入れてもらえないことを
顧問に講義。
チームメイト・辻村と1 on 1を
することとなります。

しかし、結果は惨敗。
勝てない悔しさから辻村を突き飛ばし、
ケガを負わせてしまいます。

挫折した鉄宇は
祖父からもらった
真っ赤なバスケットシューズを
学校の屋上から
投げ捨てようとしたところで、
真っ赤なスペイン舞踊シューズを
同じように投げ捨てようとする少女・
宝と出会います。

そこで、
お互いに捨てようとしていた
靴を交換したことをきっかけに
鉄宇はスペイン舞踊、
宝はバスケット
新たな夢が生まれ、
前に進んでいくというお話です。

ここで、
共感ポイントその1。
「鉄宇の性格が私すぎる」

中学時代の鉄宇の性格、
過去の栄光にいつまでもすがっていて
謎に自信があるところも
まさに私って感じですが(直したい)

挫折を味わった故に、
何にも本気出さなければ
何も悔しくない。
でも、何もない人生は
味気ないと感じている
現在の鉄宇も、
自分を見ているかのようで
読んでいて苦しくなります。

そして共感ポイントその2。
「妹・銘椀(なまり)ちゃんの
気持ちがわかりすぎる」

バスケでの挫折以降、
学校にも行かず
引きこもるようになってしまった
鉄宇には、対照的な妹がいます。

まずこの状況がかぶるんですよね...。
私は銘椀ちゃんほど
出来のいい人間ではないですが。
鉄宇に近しい兄はいます。

作中の銘椀ちゃんもそうでしたが、
ひねくれた兄のなめた態度に
どうしても冷たく当たってしまう。
でも、銘椀ちゃんと同じように
兄にどんなにイヤな態度取られようが
心の奥底ではやっぱり好きなんですよね。
そんな複雑な心境がよく描かれていて、
同じ立場だからこそ
グッとくるものがありました。

最後の共感ポイント。
「スペイン舞踊の先生・
君枝(きみえ)のプロ意識」

鉄宇は宝と交換した
真っ赤な靴を活かすため
スペイン舞踊をならいはじめます。

その先生・君枝は過去に
踊り手として舞台に立ち続けていました。
君枝の亡き夫は、ファンでもあり
老いから嫌煙されていく
君枝にこんな言葉をかけます。

「君の踊りを必要だと
言ってくれる人間が
一人でもいるなら…

たとえ白髪になろうと
手足が動かなくなろうと、
君は踊り手であるということを
忘れてはいけないよ」

私は過去にダンスをならっていたこともあり
この言葉、すごいわかるなあと思いました。

アマチュアではあったものの
私のダンスが好きだと
言ってもらえることが嬉しくて
熱があっても発表会にでたりしていました。
(今考えたら休むべきだった)

10年以上
それなりにプライドを持って
やっていたので、
この言葉を胸に、
1度はリタイアした踊り手人生を
鉄宇の先生としてやり直す
君枝の姿、感動しました。

こんなに共感の多い作品が
運命でなくてなんだというんですかね。

ほかに挙げた作品は、
影響を受けたものでしたが
『鉄楽レトラ』は読むと懐かしくなる、
私の人生そのもののような
作品だと思っています(おこがましい)。

おわりに

また激重な記事を生産してしまった...。
毎回毎回1見出しで
1エントリー書けるんじゃね?
くらいのボリュームで
書いてしまいます。反省。

それでも、
作品の魅力が伝わっていれば幸いです。

長々と読んでいただき、
ありがとうございました!

サムネイル画像は『アル』で作成しました。
https://alu.jp/elementsOfMe/0T2kdyPIe1k8h6rcIhLF

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