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ふたつのあい / 紅と藍

七十二候「紅花栄(べにばなさかう)
暦の上では、紅花の花が咲きほこる頃。


紅花栽培が盛んな山形県

〈最上紅花(もがみべにばな)〉と云われる程、紅花の栽培が盛んで、県花(1982年〜)にもなった山形県。紅花の花弁から取れる染料。口紅の元にもなる、紅(くれない)の色素。色素は紅と黄の二種。飛鳥時代にシルクロードを辿ってやってきた紅花は、室町時代末期に最上地方で盛んに栽培されるようになったそうです。へぇ。


『オンライン公民館』

福岡県久留米の友人たちがはじめたオンライン上での公民館。ラジオでもないテレビでもない朝から晩まで参加自由な公民館。バラエティに富んだ企画が目白押し。山形にいるぼくは、東京の友人と一緒に遊びに行ってきました。

family ties〉という番組を、子どもたち主演・おとなのぼくらがコンダクターという構成で、毎月1回ゆるゆるお届け中。自由すぎて、聴いているおとなたちが溶けていく♪


〈カスリトーーーク! 〉

久留米絣(くるめがすり)を紹介する企画がありました。
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伝統工芸品でもある久留米絣の歴史や成り立ち、それにまつわるエピソードを織り交ぜクイズに出して慣れ親しんでもらおうという企画でした。企画をした友人は、一度は衰退してしまった藍栽培と絣に、一般の人でも身につけられるようなデザインを施したり、大学生と一緒に〈久留米絣のファッションショー〉を開催したり、伝統工芸だけではない久留米絣の魅力を全国に広めています。
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久留米絣は、〈括り/くくり〉と呼ばれる技法で染め上げる筑後地方(福岡県南部)に伝わる特徴のある綿織物。染めに使う染料は〈藍〉。


「明治に入り中国産の安価な紅花の輸入や化学染料の普及などにより日本の紅花栽培も衰退


明治期に大陸から輸入された染料や合成染料などを用いるようになり、紅花栽培は衰退した。そう、実は山形で盛んな紅花栽培は、久留米絣に欠かせない藍栽培と同じような変遷を経て、今の時代に残っているものだということを知りました。

ぼくは藍や紅花、久留米絣や紅花つむぎ(紅花で染めた絹織物)の専門ではないけど、たまたま見つけた共通する地域文化を友人知人におすそ分けすることで、伝承されてきたもの同士の交流をデザインできたらいいなぁと思っています。

久留米と山形では友人知人に恵まれて、どこにいてもこれからも、ふたつのあいを大切したいと思います。


【二藍 / ふたあい】紅色で染めた上から、重ねて藍で染めた色。青みがかった赤紫。

ほら!
もうすでに、山形(紅)と久留米(藍)は一緒にデザインされていたでしょう?!


オンライン公民館は、毎週日曜日に開館することになりました。久留米や山形のみならず、地域や人の交流がオンラインを超えてはじまっています。


藍、当時は染料の総称
呉藍の和名を〈久礼乃阿為くれのあい〉と云う。のちに漢名の紅藍・紅花があてられた。呉国(中国)から伝えられた藍という意味で、くれのあい、くれあい、そして紅の字に。
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末摘花(すえつむはな)、紅藍(べにあい)、久礼奈為(くれない)、呉藍(くれのあい)は、紅花(べにばな)の古称。