寒さが身にしみる季節 + 銭湯 = 近所付き合いが恋しくなった話
銭湯が近所にあるって最高なことだ。
さらに徒歩圏内だと、銭湯好き女子としては非常に恵まれた環境。
湯冷めしにくいし、夜道が短いし。
寒さが身にしみる季節になると毎年思う。
冷えた体と疲れた体を労うには、家風呂じゃどこか物足りないと感じる冬が、いちばん銭湯の魅力が際立つ季節だと思うのだが、みなさんはどうだろうか?
銭湯の熱くて広くてブクブクする湯船は、ほんとーーに家風呂の湯船と違う。
芯から温まるから湯冷めしないし、ずっとポカポカ。
脚とか肩とか疲れたところは軽くなってリフレッシュしまくりなのだ。
だから冬の銭湯幸福体験は病みつきになってしまう。
先日のたぬき湯でのこと
その幸福感をどうしても分かち合わずにはいられなくて、常連さん達の会話に思わず混じることになった。
帰り際の「おやすみなさい」。
銭湯の常連さんは、必ず
「こんばんは」からはじまり、「今日は早いわね」などとその日の話をして脱衣場を後にする。浴場に移動すれば、「今日はお湯が黒いねー(その日は江戸黒の日でした)」と話していて、帰り際には必ず「おやすみなさい」と交わして帰路についている。
その光景に、小学生の時の私は仲間に入っていたこともあったけど、大人になった今改めて憧れているようだ。
小学生の頃、近所付き合いの1つとして成立していた銭湯での会話は、近所付き合いが減ったことと、ご近所さんが銭湯にいないことで今は不成立の状態。
常連のご近所さん会話は、高齢者だらけ。
彼女達の一連の会話を横目で見ながら、うらやましいと思って温まっていた私。
お風呂からあがる頃には、温まった体の幸福感がおさえきれなくなり、目の前にいる常連上級者の会話になんとか入れないものかと、気づけばあやしげに企んでいた。
そして、全く会話に入れないまま、
最後のあの「おやすみなさい」が近づいてくる。
私は心の中で「これだ、ここしかないな」と思い準備した。
常連さんのひとりが
「おやすみなさ~い、お先に~」と言い放ったので、
すかさず私も
「おやすみなさい」と言い返した。
すると、常連さんは少しびっくりして私の方へ振り返り「おやすみなさい」と言い返してくれた!
なんと!成功だ!
たった一言なのに、とっても嬉しかったし、なにより銭湯のこの幸福時間を分かち合えた気がした。
これが、スーパーやコンビニではそうはいかない。
銭湯の開放的な空間と日常に溶け込む入浴時間だから、私はできたのだと思うし、衝動にかられたのだ。
やっぱりそう思うと、銭湯は素晴らしい。
まだ私には子どもはいないけど、もし子どもができたら、私が小学生の頃味わった銭湯での近所付き合いを経験させたい。
そう思った夜だった。
銭湯がなくなりませんように。
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