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かんぴょう巻に代わるかんぴょうの新しい食べ方を、勘だけで見つける
はじめに
はじめまして。金岡マコトと申します。
突然ですが、皆さんにクイズです。これは何でしょうか?
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拷問を受けた一反木綿ではありません。少し難しすぎたかもしれませんね。
では、これならどうでしょうか。
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もうお分かりでしょう。干瓢(かんぴょう)です。
干瓢は、ユウガオ(ウリ科ヒョウタン属の1年生のツル性草木)の果肉を薄く細長くむいて乾燥させた食品のこと。 栃木県の生産地では、ユウガオの果実は通称「ふくべ」と呼ばれる。
その甘じょっぱい味と独特の食感や栄養価の高さ、瓢箪(ひょうたん)を干して作っているから干瓢(かんぴょう)というシンプルすぎるネーミングなど、多くの魅力を持つかんぴょう。愛嬌だけで就活を乗り切れるタイプですね。
そんなかんぴょうの代表的な食べ方といえば、やはりかんぴょう巻ではないでしょうか。
皆さんも、一度はお寿司屋さんなどでかんぴょう巻を食べたことがあると思います。かんぴょう巻はいいですよね。高い店でも安い店でも同じ味がするから。
しかし、私はこう思うのです。
かんぴょうってさ……
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確かにかんぴょう巻はかんぴょうの代表的な食べ方ですし、海苔・酢飯・かんぴょうが三位一体となって織り成すかんぴょう巻の味わいはこの世の「真理」そのものですが、あまりにも「かんぴょうといえばかんぴょう巻」というイメージが社会に定着しすぎて、冒険する意欲を失ってしまっているようにも感じます。
我々も、かんぴょうも。
かんぴょう巻を否定するつもりはありません。
しかし、いつまでも過去の栄光にすがり続けて、変化することから逃げていていいのでしょうか?
我々は、かんぴょう巻に代わる新たなかんぴょうの可能性を探るべきなのではないでしょうか?
私はずっとそんなことを考えていました。そして、思考を重ねるうちにある一つの結論に辿り着いたのです。
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というわけで、ここからは料理経験の全くない人間が勘で考えたかんぴょうの新しいレシピを、料理経験の全くない人間が勘で実演していきます。
この後紹介するレシピやそれに付随するアドバイスなどは全て適当ですので、適当に読み流してくだされば幸いです。
やるぞ!!!!!!
下準備
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というわけで、乾燥かんぴょうを大量に(80g)用意しました。
しかしこのままでは料理に使えないため、まずは下準備をしていきます。もちろんここも勘です。
行きたい人は今のうちにお手洗いなどを済ませておいてください。もうここからトイレ休憩ないからね。
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まずは乾燥かんぴょうを袋から出して、たっぷりの水で煮ます。こうすることでかんぴょうが柔らかくなり、味付けがしやすくなります。たぶん。
ちなみに、袋から出したての乾燥かんぴょうは畳を酸っぱくしたような匂いがします。この春から暮らしを始めて実家の畳が恋しくなった方は、部屋の床に乾燥かんぴょうを敷き詰めてみてください。敷金がパーになります。
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かんぴょうを煮ている間に、味付けに使う調味液を作ります。
材料はしょう油・みりん・砂糖。分量は全て適当です。
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先ほど「分量は全て適当」と言いましたが、材料をひとつのボウルに入れて混ぜた段階で、しょう油の匂いしかしなくなってしまいました。
やっぱりある程度量を決めてから入れた方がよかったなと思いましたが、先に進みます。
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そうこうしている間に、かんぴょうが煮えてきました。
体感的にはおよそ30分ほど煮ていたでしょうか。ごめん、まだトイレ休憩あったわ。
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かんぴょうを鍋から出して、水気をしぼって切ります。この時、かんぴょうが死ぬほど熱いので気をつけましょう。私は一度流水で冷やしました。
水気をしぼるために水をぶっかけるという、マッチポンプのお手本のような行動です。全国の親御さんは子供に「マッチポンプってなに?」と聞かれたら「かんぴょうの水気をしぼるために水をぶっかけることだよ」と教えてあげてください。
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かんぴょうの水気を切ったら、別の鍋に先ほど作った調味液を入れてまた煮ていきます。
と思ったら、鍋の大きさに対して調味液の量が少なすぎたため、煮るというより炒める感じになってしまいました。
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あっという間に調味液が蒸発してしまったので、ここでかんぴょう完成とします。
「かんぴょうってこんな色薄かったっけ?」と思いましたが、勘でやっている私にどうこう言う権利はありません。
これをベースにして、ここからかんぴょうの新しい食べ方を全部勘で見つけたいと思います!
※なお、ここからは美味しさの度合いなどを可視化するため、各料理に点数をつけることとします。対象となる料理の皆さんにはご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどお願い致します。
①かんぴょう巻
いきなりタイトル詐欺で申し訳ありません。
ですが、どんなジャンルであれどイノベーション(変革)を起こすためには、まず現在の状況を見てその問題点を指摘するべきです。
なので、まずは現在最もポピュラーな食べ方である「かんぴょう巻」を作ることで、現在のかんぴょう界が抱える問題点を見つけたいと思います。
俗に言う「ロジカルシンキング」というやつです。皆さんも、友達に悩み相談をされたときにやってみてください。嫌われます。
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〈材料〉
・かんぴょう(下準備を済ませておく)ー食べたいだけ
・白米ー食べたいだけ
・海苔ー食べたいだけ
・お酢ー常識の範囲内(酸っぱいのが苦手な人は入れなくてもいいかもしれません。でもその人は自分が寿司食うのに向いてないことを自覚して生きてください)
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まずは白米を用意します。もちろんこのために炊いても構いませんが、今回は家の冷凍庫に余った白米があったので、それをレンチンして使いました。実家暮らしだとこういうとき強いです。年金も払ってくれてるし。
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その間に、かんぴょうを切っておきます。初めて知ったのですが、味付けがされてない状態で売っている乾燥かんぴょうは袋の中でめちゃくちゃ折り畳まれているので、料理に使う前に1度切る必要があります。
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かんぴょうを切っています。
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かんぴょうを切り終えました。勘でやってるとはいえひどい出来栄え。
私がかんぴょう巻職人に弟子入りしてたら折檻の末破門にされるところですが、私はかんぴょう巻職人の弟子ではないので無事ですみました。こういう時、かんぴょう巻職人に弟子入りしてなくて本当によかったと思います。
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かんぴょうを切っていたら白米のレンチンが終わりました。
これを丼に移してお酢をかけ、よく混ぜます。これで酢飯は完成です。
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あとは簡単です。海苔を用意して、
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酢飯を適当に敷き詰めて、
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酢飯の上にかんぴょうを適当に乗せて、いい感じに巻いたら……。
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完成です!!!
さっそく切って、断面を確認してみましょう。
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ぐぐぐ……
ぱかっ
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え!?
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なにこれ?
なんということでしょう。全部勘でかんぴょう巻を作っただけなのに、とんでもない化け物が出来上がってしまいました。いや、全部勘でやったからなんだけど。
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先ほどのフリー素材のかんぴょう巻と比べると、その差は歴然です。
恐らく、かんぴょうを酢飯の上に分散させて置いたことが原因だと思われます。フリー素材の方はかんぴょうが中央にまとまっているので綺麗に見えるわけですね。
しかし、料理において最も大切なのは味です。どんなに見た目が悪くても、味が良ければオールオッケーのはずです。
早速食べて、その味を確認してみましょう。
いただきます。
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うん。普通。
見た目に反して、味は意外なほど普通でした。材料や工程は一般的なかんぴょう巻と変わりないので、そりゃそうだと言えばそうなんですが。
ただ、あまりにも見た目が悪すぎる。高校の生物の授業で実験に使ったブタの心臓(中に墨汁を通して血液が巡るルートを確かめるやつ)に似ています。
手もベタベタになるし、いいところがまるで見当たらない一品でした。先ほど「かんぴょう界の問題点を指摘する」と言っていましたが、おそらく問題があるのはかんぴょうではなく、私です。
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余談ですが、調理を始めた段階で海苔が1枚しか残っていなかったためにかんぴょうと酢飯が余ってしまい、結果的にこのような最悪丼(どんぶり)を食うことになりました。
思春期の晩飯にこんなん出されたら一撃で家出してたと思います。お母さん、あの時ノープランでかんぴょう巻を作ろうとしてくれなくてありがとう。
ということで、かんぴょう巻の点数はこちら。
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基準点とはいえトップバッターがかなりの低評価という、波乱の幕開けになりました。談志師匠ですらハリガネロックに70点つけたのに。
果たして、この評価を上回る料理は現れるのでしょうか。現れてくれなきゃ困るんだけど。
②かんぴょう炒め
次はかんぴょうを炒めてみたいと思います。かんぴょうはどちらかというと素朴な味の料理に使われる印象がありますが、今回はジャンクな味を目指してみます。
これで美味かったら大発見なので、特許申請を視野に入れています。安易にパクれないようにしてやる。
〈材料〉
・かんぴょう(下準備を済ませておく)ー食べたいだけ
・サラダ油ー適量(オリーブオイルなどでも代用可)
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まずはフライパンにサラダ油を敷きます。この時卵焼き用のフライパンを使うと、使う油が少なくて済みます。
ある程度フライパンに油がまわったら、かんぴょうを投入しましょう。
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じゅっ
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あっっぢっっっっっ!!!!!!!
この時、かんぴょうの水気をよくしぼっていないと油がとんでもなく跳ねて火傷をする可能性がありますので、気をつけてください。
菜箸で混ぜながらかんぴょうを炒めていくと、だんだんかんぴょうから水分が抜けてカラカラになってきます。
先ほど大量の水を使ってかんぴょうを戻したことを考えると、「無駄」という2文字が脳裏にちらつきますが、気にせず炒め続けます。
ある程度炒めてかんぴょうから水分が抜け、焦げ目がついたら皿に移して……。
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完成です!!!
見た目は細切れチャーシューに似ています。全然別の料理になっちゃったけど、美味しそう。
これで味がかんぴょう巻超えなら文句なしなのですが、果たして……。
いただきます。
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あ、美味い。
美味いです。少なくともかんぴょう巻は超えた。
ですが、何か足りない気がするので、ちょっと冷蔵庫を漁ってみます。
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マヨネーズと一味唐辛子を見つけたので、一味マヨにして食べてみます。
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たっぷりとつけて……
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美味い!!!!!!
全体的にかんぴょうの歯ごたえが増したのと、焦げ目という新たな要素が加わったことで、とても面白い食感になりました。また、一味マヨが加わったことで、完全に「酒のアテ」になって美味みがブーストされました。
かなり味が濃くてしょっぱいので、焼酎や日本酒などのアテにするのが良さそうです。焼酎や日本酒を飲んだことがないので、トンチンカンなアドバイスをしていたらすみません。
ただし、下準備の段階で味を染み込ませすぎると、炒める時に水分を抜きづらくなるので、下準備では味付けを薄めにし、炒める段階で香り付けがてら味付けをした方がよさそうです。
勘で料理すると、こういう知見も得られるんですね。
ということで、かんぴょう炒めの点数はこちら。
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見事かんぴょう巻を超える食べ方を見つけることができました。めでたいですね。
実はこの後、かんぴょうを揚げる「かんぴょう素揚げ」というものを作ろうと思っていたのですが、あまりにもこのかんぴょう炒めが美味しすぎて、素揚げに使おうとしてた分も全部炒めて食べてしまいました。
皆さんも是非試してみてください。特許申請が通ったら権利者として金をむしりに行きます。
③ざるかんぴょう
続いてはかなりチャレンジングな料理です。
というのも、味付けする前のかんぴょうを見ていたら「きしめんみたいな見た目だし、啜って食えるのでは?」と思ったのです。
なので、あえて味付けをせず、生(き)の状態のかんぴょうを麺類の要領で啜って食べてみたいと思います。
〈材料〉
・かんぴょう(煮て冷ましておく)ー食べたいだけ
・めんつゆー適量(濃さは各自で調節してください)
・薬味ーお好みのものを適量
・塩ー少々(なくても可)
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まずは煮たかんぴょうを用意します。本来はここから味付けをするのですが、今回はあえてこのまま食べます。
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かんぴょうに塩を振っています。
この後めんつゆにつけて食べるのに塩なんか必要なのかという声が聞こえてきますが、全部勘でやってますのでほっといてください。どうせ食うの俺だし。
あとはめんつゆと薬味を用意すれば……。
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完成です!!!
あっという間に完成してしまいました。簡単すぎる。夏の食卓にざるそばやそうめんがやたらと出る理由が分かりますね。
これで美味しければ先人(そば・うどん・そうめん)たちと並び、夏の食卓でレギュラー化すること間違いなしですが……。
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まずはめんつゆにつけず、素で食べてみます。見た目は完全にきしめんですが、味はどうだ……?
いただきます。
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は??????????
しばらくの間、脳が「理解」することをやめてしまいましたが、何口か食べてようやく理解できました。 なるほど、これダメなやつだ。
なぜダメなのかを、以下で説明します。
まず、前述したように乾燥かんぴょうはめちゃくちゃ長い状態で梱包されています。
本来は煮た後、食べやすい長さに切るなどの工程を踏むべきなのですが、私は煮た後、塩を振る以外の工程を全てすっ飛ばして食べてしまったのです。
水分を含んだかんぴょうは弾力があるので、途中で噛み切るのも至難の技です。結果として、私は1本につきおよそ3m(目測)ほどあるかんぴょうを一息で啜る羽目になったのです。
かんぴょうサイドも啜って食べられるなんて想定してないからめちゃくちゃ啜りづらいし、途中で食べるのをやめようと思うと喉の奥からかんぴょうを引っ張り出さなくてはならず、非常に気持ち悪い。
味は大根みたいな感じで食べられなくはなかったのですが、なによりもかんぴょうの食べにくさが際立ってしまいました。
食べ物を一口食べた後、「食いたくね〜」と思ったのは初めてです。
ということで、ざるかんぴょうの点数はこちら。
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めんつゆのことを「万能調味料」と表現する人がいますが、万能調味料をもってしてもかんぴょうの食べにくさはカバーできなかったようです。本来はめんつゆを使った段階で美味しさは確定してるようなもんなのに。食べにくさのデバフってすごい。
かんぴょうをめんつゆに漬けたまま数時間放置すれば味も変化するのかもしれませんが、そうすると「ざるかんぴょう」という料理のコンセプトが揺らいでしまうので、今回は見送りました。暇で、かんぴょうを喉の奥から引っ張り出す体験がしてみたい方は試してみてください。
④かんぴょう卵焼き
続いては卵料理です。
世の中にはうなぎを卵で巻いて焼いた「う巻き」という料理がありますが、これのうなぎのパートをかんぴょうに変えたらどうなるのか、試してみたいと思います。
※ちなみに、ここで先ほど作った味付きかんぴょうが尽きたので、一度新しく作り直しています。
かなり味付けを濃くして作ったので、審査基準などが変動する可能性がありますが、何卒ご容赦ください。
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〈材料〉
・かんぴょう(下準備を済ませておく)ー食べたいだけ(ただし、あまりにも量が多すぎると卵が巻きにくくなる可能性があります)
・卵ー2個(これしかなかった)
・砂糖ー適量
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まずはボウルに卵を割り入れ、砂糖を加えます。ここでなぜ砂糖を入れるのかは定かではありません。
全部勘でやってるので、入れなくても別にいいと思います。
次は卵をかき混ぜます。
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ある程度混ざったらフライパンに油を敷き、その中に溶いた卵を投入します。
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卵の外側が焼けて固まってきたら、あらかじめ味付けして切っておいたかんぴょうを投入します。
先ほどのかんぴょう巻の教訓を活かして、今回は中央あたりにまとめておきましょう。
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さらに焼いていきます。卵が固まって「卵焼きっぽくなってきたな〜」と思ったら、卵をひっくり返す用意をします。
この時、フライ返しを使うとひっくり返しやすいです。お持ちでない方は是非お店で購入して使ってください。近所にそういうお店がない方はスコップか学校の掃除で使うほうき(ただし新品に限る)でもギリ代用できます。
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それっ!!!!
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成功!!!!!!
無事にひっくり返せました。卵焼きが手前に来てるので、「ひっくり返す」というよりは「寄せる」というのが正しい気がしますが、ともあれうまくいったので次に進みます。
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卵が焼けたら、一口大に切って皿に移して……
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完成です!!!
見た目はフレンチトーストの落第生みたいですが、味がよければ特進クラスにも入れるはずです。
味がよければ、ですが……。
いただきます。
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おっ!!!???
ちょっとびっくりしてしまったので、もう一口食べてみます。
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これは!!!!!!!!!!
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すみません。あまりにも美味かったので、思わずかんぴょう神(しん)を降臨させてしまいました。そんな予定なかったのに。
いや、本当に美味い!!!!!ありがとうございます!!!!!!!!!
卵そのものにあまり味が付いていないので、かんぴょうの美味みをダイレクトに感じることができます。まさか勘でやった味付けが功を奏する日が来るとは思いもしませんでした。
また、新しく作ったかんぴょうに濃いめの味付けを施したことで、中のかんぴょうがジューシーに仕上がりました。「かんぴょうがジューシー???」と思った方は一度試してみてください。こればっかりはマジ。
ということで、かんぴょう卵焼きの点数はこちら。
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我ながらモンスター級のレシピを生み出してしまったと感じています。本気で店出そうかな……。
と思ってたら、ほとんど同じレシピがインターネットにありました。なんというリサーチ不足。
細かい材料やかんぴょうの入れ方などに違いはありますが、実践される際は是非上のレシピを参考にしていただきたいと思います。オリジンを敬え。
⑤かんぴょうアイス
いよいよ最後のレシピとなりました。最後はデザートに挑戦します。
世の中にはラム酒に漬けたレーズンが入ったアイスがありますが、このレーズンの部分をしょう油とみりんに漬けたかんぴょうに変えても、甘じょっぱくておいしいアイスが出来上がるのではないでしょうか?
試してみたいと思います。
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〈材料〉
・かんぴょう(下準備を済ませておく)ー少々
・バニラアイスー1個
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まずはかんぴょうをみじん切りにします。みじん切りの質はその人が持つやるせない感情の量に比例するので、みじん切りをする前は胸糞悪い内容の映画とかを見て、そのやるせなさを包丁に込めるといいです。「ミッドサマー」とかおすすめ。
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みじん切りにしたかんぴょうを器に入れます。
この日は全然胸糞悪い気分じゃなかったので、だいぶ荒めのみじん切りになりました。
味には大差ないので、これでも大丈夫だと思います。「ミッドサマー」見たことないし。
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かんぴょうのみじん切りが出来たら、バニラアイスを用意します。
今回はスーパーカップを使いました。スーパーカップって、なんであんなに量が入ってるのに安いんでしょうか。本当に牛乳使ってる?
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アイスをスプーンですくいます。この時、アイスが冷凍庫から出したてだと「コンクリートほじくってんのか?」と思うほど硬いので、かんぴょうをみじん切りする前のタイミングで冷凍庫から出して、少しだけ溶かしておくことをおすすめします。
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先ほどかんぴょうを入れた器の中に、アイスを投入します。1すくいだと少ないので、4~5すくいほど入れた方がバランスは良いと思いますが、もっと入れても問題はありません。料理人よ、自由であれ。
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アイスを十分な量入れたら、よくかき混ぜて……。
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完成です!!!
見た目は雪の積もった枯れ木みたいですが、味は果たして……
いただきます。
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ちょっと意味が分からなかったので、もう一口食べてみます。
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??????????????????
流石にこれだけだと読んでる方も意味が分からないと思うので、何が起こったかなるべく詳細に説明します。自分でも何が起こったかは分かってないけど。
まず、口に入れた瞬間に広がるのはバニラアイスの甘みです。ここまではいいのですが、中に入っているかんぴょうの食感に期待して口の中のアイスを噛むと、「にちゃっ」というなんとも奇天烈な歯ごたえを感じます。
そして、さらに噛んでいくとかんぴょうからしょう油の塩味がしみ出し、バニラアイスの甘みを全て打ち消しながら口の中を侵食していきます。後に残るのは塩味だけ。
後で調べてみたところ、「バニラアイスにしょう油をかける」というレシピは普通に存在するのですが、どのレシピでも「アイスにしょう油をかけた後、よく混ぜる」という点をキモにしています。
今回のかんぴょうアイスもよく混ぜはしたのですが、口の中でかんぴょうを噛むことでしょう油が登場するという構成にしてしまったので、アイスとしょう油のマリアージュが生まれるより早くアイスが溶けてしまい、最終的にしょう油の塩味だけが残ってしまったわけですね。
仲の悪い二人のことを表す「犬猿の仲」ということわざがありますが、今度からは類義語として「バニラアイスかんぴょうの仲」ということわざが広まっていくように、邁進していきたいと思います。
ということで、かんぴょうアイスの点数はこちら。
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ちなみに、一口食べた後に口の中に残る塩味を消すためには普通のバニラアイスを二口食べるのが効果的だということが分かったので、家でバニラアイスが余ってて処理に困っているという方は試してみてください。普通に食った方がいいです。
おわりに
いかがだったでしょうか。ここまで5品の新しいかんぴょうレシピを、全部勘だけで作ってきました。
中にはとんでもない大失敗作もありましたが、同時に光るものもあったように思います。かんぴょうはまだまだ未知の可能性を持っているということが少しでも伝われば幸いです。かんぴょう炒めと卵焼きはマジでおすすめ。
あと、私は今まで料理をしたことがほとんどなかったのですが、料理って意外と勘だけでもできるもんですね。この記事を通して、料理初心者の皆さんが抱える「料理」に対するハードルが少しでも下がればそれもまた幸いです。
最後に、皆さんに声を大にして伝えたいメッセージがあるので、それをお贈りして〆とさせていただきます。
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それでは、また。
※この記事は「オモコロ杯2022」に応募したものです。
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