<番外編>今の話。

何かかきたい。何か生み出したいと思うが行動に移せない。
つまり今、何もやる気が起きない。(だから元カレの話も更新していない…)


なんでなんだろうと思って考えていたが、わたしは結局、追い詰められないと何事も始められないらしい。
勉強、ピアノ、サックス、ジャズ、精神分析学、美術、映画学…と今までにいくつかのカルチャーや学問に触れて頑張ってきたが、そのどれもが「やらないと居場所がなくなるから」という一種の強迫観念によるものだった。


やらないと居場所がなくなる、だからやる(しかない)

なんともかわいそうな動機だなと自分でも思う。誰もが情報の送信者に慣れる今、誰もが明日スターになれる可能性を秘めている今、「○○が好きだから」「○○が面白いと思うから」という突き抜ける主観で動けないのはとてつもなくネガだ。これは私の持論だが、今一番力を持っているインフルエンサーやYou Tuberは自分が好きなものを貫いた結果ああいう成功を収めているんでしょ?(知らんけど)糸井重里も言ってたよ、このインターネット的世界戦で、発信力をもつものだけが勝つって。(多分だけど)

まあ、ともかくこういう受動的な理由でしか動けない自分はかわいそうだなと思うわけです。強迫観念だけで頑張ってきた私は、やはり「好き」とか「○○したい!」だとかの自分だけの、かけがえのない欲望にまっすぐに向き合う人に対して勝てないなと思う。現に社会人になってから、自分より学歴も低い、学生時代何やってたかわからない、けど強い意志だけはある奴らが自分よりも評価されている。社会はなんて不平等なんでしょう。私、学生時代はまじめにやってきたんだけどなあ。


「人の欲望は他者の欲望である」Byラカン

かの有名な精神分析学者、ジャック・ラカンの名言に上記のものがあるけど本当にその通り。わたしの欲望は他者の欲望。他者にこう思われたいから頑張る。わたしをつくるのはいつだって他者。実際に私が今まで頑張ってきたことの動機をまとめてみました。

勉強:みんなに褒められたいから頑張る→国立のそこそこ大学に入学。
サックス:部長になっちゃったからとりあえず頑張る→全国大会になんとか出場。
ピアノ:母親が喜ぶから頑張る。友達に自慢できるから頑張る(当時クラスでピアノ弾ける人が少なかった)→ショパンとかベートーヴェンとか弾けるそこそこのレベルに。
精神分析学:ゼミで居場所がなくなるから頑張る→ちょっと詳しいくらいのレベルに。
映画学:ゼミで居場所がなくなるから頑張る→ちょっと詳しいくらいのレベルに。

なんとまあちっぽけな動機だろう。我ながら情けなくなってきた。わたしは他者に自分の立場を追い詰められないとできないらしい。というか他者のためだ、と考えないとできないらしい。「私がやりたいから」「私が好きだから」の「私」しかない動機だと、はじまらないしはじまっても続かない。だから他者に頼って何かを始めて、その何かを鍛錬するしかない。常に他者ありき。他者のため。こういうと美談のように聞こえますが結局は自分がないだけ。でも、他者のための動機でもいいじゃないか。はじめられることがあるなら。と思ったそこのあなた。違うんですこれには問題点があるんです。


①結果を出せたとしてもそこそこ

さっき書いたように結果を出せたとしてもそこそこな。正直他者ありきのスタートなのでその他者にある程度認められるというステップをクリアしてしまうと私のやる気は続かなくなってしまう。残念ながら、他者ありきの動機で始まってそのうち自分でもわからないくらいにのめりこんで…っていうケースはほぼない。そこそこの結果が出せて他者にある程度認められたら、まあこんなもんか…となって頑張ることを忘れてしまう。くそですね。おそらくわたしはバクマンの漫画家の天才型と計算型の理論でいうと計算型よりなのでしょう。まあ成功しませんね。(って自分が努力しろって話ですが)

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※ちなみに圧倒的計算型のシュージンは圧倒的に努力します。でもそれは漫画でてっぺんをとりたいという強い欲望があるからです。わたしにはそれが圧倒的にないです。

②他者ありきの動機はその他者が現れないと一向にうまれない

当たり前ですが、他者ありきで始まったのはその他者に認められると終わるわけです。そして、次の何か新しいことを始める動機は対象となる他者がいないと始まりません。つまりは今はわたしはその状態なのですね。わたしを追い詰める他者がいない。だから何も始められない。何もやる気が起きない…。なんて責任転嫁だ!と思われるかもしれませんが、前述したようにわたしはこの方法でしかやったことがないんです。それ以外のやり方できないんです。だれか自分中心の世界で意のままに動くやり方教えてください。

③自分の好きのものを好きだ!と大声で言えない

他者に追い詰められた末に学んだあれこれは、一応まあまあの時間を費やしてきたので、趣味はなんですか?とか好きなものはなんですか?などの質問で候補に上がるようになります。
映画かな…サックスかな…と思いはするんですが、そこから突っ込まれたら困ってしまいます、




とまあ、ここまでがわたしが就職活動を終え、あとは入社式を迎えるだけのニート期間に書いていた物語。実際のところ就職してみると、上記のようなことを考える暇はなくて(根本は変わってないんだけど)ただの社畜、給料をどうすれば上げられるかを考える機械となっております(これはこれで当時ほど他者主義っぽくなくて好き)。

今読み返すと恥ずかしながらも当時にしか生まれない貴重なものだったことなと思ったのでここに残しておく。あがいててえらかったね。


2022.8.8 東京の病室より

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