会社のトップラインを上げるための仕入再販売

会社のトップラインを上げて、多少なりとも利益の絶対額を増やすために、仕入再販売を取り扱うことがあります。
今回は、仕入再販売する上で注意しておくべき点を整理しておきたいと思います。

1.利益率

自社製品を製造して販売することと、他社製品を仕入れて再販売するのとでは、仕入れ価格にもよりますが高い利益率を期待することはできません。
同じようなことを考える他社がいた場合、仕入再販売というだけでは、どうしても価格競争になるからです。
自分たちの会社のビジネスを俯瞰した時に、どのプロダクトでどれだけの利益を生み出すのか、ということを中長期的に考えておく必要があります。

2.契約

通常、他社から仕入れて再販売するものについては、売主である自社はあまり責任を負わずに済むように仕入れ先との契約を結びます。
また、顧客と自社の間では、売り渡したものに対する責任については、仕入先になる旨を契約にまとめるとおまいます。
この考え方は、自社を効率的に運営するためには必要なことと思います。ただ、この契約の仕方で会社の狙いが正しく実現できるのか、よく考える必要があると思っています。

何が言いたいかと言うと、仕入れた金額に自社の利益を上積みした総額を、自社の売上としたいのかどうかが契約に影響されるからです。

3.収益認識会計基準

収益認識会計基準では、取引の本人か代理人かのどちらになるかで、売上の額が総額になるかどうかが決まります。
そのため、仕入再販売のビジネスについては、ビジネスのカタチの作り方を間違えると、総額での売上ができなくなり、当初見込んだトップラインの上積みにならないことが起こりえます。

顧客との取引において、自社がどんな義務を負うのか、契約の中でどのように整理するのか、がポイントになります。

私の経験上、契約を作る側は、会計のことをあまり意識せずに作っていくので、この内容では利益部分しか売上にできない、ということが起こります。ビジネスの立ち上げや、契約の建て付けの際には、会計担当も巻き込むと確実だと思います。

会社が正しく成長するためには、経理や会計担当をビジネス企画の現場に立たせることが必要です。
ただ、得てして経理パーソンの大半は、出てきたものに対して判断すると言うリアクティブな性質を持っています。
経理部門が扱う仕事の大半が、リアクティブなものなので、そう言う性質の人が向いているものの、会社が伸びる時にはプロアクティブに動けるように、バランスよく育てていく必要があります。

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