秋が来た日の夜

秋が来た。


いつの間にかセミの鳴き声は消えさり、

いまは虫たちの宴の演奏が美しい。


秋が来た日の夜。

大切な人が見つけてくれた。

わたしの大きな引っかかりの大元を。


思わず天を仰ぐ。

夜空に竹林がゆれ、

その先に

その先に

見えた。

光が。


こんな場所から

星が見えるなんて初めて知った。

少しひんやりした秋風が頰に当たる。

わたしはまるで森の中にいるかのような

そんな錯覚に陥った。

こんな都会の端っこで。


一点の光を見つけた

秋の夜長。

わたしは

わたしの

道をゆく。

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