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10年10万kmストーリー

一台のクルマに長く乗り続ける人々のルポルタージュ。自動車ライター金子浩久が全国に出掛け、クルマ好きの喜怒哀楽を共有する。
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#スバル

10年10万kmストーリー 第78回 スバル・アルシオーネSVX バージョンL(1992年型) 29年15万2000km

10年10万kmストーリー 第78回 スバル・アルシオーネSVX バージョンL(1992年型) 29年15万2000km

 大きな公園の駐車場に駐められていたスバル・アルシオーネSVX(以下、SVX)は遠くからでもすぐにそれとわかった。周囲のミニバンやSUVなどとは較べものにならないほどの強い存在感を放っていたからだ。

 最近は、あまり実車を見ることがなくなってしまったけれども、そのSVXは記憶と少し違っているように見えた。近寄ってみると、フロント部分が前下がりになっている。あと、たしかトランクフードが黒だったはず

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10年10万kmストーリー 第66回 スバル・インプレッサ・スポーツワゴン STi(2001年型) 20年18万5400km

10年10万kmストーリー 第66回 スバル・インプレッサ・スポーツワゴン STi(2001年型) 20年18万5400km

 少し前までのスバルは、勇ましいエンジン排気音を響かせていたから、遠くから走ってきてもすぐにわかった。
 ブロロロロ〜ッ。
 ブロロロロ〜ッ。
 それも2000年代の三菱ランサー・エヴォリューションとパワー競争を激しく繰り広げていた頃のインプレッサでは、なおさらだった。
 そんなインプレッサ・スポーツワゴン、それも金色のホイールを履いたStiを以前からときどき見掛けていた。同じクルマだということが

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10年10万kmストーリー 第46回 スバル・インプレッサ 1.6-L(2008年型) 12年22万3000km スバリストではないスバル愛好家

10年10万kmストーリー 第46回 スバル・インプレッサ 1.6-L(2008年型) 12年22万3000km スバリストではないスバル愛好家

 スバル・インプレッサに12年22万3000km乗り続けている長野県在住の男性からEメールをもらった。その内容に、ニヤリとさせられてしまった。
『私が生まれた当時、父は“ホンダ命”だったそうです。私の名前は父の一存で迷うことなく、本田宗一郎さんからもらい、さらに創造性豊かな人間になって欲しいとのことで“創”の字になったようです』
 僕の知り合いにも、ソウイチロウさんが何人かいる。
『私が社会人にな

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10年10万kmストーリー 第36回 スバル・インプレッサWRX Type-RA(1998年型)20年25万9000km 愛はどこに行くのか?

10年10万kmストーリー 第36回 スバル・インプレッサWRX Type-RA(1998年型)20年25万9000km 愛はどこに行くのか?



 最近のクルマには、運転支援機能が次々と装備されてきている。
 代表的なところでは、ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)だろう。高速道路や自動車専用道で前方を走るクルマとの車間距離を一定に保ちながら追走していくことができる。
 長距離を走り続けたり、渋滞に巻き込まれてしまった時に、ACCはとても助かる。僕は自分のクルマだけではなく、ACCが装備されたクルマを運転する時には必ず活用してい

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10年10万kmストーリー 第13回 スバル・レオーネ ツーリングワゴン 1.8 4WD(1983年型)32年16万km「雪道でチェーンを巻いたことは一度もありませんし、スタックしたこともありません。動けなくなったクルマを救い出したことは何度もありますよ」

10年10万kmストーリー 第13回 スバル・レオーネ ツーリングワゴン 1.8 4WD(1983年型)32年16万km「雪道でチェーンを巻いたことは一度もありませんし、スタックしたこともありません。動けなくなったクルマを救い出したことは何度もありますよ」



 スキーに夢中になっていた頃は、往復の移動時間をいかに少なくするか苦心していた。一本でも多く滑るためには、それしか術がないからだ。都心に住んで、休日に雪山に向かうわけだから、早朝や深夜にクルマを走らせて、1分でも長くゲレンデに居る時間を絞り出したい。
 以前は、現在ほど高速道路網も完備されていなかったから、途中で一般道に降りて、延々と走り続けなければならなかった。早朝や深夜だと除雪作業も行き届

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10年10万kmストーリー 第6回 スバル・レガシィTS-R(1994年型)22年13万7000km    等身大で向き合うこと

10年10万kmストーリー 第6回 スバル・レガシィTS-R(1994年型)22年13万7000km 等身大で向き合うこと

 初対面の挨拶もそこそこにスバル・レガシィの助手席に乗せてもらうと、車内がキレイなのに驚かされた。
 新車から22年13万7000kmも乗っているのに、長く乗り続けた痕跡が見当たらないのだ。

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