見出し画像

敬老の日に、100歳になった人を祝う 実は老人の日

 今年2021年の敬老の日は、9月20日。「老人を敬愛し、長寿を祝う」とされる日。
 もともとは、9月15日が敬老の日だったのが、2003年より9月の第3月曜日となった。
 第3月曜日の敬老の日ではなく、9月15日に、100歳になった人に、内閣総理大臣から祝い状と記念品の銀杯が贈られることを知っている人がどれだけいるだろうか。
 また、どうしてできた日なのか。
 あまり知られていない。


 1947年、兵庫県の野間谷村で敬老会が始まった。老人をいたわろうというものだ。
 それが広がり、1950年、兵庫県は「としよりの日」を設けた。
 1951年、中央社会福祉協議会(現全国社会福祉協議会)が、9月15日を「としよりの日」と決める。ただの村の行事から、あっという間に全国的な動きになってしまっている。どういうやりとりがあったのだろう。

 1963年、老人福祉法で、9月15日が「老人の日」、9月15日~21日が「老人週間」と決まった。
 1966年、国民の祝日として「敬老の日」が誕生した。これは前述のように、もともとは9月15日だった。それがいつの間にか、ハッピーマンデーとかで月曜日に限定された。
 国民の祝日と、老人福祉法は別物なので、「敬老の日」とは別物で「老人の日」がある。老人の日は9月15日のままだ。こういう二重の設定になっている。


 老人福祉法では、「国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促す」ために「老人の日」を定め、昭和38年より、100歳を越える高齢者に祝い状と記念品を贈呈してきた。
 国の文書を書き写してみたが、なんともまわりくどく、わかりにくい文書だ。こういう法律の文書により、県や市が調査をする。100歳の人が何人いるか。そしてそれを、「老人の日」の9月15日に記者発表する。


 神戸市の調査によると、今年100歳になられた方は、大正10年4月1日~大正11年3月31日生まれの方。男性49名、女性429名、計478名の方となる(9月1日時点の調査)。神戸市だけでこれだけの方が今年100歳となる(と書いたのだが、今年の神戸市の調査は、9月18日時点でネットにアップされていないので、神戸市のみ令和2年度調査の人数。大正9年4月1日~大正10年3月31日生まれの方の数字となる)。
神戸新聞によると、今年100歳になられた方は、大正10年4月1日~大正11年3月31日生まれの方。男性76名、女性446名、計522名
 平成21年に100歳になられたのは267名。平成26年は338名。令和元年は412名。100歳になる人が毎年これだけ増えている。
 100歳以上の方(100歳含)は、平成21年に663名。平成26年は921名。令和元年は1,075名。
 今年は、男性134名、女性1,062名、計1,196名。(こちらも令和2年度調査の数字)
※神戸新聞では、今年男性159名、女性1,153名、計1,312名

 兵庫県の発表では、100歳以上は、男性572名、女性4,392名、計4,964名。(県と国は、9月15日、老人の日に記者発表しているので、令和3年度の数字。以下の太字の数字はすべて今年の数字)
 今年度100歳になる人(大正10年4月1日~大正11年3月31日生まれの方)は、男性239名、女性1,706名、計1,945名となる。

 厚生労働省(老健局高齢者支援課)の記者発表では、全国の「百歳高齢者表彰の対象者は43,633人」と見出しがついている。100歳の詳細は、男性5,770名、女性37,863名、計43,633名(海外在留邦人61名含)。
 100歳以上は、「住民基本台帳に基づく百歳以上の高齢者の総数は86,510人」という見出しもある(男性10,060名、女性76,450名)。
 老人福祉法が制定された昭和38年、100歳以上の高齢者は全国で153人。昭和56年に千人をこえ、平成10年に1万人をこえた。平成24年には5万人をこえ、今年は8万人をこえている。
 これだけの人が100歳以上の生活を送っているのだ。


 こういう数字を見ると、「老人」に対する考えも変わるのではないだろうか。男女の生命力の違いも痛感する。
 そして、日本の行く末についても考えなければと思うのではないだろうか。

 敬老の日に、そんなことも考えてみたい。


 数字を入れずに文章を作っていたので、後で数字を入れると、訂正だらけの、ちょっとなさけない文章になってしまいました。でも、敬老の日にあわせてアップしたかったので、不細工なまま出しています。
 神戸市の数字が出たら、書きかえます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?