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烏山頭ダムと八田與一

台湾には日本人の知らない、台湾の人たちから愛されている日本人がいます。

NHK大河ドラマ「西郷どん」の語り部である西田敏行が演じる「西郷菊次郎」も、その中の一人です。

https://www.nippon.com/ja/column/g00462/

また特に、台湾史の教科書にも載っている「八田與一」は、台湾の誇りでもあります。

実は台湾史の教科書は、ここ20年前に初めて創られました。

1997年の台湾で、大きな話題になった一つが、初めての台湾史教科書(国定)、つまり本書の登場である。
『初めて』というと日本人には意外かもしれないが、実は台湾の学校教育で、これまで『本国史』として教えるのは中国大陸の歴史だけだったのである(『本国地理』も同様)。
台湾の歴史といえば、せいぜい大陸史を語るに際し、必要に応じて若干触れる程度で、体系的には全く教えてこなかった。
何故なら戦後に大陸から移ってきた政権による統治下では、『中国化』という同化政策が推し進められ、台湾史などは一地方史に過ぎず、さらには同化政策に支障をきたしかねないとして、有害視すらされていたのだ。(台湾国民中学歴史教科書「認識台湾」の日本語翻訳版「台湾を知る」からの引用)


約20年前に台湾出身の李登輝総統のもと、民主化の流れの中で、初めて台湾史の教科書ができたのです。


その歴史教科書の、日本の統治政策についてこうありました。


台湾人に対する不平等待遇・警察政治・皇民化運動といった当時の政治の実相を、的確にポイントをおさえて書き綴っている。(略) 日本の功の面を覆い隠しては正しい歴史が見えてこないことを、良識的な研究者はかつての反日教育を通じて良く知っている。(略)功罪共に認める姿勢がみられる。(同上)


また「植民地経済」政策についても・・・

農業改革面で語られる嘉南大圳の給水路は、全長で中国の万里の長城をも凌ぐ、いわば台湾の誇りだが、これも従来教えられてこなかった。
これを設計、建設した日本人技師・八田與一の名が見えるが、台湾の建設に並々ならない情熱を注いできた日本人に、多くの台湾人が好感を抱いていることを、日本の人々にはぜひ知ってもらいたい。(同上)

   (☝烏山頭水庫と嘉南大圳の主な灌漑水路)


どこの国の何々人という以前に、一人のひとの人生として見た時に........

新しい土地を開拓開墾するその意志とその愛情があったからこそ、100年先を見据えて新しい技術を投入し、その土地を蘇らせていったといえるでしょう。

それは北海道開拓時の依田勉三中山久蔵や、韓国テグの水崎林太郎やソウルの浅川巧もそうだったし、時代を超えて、徳川家康の利根川の流れを変える東遷事業もしかりでした。


ちょうどその時、縄文時代のキーワード「再生」という単語が、生き生きと脳裏に浮かんで来ました。



「なに人」であるか以前に、「人として」どう生きるべきなのか........を、考えさせて頂きました。


何よりもそのことを、日本人の若い人たち約60人と、韓国や台湾の人たちと共有共感できたことが、本当に感動的でした~!


ありがとうございました~♡♡♡

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