『ロック』

ある所に、ロックという石がいた。
ロックは、夏は周りの熱を吸収して、冬は熱を放出していた。
ロックの周りは、夏は涼しく、冬は暖かかった。

すると気づけば、
ロックの周りには、ダンゴムシやミミズなどの生き物が集まっていた。

ダンゴムシやミミズは、ロックの周りで枯葉を食べてフンをすることで、
栄養たっぷりの土を作った。

すると気づけば、
ダンゴムシやミミズが集まっているのに気づいたトカゲやカエルが、
ロックの周りに棲みついた。

すると気づけば、
トカゲやカエルを食べる為に、蛇やイタチがロックの近くに棲みついた。
ロックの周りはいろいろな生き物が集まる場となっていた。

すると気づけば、
栄養たっぷりの土がロックの周りに作られたことで、
ロックの周りにはいろいろな植物が育つようになった。

すると気づけば、
ロックの周りには綺麗な花々、虫たちが集まるようになっていた。
いろいろな植物を食べる虫、花の蜜に集まる蜂や蝶。

ロックの周りは更に栄養たっぷりの黒い土ができた。

すると気づけば、
黒い土は、栄養を吸着しやすい団粒構造になっているので、
ロックの周りの水を濾過した。

すると気づけば、
ロックの周りには、綺麗な川が流れるようになった。

すると気づけば、
ロックの周りを魚が泳ぐようになった。

すると気づけば、
ロックの周りには魚を食べる生き物も集まるようになった。

すると気づけば、
ロックの周りの川沿いにヒトが住むようになった。

すると気づけば、
ヒトは、ロックのことを“神“と呼んだ。

すると気づけば、
ヒトは、ロックを使って道や建物を作るようになり、そこを“都市“と呼んだ。

すると気づけば、
ロックの周りはヒトだけとなり、生き物も土も水も無くなった。

すると気づけば、
ロックの周りからヒトはいなくなった。

すると気づけば、
ロックの中に、ヒトが作ったプラスチックがいた。

すると気づけば、
ロックは、新たな星の石となっていた。

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