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日本の大学に行きたい!

日本への憧れのきっかけは、アニメやJーPOPは基本ですよね。以前私が教えていた時に、日本の大学を希望したほとんどの子がそうでした。

先日会った高校1年生の知り合いの娘さんは、アニメのスラムダンクから始まって、今は歌手ではない歌い手という人(?)に憧れて、日本の大学に絶対に行きたいと思っています。

面白いなと思ったのは、彼女と話しているとただアニメや歌だけではなく、それらに含まれる「なんか」に惹かれてるんですね。その「なんか」は、世界にはなくて日本にしかない「なんか」なのです。

「それは例えば、音と音の間の『無音』の魅力みたいなものかな?」と私が聞いてみると、「そうそう~!そんな感じ~~!!!」と言いながら、それまで話してくれなかった歌い手Eveの話をしてくれました。

その歌い手Eveとは、ニコニコ動画出身の初音ミクの流れで出て来た人?で、機械音ではなく人(まだ実物が披露されてない)らしいので、今度コンサートがあるから見に行きたかったけど、すぐ完売して行けなかったとか。

もう私たちの時代とは、全く違う時代の流れがあるんだなぁ~と実感しつつ、この歌い手EveのYoutubeを見ながら、いろいろ考えさせられました。


そして以前教えていた時に解いた、ある大学の小論文試験の課題文が、頭の中に浮かんで来ました。先生モードになったからでしょうか(笑)

その課題文は当時の学生さんたちと一緒に討論しながら、とても興味深く解いた過去問題でした。

それは多分皆さんご存知の、安部公房の「良識派」です。(短いので、ここに張り付けておきますね。)


 イソップ物語やグリム童話は、人間と社会についてのあらゆる寓意に満ちている。社会のゆがみ、人間の傲慢や無知など。これに限らず、人は昔から直接的に表現することがはばかられることや、面とむかって言えないことを、巧みにたとえ話に託してきた。        昔は、ニワトリたちもまだ、自由だった。自由ではあったが、しかし原始的でもあった。たえずネコやイタチの危険におびえ、しばしばエサをさがしに遠くまで遠征しなければならなかった。ある日そこに人間がやってきて、しっかりした金網つきの家をたててやろうと申し出た。むろんニワトリたちは本能的に警戒した。すると人間は笑って言った。見なさい、私にはツメもなければ、イタチのようなキバもない。こんなに平和的な私を恐れるなど、全く理屈にあわないことだ。そう言われてみると、たしかにそのとおりである。決心しかねて、迷っているあいだに、人間はどんどんニワトリ小屋をたててしまった。
 ドアにはカギがかかっていた。いちいち人間の手をかりなくては、出入りも自由にはできないのだ。こんなところにはとても住めないとニワトリたちがいうのを聞いて、人間は笑って答えた。諸君が自由に開けられるようなドアなら、ネコにだって自由に開けられることだろう。なにも危険な外に、わざわざ出ていく必要もあるまい。エサのことなら私が毎日はこんできて、エサ箱をいつもいっぱいにしておいてあげることにしよう。
 一羽のニワトリが首をかしげ、どうも話がうますぎる、人間はわれわれの卵を盗み、殺して肉屋に売るつもりではないのだろうか? とんでもない、と人間は強い調子で答えた。私の誠意を信じてほしい。それよりも、そういう君こそ、ネコから金をもらったスパイではないのかね。
 これはニワトリたちの頭には少々むずかしすぎる問題だった。スパイの疑いをうけたニワトリは、そうであることが立証できないように、そうでないことも立証できなかったので、とうとう仲間はずれにされてしまった。けっきょく、人間があれほどいうのだから、一応は受け入れてみよう、もし、具合がわるければ話し合いで改めていけばよいという『良識派』が勝ちをしめ、ニワトリたちは自らオリの中に入っていったのである。
 その後のことは、もうだれもが知っているとおりのことだ。


いったい、ここでいう「人間」とは何で、「ニワトリ」とは何でしょうか?

そして「良識派」とは?


何となくそんなことを考えてみたい、初秋を感じる夜でした♡

拙い文章を読んで頂いて、ありがとうございました。 できればいつか、各国・各地域の地理を中心とした歴史をわかりやすく「絵本」に表現したい!と思ってます。皆さんのご支援は、絵本のステキな1ページとなるでしょう。ありがとうございます♡