バイのFtMなので母子手帳の問題提起でキレてる人にキレた。

今日こんな記事を見ました。
https://www.asahi.com/articles/ASP7D5FLXP7DULEI002.html


さいたま市の三神市議が中心となって提案したこの議題がネットで波紋を呼んでいた。何故か悪い感じで。
私はFtM、最近聞かなくなったが所謂オナベってやつだ。
その自分から見てこの記事を批判している人たちにかなりの違和感を感じた。正確に言えばタイトル通りキレた。

私は記者でも完璧超人でもないので間違った事を書いてたりもするだろう。
もしもあなたがイラッとしたら「そういう風に考える人もいるよね」と、読むのを中断して欲しい。
そしてこれはFtMやトランスの総意ではない。
あくまでその界隈にいる一個人の考えである事は留意していただきたい。

親子手帳へ名称変更するメリットは作れる


母子手帳とは母子健康手帳のことで、母子の健康を記すもののようだ。
妊娠時の母子の状態や体重などの変遷、ワクチン接種に関することなどが書かれている。
ネットの情報によれば、割引などのチケットとやらもついてる事があるらしい。

「母子の健康の事を書くのに親子手帳に名称を変更することは馬鹿げている」というのが反対派の主な主張。
「これは女性のもの!男に奪わせてたまるか!」といった風にとれる意見もあった。
ジェンダーアイデンティティは必要なものではあるが、それを使って他人を殴る人もいるのでジェンダーの話は難しい。

話を戻します。
「割引チケットが付いてるなら父親も使うよね?」
という疑問はここでは横に置いておく。
私が言いたいのはそこではない。

母子の健康状態を記すなら、父親のワクチン接種歴も同時に書き込めたら良いのではないか?と、思ったからだ。

いつだったか麻疹が問題になった時に男性のワクチン接種率が極端に少ないことがニュースになっていた。
「親としての自覚が足りない」などと非難されていたのを覚えている。

だがどうだろう、もし親子手帳に父親のワクチン接種歴を書き込めたら当事者意識が少しは湧きやすいんではないだろうか。
子どもの為に何のワクチンを打てば良いかという確認もしやすい。
私なんかじゃなく専門家が考えたら、父母子で書いておいた方が良いものはたくさんあるだろう。
「まだ分厚くする気か!」と言われそうだが、そのへんはデジタル化も含めて政治家に言って欲しい。あくまで提案です。

さらに、親子手帳って名前だったら役所なども男女問わずに対応しやすいだろう。
記事にあるような「お母さんとお越しください」と父親に言う傾向が減る可能性は十分にある。

無論すぐには無理だと思う。
だが、スチュワーデスもいつしかキャビンアテンダントになった。
多くはなくとも男性の客室乗務員を見かけるようになった。

政治の変革とはそういうところからあっても良いと私は思っている。

子どもを生みたいトランスは本当にいるのか


基本的には上に書いたように、やり方を変えたらみんなハッピーになるかもねってのが自分の一番上位の意見です。
そしてここから先は感情の話なので、参考意見として微妙だと思う。が、ついでに吐き出す。これは私の澱なので無理に分かろうとする必要はない。

トランスと言うと多くの人は「性自認が体と異性な人」を想像するだろう。
だが、トランスはあくまでグラデーションの一部で、性自認が一致している人たちと地続きだったりする。
そも性自認とは、男女でグラデーションだったり、無性側にグラデーションだったりする。日によって違う人もいる。
トランスはその中で「性自認が体の性と一致していない人」を指す。
世論の動きにかなり左右されるので、性別を明確にカテゴライズするのは不可能だと知っていていただけると有難い。

「LGBとTは別」という意見は(当事者なので)よく見るが、こういった事からTの中でも完璧に互いを理解するのは難しい。
そこにLGBが絡むのでもっと複雑になる。
そしてそんな中には、女性の体で生まれ、男性や中性、無性として生きながら、男性と結婚する人も居る。

相手との子どもは欲しい。
でも自分を女性とは思えない。
そういう人がこの社会に居る。

私はほぼ男性として生きている。
しかも特定の相手を作る気がさらさら無い。
だから彼らの本当の苦しさを知っているかといえば、知らない。
あくまで、ちょっと喋ったことがある程度。
知ってるカップルはたった1組だけ。長年の友人でもない。
あとはネットでチラッと見たことがあるだけ。

でも私もバイなので男性を愛したことがあった。
その時にもしも子どもを授かり、「母」子手帳を渡されたら、

きっと泣き叫ぶ。
「親になりたんであって、母親にはなりたくない」
「社会が存在を全否定してくる」
「子どもが欲しいだけなのに」
と。

これらが想像に難くないので特定の相手を作らないというのもあるだろう。
もしかしたら私も、この社会から選択肢を奪われた1人なのかも知れない。

生きるのしんどいよね


この大SNS時代において叩くなって言う方が難しいと思っている。
政治家だから叩きたい人も居るし、その新聞社だから叩きたい人も居るだろう。因みに私はそういう人も居て良いと思っている。
だがそうではなく、夫への不満が溜まってて見えた意見に賛同しちゃった人も居るだろう。
そんな男が身近に居たら「何もしない男が!!苦労も知らないくせに!!」ってなるのは普通だと思う。

だからせめて、叩いた後に自分の意見だけは見返して欲しい。
「仮に親子手帳に名称を変更した時に自分に降りかかるデメリットは何か」
「なぜこの男性は疎外感を感じたのか」
「私はこれの何に腹が立っているのか」
自分の意見を切り分けた時、言葉に出来ずとも少し見えるものがあると思う。
とくに3つ目は、今回に限らず怒りを感じた時に使いまわしが出来るので知ってると便利だと思う。

私も政治にはムカついている。頬を引っ叩きたい事が山程ある。
ホルモンの保険適用とかホルモンの保険適用とかホルモンの保険適用とか。
「それ、今すぐ必要ないよね?」と、後回しにされて15年経った。
それでも政治家擁護みたいなものを書いたのは、この国が良くなればいいなと思ったから・・・なんて、綺麗ごとではない。
澱である。
とどのつまり、これを書いてる私も叩いている人たちと根幹は一緒なのです。
政治家もFtMも、ただの人。
今日はそれだけ覚えてください。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。
これらはどこかの誰かの一意見であり、誰かの感情を潰してでも貫きたい主張では無いことは分かっていて欲しい。
あくまで「そういう風に考える人もいるよね」です。