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脳神経は交叉するのか?

 こんにちは、すい@医学生です。
 今回は前回の続きとして脳神経についてまとめノートを作ったので、メモしておきます。

 前回の記事はこちら

1.脳神経は交叉するのか?

 脳神経がどういった分布になっているかを紹介します。
 そもそも脳神経は末梢神経扱いになります。(ただし、嗅神経と視神経は中枢神経扱いのことが多い)
 肝心の交叉するかどうかについては、

 大脳皮質
→脳幹で交叉(交叉せず降りてくる神経もあり)
→脳神経に乗り換える
→筋肉などへ

 という流れになるため、脳神経も中枢部分では交叉しているということになります。
 前回の話にもあるのですが、脳神経においても左右の情報の統合が必要なため感覚神経も運動神経も交叉しています。
 そして、運動にまつわる脳神経は錐体路などの運動神経が集まる内側に、感覚は外側に集まる傾向があるようです。

 まずは大雑把に
  ・脳神経は末梢神経で錐体路とは別
  ・脳神経は中枢部分で交叉するものが多い

 と覚えましょう。

2.顔面神経

 顔面神経は医学生として特に覚えておきたい脳神経の代表です。
 顔面神経の働きとしては、

 ①涙腺分泌
 ②舌下腺・顎下腺の分泌(耳下腺は通りすがり)
 ③アブミ骨筋の支配
 ④味覚
 ⑤表情筋の支配

 の5つがあり、よく試験で聞かれます。①はそのまんまで、②の耳下腺は舌咽神経が支配しています。
 ③については、アブミ骨筋鼓膜張筋は、耳小骨筋反射(大きな音を聞いた時に、内耳が障害されないように収縮して音が伝わりづらくする)に関わっています。
 なお、鼓膜張筋は顔面の感覚を司る三叉神経支配です。
 ④の味覚については、

舌咽神経(舌後1/3)、顔面神経の鼓索神経(舌前2/3)、迷走神経(咽頭、喉頭)、顔面神経の大錐体神経(軟口蓋)

 となっており、顔面神経は舌前2/3と軟口蓋で関わっています。

 ⑤の表情筋支配については、少し厄介で、顔の上半分の中枢部分では交叉する部分としない部分があります。
 一方、下半分では交叉する部分のみがあります。
 したがって、中枢部分で障害されると下1/4だけ障害されます。なお、交叉した後の末梢部分で障害される場合は、病側の顔半分が神経麻痺になります。
 ややこしいので、原理はすっ飛ばして、中枢性障害では顔の下半分、末梢性障害では顔の上下両方とも障害されると覚える方がラクだと思います。


顔面神経麻痺の障害部位

3.脳神経の働き

 最後にそれぞれの脳神経が運動・感覚・自律に関わっているかについてです。
 有名なゴロ合わせとしては、

 運動5点、感覚3点、自律2点とすると、
  1 嗅神経   3
  2 視神経   3
  3 動眼神経  7
  4 滑車神経  5
  5 三叉神経  8
  6 外転神経  5
  7 顔面神経  10
  8 内耳神経  3
  9 舌咽神経  10
  10 迷走神経  10
  11 副神経   5
  12 舌下神経  5

 となります。この点数を
 「さーさー名古屋の後藤さんとうとう午後」で覚えます。

 注目したいのは、
 Ⅳ、Ⅵ、Ⅻ、Ⅺ(覚え方:運動(運動神経)会では、し(4)ろ(6)はいつ(12)もいい(11))が5点の運動神経のみである点と
 副交感神経成分のある神経がⅢ、Ⅶ、Ⅹ、Ⅸ(覚え方:服交換してミナトク)である点です。Ⅲ以外は10点であることも覚えておくと楽に問題が解けます。

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