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【レポート】熱闘!ダブルヘッダー

(この記事は4月22日、緊急事態宣言発出前に取材したものです)

今季、さわかみ関西独立リーグは2季ぶりにダブルヘッダーを採用した。
2019年に行われたダブルヘッダーは各球団1試合ずつ行うものだったが、今回は同一カードを2試合行うというものだ。

ルールはこちらを参照していただきたい。


ダブルヘッダー開催日は、両試合とも延長戦は実施しません(9回打ち切り)。
球場事情による時間制限
臨時措置として、試合に制限時刻を設ける場合があります。その場合、制限時刻を迎えた時点で継続中のイニングの終了をもって試合を打ち切ります。
制限時刻を設けた試合では、球場の場内アナウンスにてその旨をお知らせします。

今回は4月22日の黒田庄ふれあいスタジアムでは2試合とも延長なし、その上で1試合目は12時30分まで、2試合目は16時30分までの時間制限がアナウンスされた。

9:10 到着

黒田庄ふれあいスタジアムは相変わらず緑に包まれていた。
そんなのどかな山々をよそに両チームが慌ただしく準備をしていた。素振りをしたり、グラウンドの両脇で両チームがアップやノックを行ったりと、いつもとは違う試合前の光景だった。

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神戸三田ブレイバーズ・橋本監督は「練習試合とかで2試合やるのはあるけど、公式戦では初めて」と話したうえで「1試合目に勝たないと2試合目に響きそうなので、1試合目が大事になる」と話した。

一方06ブルズ桜井広大監督は「1日2試合は阪神にいた時に親子ゲームとか鳴尾浜でデーゲームしてから甲子園のナイターに移動したりは何度もあった」と言い「この世の中の状況で2試合できることが幸せなんですよ。大変とかそういうものじゃないんですよ」と語った。

9:50 プレイボール

定刻通りにプレイボールがかかった。初回は神戸三田の紺野大介、ブルズの中村雅友と両者無失点に抑えるが、2回表、ブルズが怒涛の攻撃を見せる。

先頭の千原和希が四球、この日登録された石田並己が四球で出塁すると、一死後栗本皐生、虎弥太、堅木康生が連続タイムリー。高山健太のヒットの後、二死後さらに孫入優希、千原、石田とタイムリーが飛び出し、いきなり8点を先制。

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(登録後即スタメンで活躍した石田)

しかし神戸三田も3回に神吉亮太の犠牲フライで1点を返す。
5回表に高山のタイムリーでブルズがさらに追加点で突き放すが、5回裏に、再び神戸三田が神吉のタイムリー、さらに柏木寿志の3ランホームランで4点を返す。この時点で9対5。なかなかに先の見えない展開になってきた。

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(打った瞬間の完璧な当たり。打ったあとはこのポーズ)

この展開になるとバックが慌ただしくなる。ブルズは野井優星が、神戸三田も來間孔志朗、大津直希、中村巴瑠、山科颯太郎らが投球練習を始めた。

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(グラウンドの展開を確認する山科颯太郎投手)

お互いに点を取りあう展開が続き、5対10で迎えた8回裏。神戸三田は仲瀬貴啓の死球、田渕航平のヒットでチャンスを作ると、途中出場の関アンディがタイムリーを放ち2点を返した。この時点で12時22分。さらに続く梶木翔馬が粘った末に四球。一発出れば同点の場面だったが、神吉はライトフライに抑えられた。時間は12時28分。12時30分まであと2分だったが9回に進むことになった。

結果9回表にブルズが3点を追加。9回裏を楢原健汰が抑え、スコアは7-13。試合終了時刻は12時44分だった。これを受けて2試合目は13時30分から行われることになった。

1試合目の詳細はこちら


12:45 インターバル

選手や監督は昼食を取ったり、調整をしたり、ベンチ外の選手たちで整備を行っていた。

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(走る2戦目の先発、井阪功大)

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(いわゆるモグモグタイム)

橋本監督も桜井監督もランチをとりながら次の試合の事を考えていた。投手起用はあらかじめ決まっていた部分はあったと思うが、両チーム1試合目から打順を組み替えていた。

13:30 2試合目

2試合目は神戸三田が式田悠生、ブルズが井阪功大。淡々と両投手が抑えていき、今度は試合のペースも早い。

均衡を破ったのは神戸三田。四球のランナーを進め、田渕が犠牲フライを放ち先制。

続く明光竜之介がライト前に安打を放つも、ブルズ佐藤蓮が好返球。ホームタッチアウトとなり、最少失点で抑えた。

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(ブルズ・佐藤の好返球でホームタッチアウト)

式田は8回途中まで投げ1失点。ブルズは1点差まで詰め寄るも、神戸三田は8回裏にアンディのホームランなどで2点を追加。試合はそのまま4-1で神戸三田が勝利した。

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2試合目の詳細はこちら


選手たちの感想

「あのムードを式田が切ってくれたからよかった。式田は(先発の調整の関係上)入りの時間が遅かったから1試合目のムードとかがわからないまま試合に入ったと思うけど、逆にそれがよかったのかもなぁ」と橋本監督が振り返った。

一方、ブルズの広報、あいきゃんさんは「動画を撮って、ツイートして、動画を編集して…とかなりバタバタしてました。2試合分だったので疲れました…」とぐったりしていた。

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(メモを取る谷口GM(左)、ツイートをするあいきゃんさん(右)、試合を見守る桜井監督)

ブルズの堅木は「疲れたー!!!」と一言。栗本も同じく「2試合ってしんどい…」とポツリ。

ただ「だらけた1試合よりも今日みたいな2試合の方が楽かなぁ」と堅木が話した。

佐藤は「1試合目を見て、桜井監督が打順を下げたほうが気負わず打てるんじゃないかと思ってくださってみたいで、2試合目のタイムリーにつながったのかなと思います」と、采配面での切り替えの効果を実感していた。

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(打順変更効果が出たのか結果も出た佐藤)

ホームランを打った神戸三田・柏木も「すんなり次の試合に切り替えられました」と話していた。2試合目ではヒットは出なかったが、守備でいいプレーを見せた。

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(軽快に打球を捌く柏木)

投手はどうだったか。神戸三田・來間孔志朗投手は「1試合目からいつ出番があるかわからなかったので、様子を見ながらブルペンに行ったり、体動かすために走ったり…」とあまり落ち着かなかったようだ。

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(一打同点の場面で登板し無失点に抑えた來間)

ただ、おおよその選手は「45分の間に軽食をしたりして切り替えることができた」ということだった。

2試合続けて観戦した感想

不思議と「2試合通して長い」とは思わなかった。1試合目は中盤からハラハラする展開となり、2試合目は式田、井阪の両投手の好投や両チームの好守で締まった試合だった。1日でホームランも2本出た。毛色の違う試合を2試合見れたのだから、総じて満足だ。

なお、この日、半袖で試合を見ていたのだが、しっかり日に焼けた。4月下旬とは言え、もちろん暑い。2試合とインターバルを合わせて6時間ほどの長丁場となるため、気温が高くなるこれからは、日陰に入ったり、こまめな水分補給をすることをおすすめしたい。(球場内の自動販売機は選手が使う場合もあるため、水分はあらかじめ購入することをおすすめしたい)

カメラをがっつり使う方は、SDカードとバッテリーに十分な余裕を持ってくること。また、スマートフォンが日に当たると高熱で動作が鈍くなるため、注意が必要だ。

緊急事態宣言が出たことで、試合が延期になった分も含め、今後もダブルヘッダーは続く。お越しの際は体調に十分お気をつけて、無理のないご観戦をお楽しみください。

今後の日程

その他ギャラリー

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(マウンドに集まるナインを見つめる調整中の内海皓太投手)

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(ファウルボールの回収のために崖を登る)

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(背番号22が2人…?! 実は左が松村慶太投手。右は孫入優希選手。孫入選手のユニフォームはよく見るとMATUMURAとなっており、Sがない)

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(なんか楽しそうに警笛を鳴らす二瓶洋輔選手)

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(これからバスで東大阪まで帰っていくブルズナイン)

(取材/写真 SAZZY)

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