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苦手は苦手のままでいい

実は話すのが苦手です。

思い返せば幼少期から人前で話すのが苦手でした。当時は苦手意識というものはなく、ただ緊張しやすいタイプなんだと思い、さほど気にしていませんでした。

自分が話下手だと自覚したのは大学に入ってからでしょうか。中高ではなかった幅広い人間関係ができるにつれ、周りとの会話力の差を感じ、常に劣等感を感じていました。

もともとHSPかつ不安症ぎみなので、そのせいもあるのだと思いますが、とにかく人前で自分の脳内を言語化するのが上手くできません。考えてることは山ほどあるんですけどね。相手に伝えようとすると色々気にしすぎて頭が真っ白になってしまいます。就活の面接なんて最悪で、思い出したくもないくらいボロボロでした。
言葉にできない=何も考えていない人と思われたりしてつらかったです。いつもモヤモヤを抱えた状態で過ごしていました。

あるとき何かの本に書いてあった言葉に、「表現の方法は人それぞれで、自分に合った表現方法を見つければ良い」というものがありました。何の本だったか思い出せないのですが、とにかく印象に残っていて、いまでも自分の中で大事にしている言葉です。

詳細をざっくり書くと、
[人は常に自己表現したい生き物で、何か表現しないとストレスが溜まっていく。表現方法として言葉が良しとされることが多いけど、必ずしも言葉だけではない。文章が得意な人は文章で伝えればいいし、芸術が得意な人は芸術で、音楽なら音楽、ダンスでも舞台でもなんでもいい。自分の表現方法はいくらでもある。無理に言葉を使う必要はなく、自分がいちばん表現できると思う方法を見つけること。そしてそれを伸ばすこと]
といったことが書かれていました。素敵ですよね。

私の場合、言葉にするのは苦手ですが文章や図にすることは割と得意、というより好きです。脳内にたくさん溢れてくる考えを、文字として書き出すことでゆっくり整理できます。どうも言葉にしようとすると周りの環境に引っ張られてしまうんですね。自分らしさが分からなくなります。

この言葉に出会ってから、自分が話上手ではないことに劣等感を感じていましたが、無理に話上手になろうとしなくていいんだと、肩の力が抜けたような気がしました。文章で自分の気持ちや考えを表現できているのならそれでいいのかもしれないと。言葉でうまく伝わらないと思っても、メールやライン、手紙など、伝える方法はいくらでもあります。

たとえば仕事でも話下手なりに工夫しています。電話よりメールを増やしてみたり、ここは伝えたいと思うことはメモ書きを相手の机に置いてみたり。発表では台本を用意し、資料には図や文をたくさん使って口で説明しなくても分かるようにする。はたまた会議では書記に徹して内容まとめて、そこに自分の考えもちょろっと書いてみる、などなど。

人それぞれ得意な伝え方や手段があるので、無理に話上手になろうとするのではなく、自分の得意をのばす方向にシフトしていこうと思いました。

話上手になることを諦めたわけではありませんが、苦手を克服するよりも、得意を伸ばしていくほうが何倍も楽なんですよね。いまから頑張って話上手になったとしても、もともと得意な人には敵わないですし。話関係が得意な人にはその分野をお任せして、自分は違う分野で頑張ればいいかなと。

どうしても自分にないものを持っている人や、苦手なことをうまくできている人と比べて落ち込みがちになりますが、自分にしかできないこと、自分が得意なことも少なからずあるわけで。きっと誰かも私に対していいなあと思うことだってあるはずなのです。まずはそれを見つけること、探すことに時間を費やさなくてはなと思いました。

また自分の得意を活かせる、もしくは認めてもらえる環境に身を置くことでより生きやすくなるのではないかと思います。その環境を見つけるのがなかなか大変で、自分もまだ模索中ですが…。自分の得意を伸ばし、そして他の人の得意も素直に認められる人になりたいです。
人生まだまだこれから。焦らずゆっくり自分の得意を見つけて育てていこうと思います。

みなさんはどんなことが得意ですか?

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