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スト6 起き上がり3F目打撃重ねの検証 Ver.1.0111.020

更新:2023-9-25


背景

起き上がり3F目打撃重ねとは

 起き上がり3F目打撃重ねは、ジャストパリィを回避しつつ相手を打撃を重ねる方法である。
 ジャストパリィを回避できる理由は、パリィのジャスト猶予が発生から2F目までであり、リバーサルでパリィを出すと3F目の打撃にジャストを取ることができないからだ。

疑問

 この起き上がり3F目打撃重ね(以下、3F目重ね)について、「本当に有効なのだろうか?」と筆者は疑問を抱いた。なぜなら、リバーサルパリィの入力は目押しであるため、リバーサルパリィを入力したつもりでたまたま1~2F遅らせパリィになっていることがあるからだ。1~2F遅らせパリィは3F目重ねに対してジャストパリィになる。
 意図しない1~2F遅らせパリィが出る割合によっては、3F目重ねはしない方がよい。3F目重ねは、その状況を作るためにリターンを捨てているケースが多いからだ。

結論

 起き上がり3F目打撃重ねは有効であることが分かった。

 今回の検証では、打撃持続重ねに対して72.5%だったジャストパリィ率が、3F目重ねに対しては23.0%まで下がった。ただし、この数値は被験者のジャストパリィ精度に依存している(詳細は「補足」に書いた)。

検証方法

概要

 トレーニングモードのレコード機能を使用した。各スロットに打撃持続重ね(以下、持続重ね)と3F目重ねの連携の二つをレコーディングし、ランダム抽選率を両方1にして再生。筆者がダミーの連携に対してガード入力しつつジャストパリィを取るようにキャラを操作した。
 レコード再生1回ごとに、相手の連携とその結果(ガード、パリィ、ジャストパリィ)をExcelに記録した。連携は入力履歴とフレームメーターにより確認した。100回で1セットとし、5セット行った。設定は以下の通り。

  • 1P側(左側)を筆者が操作、2P側(右側)をダミーとした

  • 左画面端で行った

  • 操作キャラは1P、2Pともにキャミィ

  • レコードの「再生情報の表示」はOFF(掲載用画像ではONになっているが、検証中はOFFにしていた)

  • 入力履歴は1P/2P

  • フレームメーターの表示はON

検証1

  • スロット1(持続重ね連携):
    強スパイラルアロー→前方ステップ>しゃがみ強P

強スパイラルアロー→前方ステップ>しゃがみ強P
  • スロット2(3F目重ね連携):
    強スパイラルアロー→中P>しゃがみ強P

強スパイラルアロー→中P>しゃがみ強P

検証2

  • スロット3(持続重ね連携):
    中スパイラルアロー→前方ステップ>中P

中スパイラルアロー→前方ステップ>中P
  • スロット4(3F目重ね連携):
    中スパイラルアロー→前方ステップ>5F遅らせ中P

中スパイラルアロー→前方ステップ>5F遅らせ中P

 スロット4は現実的な連携ではないが、そのかわり予備動作がない。予備動作の有無が結果にどう影響するのかを検証するためにレコーディングした。

結果

 結果は以下の通りになった。
 ※パフェパ=パーフェクトパリィ=ジャストパリィの意味。

検証1の結果

検証1-セット1
検証1-セット2
検証1-セット3
検証1-セット4
検証1-セット5
検証1-合計

検証1の考察

 持続重ね:ガード率4.9%、パリィ率29.3%、ジャストパリィ率65.9%(*1)
 3F目重ね:ガード率3.1%、パリィ率39.4%、ジャストパリィ率57.5%

 ジャストパリィ率を比較すると、持続重ねに対して3F目重ねの方が低いが、そこまでの差は出ていないように見える(*2)。
 しかしこの検証方法には問題があった。なぜなら、持続重ねのガード率3F目重ねのジャストパリィ率に著しい差が出ているからである。3F目重ねに対してジャストパリィを取れるタイミングでパリィを押すと、持続重ねに対してガードになるため、両者の割合はほぼ等しくなるはずだ(*3)。同様に、持続重ねのジャストパリィ率3F目重ねのパリィ率もほぼ等しくなるはずだが、差が出ている。
 筆者は、この原因を連携の予備動作によって持続重ねと3F目重ねを区別できるためだと考え、予備動作のない連携で追加検証をした。それが検証2である。

 *1 四捨五入した値なので合計が100%にならないことがある。
 *2 ここの判断は主観。有意水準と帰無仮説を設定せず、突発的に検証を始めたため。
 *3 正確には、持続重ねのガード率と(3F目重ねのジャストパリィ率+3F目重ねのガード率)がほぼ等しくなる。

検証2の結果

検証2-セット1
検証2-セット2
検証2-セット3
検証2-セット4
検証2-セット5
検証2-合計

検証2の考察

 持続重ね:ガード率22.1%、パリィ率5.3%、ジャストパリィ率72.5%(*1)
 3F目重ね:ガード率0.8%、パリィ率76.2%、ジャストパリィ率23.0%

 検証1と異なり、持続重ねのガード率ジャストパリィのガード率持続重ねのジャストパリィ率3F目重ねのパリィ率がそれぞれほぼ等しくなった(*3)。また3F目重ねに対するジャストパリィ率が大幅に下がった。予備動作が3F目重ねに対するジャストパリィ率を上げていたことを示す結果である。検証2の方がより実戦に近い数値を表していると見てよいだろう。この結果から筆者は3F目重ねが有効であると結論づけた(*2)。

 3F目重ねのガード率持続重ねのパリィ率に比べて低いことについては、パリィを押すタイミングがリバーサルから離れている長さで説明できるだろう。それぞれの結果に対してパリィを押しているタイミングが、3F目重ねガードはリバーサル後4F目以後持続重ねのパリィはリバーサル前3F目以前だからだ。

 *1 四捨五入した値なので合計が100%にならないことがある。
 *2 ここの判断は主観。有意水準と帰無仮説を設定せず、突発的に検証を始めたため。
 *3 正確には、持続重ねのガード率と(3F目重ねのジャストパリィ率+3F目重ねのガード率)がほぼ等しくなる。

補足

プレイヤー依存性

 3F目重ねの有効性は、プレイヤーのジャストパリィ精度に依存する。持続重ねに100%ジャストパリィを取るプレイヤーならば、3F目重ねにジャストパリィを取る確率は0%となるため、極めて有効である。一方で、持続重ねのガードが50%になるプレイヤーは、3F目重ねにジャストパリィを取る確率が50%近くになる(*3)ため、あまり有効ではない。
 ではこの検証は筆者のジャストパリィ精度を測定しただけということになるのだろうか。いや、そうはならない。筆者のジャストパリィ精度が平均的であれば、大半のプレイヤーに3F目重ねが通用するといえる(*4)。

 *3 正確には、持続重ねのガード率と(3F目重ねのジャストパリィ率+3F目重ねのガード率)がほぼ等しくなる。
 *4 そして筆者のジャストパリィ精度が平均的でないことを示す根拠はない。

3F目重ねへの意識

 3F目打撃の有効性はまた、相手が3F目重ねを意識しているかどうかに依存する。ジャストパリィ精度が完璧なプレイヤーでも、相手が3F目重ねを使うと知っていたら、リバーサルパリィの一部を1~2F遅らせパリィに変える戦略を取るからだ。
 今回の検証でも、被験者(筆者)が3F目重ねを意識していたことで、1〜2F遅らせパリィの割合が増え、それが3F目重ねに対するジャストパリィ率を増していた疑いがある。

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