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わたしの中であらわしたいの嵐が吹きすさぶ夜に

「あなたの文章、面白いよ。何か書いたらいいよ。」と声をかけられたから、書こうと思った。noteという場所で。

そう言葉をくれたのは上司で、大学の先生だった。
「教授って変わっているよね~」とよく言われるけれど、その人もご多分に漏れず変わった人だ。そしてその人だけではなくうちの先生はみな、おのおの面白い方向に変わっている。
でも、彼らの「変わっている部分」はいつも私の救いでもあった。

わたしはうまく馴染めなかった。1番近くで働く人たちに。同じ場所ではあるものの先生たちはわたしの仕事の仕方やわたしの発想をとても大切にしてくれた。でも、それを部署の人たちの元へ持ち帰るといつも面倒そうな顔をされるのだった。
わたしの判断は合理的だと思ったし、課題を解決するものだと思ってたし、それにかかる負担はわたしが被ってもそのあとはお釣りが来るような類だと思ってた。でも、受け入れられることはなかった。難しい。
そうやって海底の砂に揺蕩う波に足を取られ続けるような日々にいつしか抗うことをやめて、とぷんと全て沈み込ませることにした。なにも感じないで、流されるままになるように。
でもそんなふうにしても息苦しさで水から体を起こさなくちゃいけない。はー呼吸が必要なんだった。って感じ。
水から上がって息を、人間らしいことをすると、理解することも理解されることも難しい今に今度は胸が締め付けられる。どうにもこうにも息ができなくなった時、「変わった人たち」の扉を叩いた。
彼らは忙しいだろうに、ずっとわたしの話に耳を傾けてくれた。解決を求めると唯一の答えとしてくれるのでなく、うまくいくかもしれない可能性の1つとして、様々な方策を一緒に考えてくれた。それぞれのもつ突き抜けた何かやわたしの持ってない目線から何が見えるかを教えてくれた。柔らかな手助け。
帰る頃には、わたしは息ができていた。海の底に沈み込みたいなんて思わなかった。まぁその後も沈み込むと息をするを繰り返し続けたんだけど。

わたしは今いる場所を一年経たずに去る。
本当であれば、もっと早くに離れるはずだった。
離れたとしてもきっと「あなたの文章好きだよ」って言ってくれたことはずっと忘れないだろう。

これから先に何になるかもわたしの中になかったし、それを伝えてたし、ちょっと面白がっている響きでもあったから何気ない言葉だったのだと思うけど。それでもわたしがあれこれ考えたことや逡巡した先にしたためたことの全てを柔らかく肯定してもらったような気がしたから、すごく嬉しかった。

学生の頃から、何かを読んだり、何かを観たり、何かを体験したりすることは大好きで。
もっというと、様々な何かに触れてインプットしたものたちが、わたしの中で練られて、どこかしらを化学変化のように変えていく感覚がたまらなく好きなんだと思う。
だからこれからも悩むたびに、何かに揺らぐたびに、突き動かされるような感情が湧くたびに、その瞬間を捉え続けようと思う。

身の回りのことはいつもままならない。答えも見つからない。しょうがないから、記録しておく。

.......
ここまで書いてたものの、最後の一口は残しておくタイプ過ぎて、すっかり温めたままにしていた。

今は思ったよりも早く離れて、会社員になった。目まぐるしい変化にあわあわしながら今度は海面で波乗りしている毎日って感じ。
こんなにも締め付けられてたのね…って他人事のように見れるほど距離は取れてないけど、あの時より息がしやすい。新しいこともやりたいし、後押ししてくれる上司もいる。

書いてることは結構助けになるんだなぁってこともあった。

ということで、「最も個人的なことが最もクリエイティブなことだ」とどこかの監督が感銘を受けたとスピーチで話したように、わたしのちっちゃなちっちゃな想いを書き残して、わたしをクリエイトしようと思う。

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