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#36...管理会計からの脱炭素経営

今、私が勤めている会社では、サステナビリティ経営を推進しようとしています。
その中で、私には脱炭素経営の基盤を作ることを役割としていただくことができました。
これまで、管理会計をメインに仕事をしてきて、自身の伸び代に課題を感じていた中で、良いテーマと巡り会えたと思います。
管理会計畑の方々が、キャリアをジャンプアップさせることにもつながる可能性を感じたので、自身の取り組みを今回整理してみます。


脱炭素経営の狙い

私なりの理解です。
以前のnoteにもまとめたものの、改めて今の世界の状況を見返すと、空前の環境保護の流れが来ていると思います。
地球温暖化は人類の経済活動により進んでいることが明らかとなり、このままでは2100年近くには相応の痛みを伴う環境変化するが訪れることも認識され、この状況を変えるべく、世界各国が2030年には温室効果ガスの排出量を半減し、2050年には実質ゼロにしようとしています。

これに向けて、企業はまずは環境に優しい製品やサービス、はたまた温室効果ガスを吸収するような技術などを考え始めていると思います。
ただ、そういう活動の前に、そもそも自分の会社から排出している量を把握しておかないと、半分に減らすことやゼロにすることもままなりません。

そのために、排出量の現在を把握して、目標を立てて、実際の削減活動をして、結果どれくらい減ったのかを追跡していく。そういった排出量を減らしていくためのプロセスを炭素会計というのだと思います。
一般的な会計のように、今いくら売り上げて、そのためにいくら支出して、結果いくら稼げたのかを把握して、将来的にここまで利益を増やしていきたいなという目標を追いかけるのと、何ら変わらない仕組みだと理解しました。

そういう意味では、これまで社内で管理会計をしてきた自分としては、今回の炭素会計というテーマは、非常に親和性が高いと思います。
また、何よりもこの活動を通じて社会貢献にも繋がることは明らかですから、自身のモチベーションにもなりますし、社内の協力も得やすい(ビジネスチャンスにもなり得る活動だから)と思います。

管理会計をしてきて、これから先のキャリアやビジネス寄りのことに挑戦してみたいという場合には、炭素会計を一つ視野に入れてみるといいと思います。

まず初めにやること

とにもかくにも、まず初めに何をしますか?
これについては、自社の排出量を具体的に把握することと言えます。
どうやって把握するか、というとこれも非常にシンプルな考え方です。

活動量✖️原単位(排出量への換算係数と理解すればいいものです)

この単純な掛け算をしていくことが求められます。
ただし、適当に活動量や原単位を定めれば良いわけではなく、それらにはある程度の正確性が求められます。

活動量は、『活動の種類』と『量の測り方』という2つの基準があります。
これらを定めているのがGHGプロトコルと呼ばれるルールと私は理解しています。

自社を取り巻く一連のサプライチェーン全体で、どういった活動の種類があるのかを決めています。
また、量の測り方も、正確に測れる場合と、正確には測れない場合とでどのように考えるべきか、整理してくれています。

また、原単位は環境省が発表しているデータベースを無料で使用させていただけるので、活動量✖️原単位で排出量を把握するのは意外と簡単です。
(現状をとりあえず粗く把握するなら、という意味です)

改めて、炭素会計に取り組む上で最初にすべきことは、排出量を把握すること、ですね。
ちなみに、炭素会計アドバイザーという民間の資格があり、その勉強を通して、基礎的なことを知ることが出来ます。
私の場合は排出量の把握時点では、ツール導入と合わせてコンサルティングをお願いしていたので特に勉強せずとも問題はありませんでした。
ただ、学んでおけば独力でも把握可能と思います。

落とし穴になりそうなこと

排出量把握のコンサルティングを受ける時に、「排出量の把握目的を決めてください」という依頼をいただきました。
これが、最初は何を言ってるのか全く理解ができませんでした。


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