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「今ほんとうに欲しいもの」をエケコさんに持ってもらう

2007年にペルー〜ボリビアを旅した時に、
エケコ人形を連れて帰ってきた。

エケコ人形は、ちょっと小太りのスーツを着たおじさんの人形で、
自分が欲しいもののミニチュアを持たせて、
タバコを吸わせてあげると、それが手に入るのだそうだ。

店先に並んでいるエケコ人形には、もうすでに、
家やテレビ、ハート、お金、コカ茶、、、など、
みんなが欲しがるであろうと思われたものが、巻き付けられている。

当時、日本に持ち帰ったエケコさんには、
いいご縁がありますようにと5円玉などぶら下げて、そのまま、、、
時々思い出した時にタバコを吸わせてあげるくらいだった。

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先日、棚を掃除していた時に、ふと、エケコさんと目があった。
放置されていたエケコ人形は、海外のお札を肩に乗せて、
なんとなく浮かない顔をしている。
首に巻きつけてあるものもなんだか埃まみれでよくわからない。

急に申し訳ない気持ちになり、
エケコさんをメンテナンスすることにした。
いったん全て外して、エケコさんも綺麗にお風呂に入れて、
「今ほんとうに欲しいもの」をエケコさんに持たせよう。

ちょっと待てよ、
わたしが「今ほんとうに欲しいもの」ってなんだろう?

そこから悩みはじめた。
自分が欲しいものってなんだろう?
自分にとって、豊かってどういうことだろう?
お金があること?
お金はあればうれしい、好きなことができるし、欲しいものが手に入るから。
でも、お金が欲しいわけじゃない。
お金があっても、やりたくないことに時間を費やして、
忙しい思いをするのは違う。
それから数日、、、悩みに悩んで、
わたしにとっての豊かさとは何か、ということが、
やっと腑に落ちる言葉になってきた。

豊かな自然の循環を感じながら暮らせること。
その時の自分が、本当に心からやりたいことができる、
行きたい場所にいける、自由さとそのための時間があること。
大好きな人が作った素敵なものややっていること、
心がときめくものに、投資するお金の余裕があること。
信頼し、安心できる仲間との心地よいつながり。。。

それらを、思い描きながら、
エケコさんをメンテナンスしよう。

まず、今持っているものをおろし、身体を洗う。
帽子も洗濯して、ピカピカの青空に干す。

エケコさん、空は南米にもつながっているよ。

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もともと持っていたものの中で、テレビはいらないので、外すことにする。
その他のものは、わたしなりの意味づけをしながら、磨いたり拭いたり。
「無限に溢れる愛」
「心地よくて安心で安全な大好きなお家」
「暮らしの中のときめく瞬間」
「健康」などなど、、、。

そして、新たに、
「いつでも好きなことをして好きな場所にいける自由さ」の象徴、鳥の羽根を。
もちろん、宇宙に連れていってくれる「カニ」も。
いろんな国に行けるように、外国のお札もそのまま肩に挟む。

青空に干していた帽子もかぶせ、
ピカピカのエケコさんに生まれ変わった!

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なんとなく効きそうなチベットのお香をたいて、
新しいタバコを吸っていただき、タイのお鈴を鳴らして、
願掛けをした。

エケコさんの顔も、心なしか、頼りがいのある愉快な表情にみえる。
胸にぶら下がるカニという話し相手もできて、楽しいに違いない。
なんとも清々しい気持ちになった。

今回は、自分にとって豊かさとは何か、ということを
自問自答するプロセスが、とても大切だった。
数日かけて、未来の種を撒く儀式を執り行ったような気分だ。

わたしの場合は、エケコさんを通してその儀式をしたが、
平面や立体のコラージュでもなんでもいい。
宝箱を作って、その中に、象徴するものを入れていくだけでもいい。
自分にとって、豊かさとは何か、今ほんとうに欲しいものは何か、
自問自答しながら何かを創作してゆくのはとてもいい。

何よりも、創りながら考えるのは、とても楽しいことだ。
自分の中から思いがけないものがでてくる瞬間を味わうのが
わたしは好きだ。

あおきさとみ
カニ宇宙 https://kani-uchu.webnode.jp/


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