2022/03/18 医療療養病院へ転院

2か月ぶりに母の姿を見た。

ストレッチャーに寝かされた母は、ぱっちりと開眼していて、瞬きも普通に出来ている。麻痺のない左の手足がとても良く動いている。右の世界を失ったせいか、ずっと頭を真左に向けて、視線も真左と左下を行ったり来たりしている。

でも、声を掛けても視線は全く合わず追視もない。

転院先の病院に着くと、母は検査にまわされた。

その後、院長先生からその検査結果と病状説明があった。

母の左脳はCTで大部分が黒く壊死していた。破裂した脳動脈瘤の大きさ、破裂した場所、破裂の勢い、回数…すべてが厳しい条件だった。脳の全体がダメージを受けている。最重症度だったでしょう…と院長も、口にした。

それから、心電図の波形も正常ではないと。

でも、もう治療のために入院しにきたわけてはないのでね。母を預けました。

まだ痰吸引が3-4時間毎にあるらしい。

今思えば、死なせてあげたほうが良かったでしょう。でも、そんな決断が出来る状況は無かったと思います。急なことで、私達は気丈に振る舞ってはいるけれど、本心は違います。

62歳、日々パートに行き、庭では家庭菜園、猫の世話をして、図書館に新刊の予約もしていました。

寝たきりの母を受け止めることもできぬまま、家族は治療の決断を迫られます。医師は、命を助けるのが仕事です。

母は月21万円の医療療養病院に入院しました。

1年経てば252万、5年経てば1260万です。