まず受話器をとれ、時計を見よ、災害に備えよ
auの通信障害で混乱が起きた。ケータイが使えないので、電話をしようと公衆電話使おうとするが、今まで使ったことがないので、受話器をかけたままお金を入れている。おいおい、受話器をとってからお金を入れるのだ。
ケータイが使えないと困ることがたくさんある。
7月2日からのauの通信障害は86時間かかって全面復旧となった。
auは2015年7月にも通信障害があり、メールが使えなくなった。通信障害はauだけではない。2018年12月にはsoftbankが3060万回線に影響を与え、docomoは2021年10月に1000万人超に影響を与えている。
災害列島日本では、ケータイ会社のトラブルだけでなく、災害時にケータイやスマホが使えなくなる可能性が高い。充電がなくなったり電波が届かなくなったとき、公衆電話が頼りになる。災害時の緊急電話も設置される。避難訓練のように、公衆電話の使い方も練習しておかなければ、いざというときに困ってしまう。
AEDも、いざというときにどう使っていいかわからないから講習を受ける。ケータイやスマホの形の電話しか知らない若者に、災害時の電話の使い方を教えなければならない。
大人の社会ではなかなか学ぶ機会がない。学校で訓練をするのが一番だろう。こういうときに、みんなに学んでもらえる場として学校は役に立つ(逆に危険も多いけど)。
自然に帰ろうとキャンプが流行っても、便利グッズばかりで、本当に災害時のサバイバルに役に立つかどうかわからない知識しか学べない。
学校では、理科の実験で使うのでマッチは使える。ガスバーナーなどはすぐに火がつくが、マキには火をつけることができない。丸太に直接マッチの火をつけたってつくわけがない。子どもたちはそうする。マッチの火が燃えつきたら火自体が消える。マッチがあっても役に立たない。火の起こし方を学ばねばならない。
通信障害や災害だけじゃない。これも災害にはなるだろうが太陽フレアの問題もある。太陽の爆発、太陽フレアの大きなものが起きれば地球にも影響がある。コンピュータが使えなくなり飛行機が飛ばなくなったり、スマホが使えなくなったりするらしい。
核攻撃をしなくとも、大気圏で核爆発を起こさせれば(電磁パルス攻撃)、スマホもコンピュータも使えなくなる。使えなくなったらどうなるか。auの障害だけでもこれだけ困ったのだ。
我々はAIに囲まれた社会で生活し、便利になれてしまっている。そういえば電話番号も覚えていない。自分のケータイ番号も知らない。知らないけど使っている。
災害時にやっと公衆電話を見つけて電話しようと思っても、自宅の電話番号を覚えていない。公衆電話の使い方を何度も練習していても、肝心の番号がわからない。昔は電話番号は覚えていたのに、今は覚えようともしない自分がいる。
今の子に関しては、時計も読めない。今の子に時計といえば、デジタルで数字が出るもの。長針と短針の時計は単なる飾りでしかない(小学校2年で勉強しているけど、なかなか覚えられない)。
今の子はお金も使えない。親がキャッシュレスで支払いをしている。だからお金を見ることもない。お札や100円玉、500円玉は見て知っていても、案外50円玉を見たことがないという子もいる。
災害時にスマホが使えなくなったらどうするのだろう。町の柱時計は読めない。お金は持っていないし、持っていてもどう使えばいいかわからない。一見無駄なような時計の読み方や、お金の使い方も、災害列島ではいつ必要になるかわからない。今の楽で自由な生活が、いつまで続くかわからない。
教育は、「生きる力」を身につけさせようとする。生きる力は考え方だけではない。
子どもたちには具体的な生きる力も身につけさせたい。
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