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【全成績】私 vs アーモンドアイ(JCまで)
アーモンドアイが歴史的大偉業を達成した!
芝G1レース8勝は日本馬の歴代最多勝記録。同馬のファンとして、この快挙を素直な気持ちで祝福したい。
いや~もう本当に、現地で応援できなかったのが残念なくらいである。現役生活はもう残り僅かだと思うが、最後まで彼女らしい走りで競馬界を盛り上げていってほしいところ。
とはいえ、ギャンブラーとしての私とこの馬との馬券相性は実はあんまり良くない。
買っては外れ、軽視しては勝たれの繰り返し。そんな私とアーモンドアイとの馬券成績を振り返ってみることにする。
2018年4月 桜花賞 ~出会い~
もう今から2年半も前の話。私とアーモンドアイとの初対決(?)のレースである。
この時は⑨リリーノーブルという馬を本命に、①ラッキーライラックを2番手評価として馬券を組んだ。
特に私はラッキーライラックという馬が大好きだった。前年冬から圧倒的な強さでここまで無敗で勝ち進んできた実績馬で、私も彼女のおかげで初めての3連単を的中させることができたという思い出もある。
いろんな事情もあって本命にはできなかったが、それでも彼女が勝ってくれれば良いなと思った。
ちなみにこの時の人気が、1番人気ラッキーライラック(単勝1.8倍)、2番人気アーモンドアイ(単勝3.9倍)、3番人気リリーノーブル(単勝7.4倍)である。
本命馬のリリーノーブルは、ラッキーライラックにこそ負け続けてはいるが、この馬もまた前年から一線級のメンバーを相手に堅実な走りを見せており、展開次第で逆転もあると私は読んだ。
一方で2番人気のアーモンドアイは、前走こそ圧倒的なパフォーマンスをみせたものの、ラッキーライラックやリリーノーブルといった一線級の相手とは未対決。実績の割には人気しすぎていると私は見て、あまり重視することはなかった。
しかしレースは圧巻!
忙しい方は1:20あたりから見てみよう。
インコースを完璧に立ち回っていざ直線へと臨むラッキーライラック。普通に考えて彼女の勝ちパターンである。
ところが大外から無慈悲にもアーモンドアイが楽な手応えで接近、そのまま差し切って突き放してしまった。
内で粘るラッキーライラックの騎手が必死にムチを叩いているのに対して、アーモンドアイの騎手は軽く手を動かしているだけ。
着差以上にアーモンドアイの強さが際立つレースだった。
レース映像と馬券の写真を見てもらうとわかるが、私の本命馬リリーノーブルは3着に粘ったため、一応馬券は的中している。
しかし購入金額2,200円に対して、払い戻しが830円だったので実質的には私の敗北ということになる。
2018年5月 優駿牝馬(オークス)~疑念~
次の対決は1ヶ月後のオークス。
舞台は東京2,400m。前回の桜花賞が阪神1,600mだったので、実に800mもの距離延長となる。
前回アーモンドアイにこっぴどくやられた私だが、今回も懲りずに彼女を疑いにかかる。
ポイントは血統、そして脚質であった。
まず血統について。アーモンドアイの父はロードカナロアという馬で、彼は現役時代1,200mの競馬を得意としていた。
競走馬は父母の特徴が強く現れる生き物なので、もしかするとアーモンドアイにとって2,400mは長すぎるのではないか。強引に例えると、短距離選手にマラソン競技をさせるようなものではないか、と。
一方で我らがラッキーライラックの父はオルフェーヴル。この馬は現役時代2,400mや2,500mの競馬を得意としていたので、娘の彼女にとっても適正舞台である可能性は高い。
そして脚質について。アーモンドアイは、道中は中団・後方にポジションを取り、直線で一気に前に食らいつく「差し・追い込み馬」である。
これは直線の差し切りが決まると派手に見えるが、安全に前へと取り付いた馬に出し抜かれるリスクが大きく、最後に脚を余してしまうこともある。
一方で我らがラッキーライラックは、道中は先団を走り、直線はそのまま抜け出す「先行馬」である。
差し・追い込み馬ほど派手な競馬をすることは無いが、終始有利なポジションをキープしながら進められるのは大きなアドバンテージである。
...とここまでの持論を、一緒に観に行った友人にドヤ顔で語りつつ馬券を購入。
本命はもちろんラッキーライラック。今度こそ勝てるはずである。
あまりスタートが得意じゃないアーモンドアイは今回も5分の出だし。...が、なんとそのまま半ば強引に先団に取り付いていく。
これは聞いてない!!!!!!
道中はちょっと折り合いに苦労しているところも見せていたが、直線はそのままダレることなく楽々と抜け出しての快勝。
今回は馬券的にも大外れ。
誰ですか?アーモンドアイは後ろから行くって言ったやつは。
誰ですか?アーモンドアイに2,400mは長いと言ったやつは。
こういう論理は、実力が拮抗している馬の中で優劣を決めるためのものであって、前走あんな化け物じみたパフォーマンスを見せている馬の評価をどうこうと言うにはあまりにも些細。
正論に気づくのはいつもレース後なのである。
2018年10月 秋華賞 ~和解~
オークスの興奮から5ヶ月。休養を経たアーモンドアイが再びターフへと舞い戻った!
ここまで桜花賞、オークスと2つのG1レースを制している彼女だが、この秋華賞を勝てば「三冠牝馬」として歴史に名を残すことになる。
そして私は、これまで(馬券的に)対立関係にあったアーモンドアイを遂に本命にする決意を固めた!
その理由は3つある。
まず、我らがラッキーライラックが順調さを欠いていたという点。
ここまで堅実に走ってきた彼女だが、急遽の怪我で前哨戦を回避。加えて、彼女の背中をよく知る石橋騎手が落馬負傷で離脱。秋華賞へは初乗りとなる騎手がまたがることになった。
明らかな調整不足の上に、パートナーの交代。さすがに本命にはしづらかった。
2つ目は、アーモンドアイ自身の強さがわかってきたこと。
春は何かとケチを付け続けてきたが、いつもそれを跳ね返す圧巻の走りを見せてくれた。もうこのレースに当たって不安材料はなにもない。ようやく彼女を信じられる境地に達したのである。
3つ目はなんと言っても「三冠牝馬誕生」という歴史的瞬間へと期待。
ギャンブラー以前に、いち競馬ファンとしてこのレースを楽しもうという心持ちである。
以上を理由に、私は上記写真のアーモンドアイの馬券を買った!
10,000円一点買いなんて後にも先にもこのときしかやったことがない。単勝ではなく、複勝であるところに私のチキンハートが垣間見えるが。
忙しい方は1:40くらいから。
やっぱりアーモンドアイは強い!
京都内回り2,000mは最後の直線が短いにも関わらず、4コーナー出口では未だ大外最後方。
ドキリとさせられるが、ここからがアーモンドアイの真骨頂である。
またたく間に各馬をごぼう抜き。そして最後はしっかりと差をつけてゴールした!
本当に強い、そして馬券も的中(複勝オッズは1.1倍だったので、購入金額10,000円に対して払い戻しは11,000円。本当に分の悪い賭けである)。
これが絶対強者に身を委ねる安心感なのか!さすがだぜアーモンドアイ。
これが私と彼女との、束の間の共闘であった。
2018年11月 ジャパンカップ ~邪推~
秋華賞から1ヶ月後。アーモンドアイは府中に帰ってきた!
ジャパンカップ、東京2,400m。あのオークスと同じ舞台である。
オークスであんなに強い競馬ができたから今回も楽勝だろう...と普通は考えるが、私はここにきてまたアーモンドアイを疑い始めた。
ほんとこいつ春から何も学んでねえな。
まあ聞いてくれ、不安材料は先輩の馬との初対戦というところなのである。
(以下結果的に馬券を外した人間が展開する論理なので、お急ぎの方はレース映像までスクロールしましょう)
言い忘れていたが、ここまでアーモンドアイが出走したレースはすべて「同世代・性別限定戦」なのである。
アーモンドアイはこの時点で3歳の牝馬(おんな馬)、つまりこれまでのG1レースは相手も全部3歳牝馬だった。
ところがこのレースからは、年上となる4歳以上の馬や牡馬(おとこ馬)と交えることとなる。
年上に当たる馬ははっきり言って彼女よりもレース経験が豊富である。そして牡馬は一般的に牝馬よりも力が上だとみなされている。
このような混合レースの場合、3歳馬および牝馬には負担重量面のハンデが与えられるが、逆に言うとハンデが与えられて初めて競走が成立するくらいには歴然とした力の差がある、ということになっているのである。
オークスのアーモンドアイは強かったとはいえ、強引な競馬だった面は否めない。混合戦になったときに、彼女は再び距離の壁に直面することになる。
と私は読んだ!
本命はサトノダイヤモンドでいざ勝負。
アーモンドアイ「お前は今まで何を見ていたんだ?」
いやあ、おみそれしました...。2:15くらいからの追い出し、そしてその後の独走劇はまさに圧倒的。
しかも2,400mのワールドレコードタイムを記録してしまうおまけ付き。
もはや年齢とか性別とか関係ねえ。
こいつは馬じゃない、UMAなのだとこの時確信したものである。
なお本命のサトノダイヤモンドは6着に沈んだ。
つづく
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