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保育ド素人が放課後デイでバイトして「まほう」をもらった話。

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これは僕が子供たちからもらった、世界で最も尊い「たからもの」のお話。 2019年8月、アニメ映画監督に夢破れた僕は放課後等デイサービスでアルバイトを始める。自分に足りない何かを… もっと読む
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保育ド素人が児童福祉施設で働いて、大成功したあと大失敗した話。

僕と子供たちの 世界一小さいけど、世界一大切な 誰も知らないものがたり。 どうもです! 当記事に興味を持って頂き、本当にありがとうございます。 カネザキユウタと申します。 普段は重度訪問介護や、児童福祉施設で働いています。子どもたちに自作紙芝居の読み聞かせイベントを開催したり、漫画やイラスト、エッセイを書いたり、オンラインサロン等で交流会を開いたり、参加したりしています。 今回はみなさんに、とっても大切お話をさせてください。 みなさんにとって、自分はどんな人間ですか?

まとめ

以上が、誰も知らない僕のものがたり。ほんの一かけらのものがたり。 正直、傲慢の塊です。多方に大変な迷惑をかけてしまいました。もっと他の選択肢もあったんじゃないかと、悔やむこともあります。でも、限界までやり尽くしたことは確かです。 もっと強くならなきゃいけない。 成長しなければいけないと思いました。 人は環境によって、如何様にも変わってしまいます。 生きてる意味がないと思わせることもできれば、自分は大切なんだ!と思わせることも可能なはず。それは子供も大人も何ら変わらないで

4話「まほう」

「もう会えない。」 そんな現実に気づいたのは、メールを送ってから約一週間後のことだった。 放デイをやめたあと、僕は狂ったようにいろんなことを始めた。 YouTubeに動画を色々投稿してみたり、ブログを一新したり、新しいブログを作ったり、アフェリエイト始めてみたり、スポーツジムに通い出したり。 思い返してみれば全部、現実逃避でしかない。 無理だと思った。 俺は人間社会に向いてないと思った。 迷惑かけてしまうと思った。 僕は一人で生きると決めた。 もう保育なんて絶

3話「突然のわかれ」

最後の約束をよく覚えている。 「来週、僕のともだちを紹介するね!」 帰り際、僕は恐竜のぬいぐるみをチラ見せしてそう言った。 先週コウタ君が、家族である白い恐竜のぬいぐるみを僕に見せてくれたから。 何かお返しをしたかった。 コウタ君は、僕と両手を繋いで「うん!」と満足げに頷いた。 でもそれは結局、叶うことは無かった。 それは放デイに勤務して2ヶ月をすぎた、雨の日だった。 時刻は11時過ぎ。12時が出勤時間なのに、体が重くて動かない。 世界がよどんだ灰色に見えた。 行

2話「親友になったコウタ君」

バイト初日はどうなるかと、火に飛び込む覚悟でのぞんだ。 だけど子供達は僕を温かく迎えてくれて、心底ホッとした。 僕の仕事内容はあってないようなものだ。12時に出勤して、子供達が送迎から帰ってくるまで掃除や下準備など。15時くらいに子供達が集まってからは嵐のように時間が過ぎる。 そして17時にみんな車に乗せられ帰る。バイトの僕もその時帰る。 多分これはどの施設もあるあるだろう。検温して、宿題見ながら連絡帳書いて。一緒に遊んで見守って。これじゃあ、療育の「り」の字も無いなと正

1話「放課後等デイサービス始める」

僕は2020年11月ごろに、放課後等デイサービスを突然辞めた。 お別れもできず。約束も守ることができず。 なぜそんなことになったのだろうか。 思い返せばすべてのはじまりは、3ヶ月前のあの日だった。 「このままじゃ終わる。」 7月の初夏、僕は布団の中で1人絶望していた。 当時の僕は、アニメ映画監督を目指して何年も活動していた。だけどもう満身創痍。 体に大穴が空いたような謎の孤独感、恐怖感、空虚感に襲われ、何を描いても記号になった。 絵の技術ではない。 根本的に、