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体育座り「つらい」腰痛原因、ほんまかいな

 ちょっと前、「体育座り『つらい』腰痛原因」というニュースが話題となった。

 体育座りは、日本だけのもので、内臓を圧迫し、腰痛を引き起こしているとのこと。
 そのニュースの1週間後くらいにワイドナショーでやっていた。えらい遅いニュースやなと思ったけど、さらに私が数週間遅れの記事を書いている。これじゃnewsじゃなくてoldsだなと思うけど、new、new、newと新しいことばかり追いかけていて、大事なことをそれっきりにしてしまうのもおかしい。と言い訳をしながらこの文章を書いていく。


 体育座りが腰痛を引き起こしている根拠として、国際医学技術専門学校の理学療法士の調査(2014年)で、小学校から高校の男女939人の12.7%に腰痛があり、座った時に痛みを訴えるのが66.4%で、そのうち体育座り時に痛みを感じたのが52.3%だったという。
 えっ、これが体育座りが腰痛の原因の根拠。体育座りをしたから腰痛になったことになるわけなのか。
 体育座りをした時に痛みを感じる子が何人かいるのはわかるが、体育座りが原因だという根拠にはならないだろう。ただ体育座りが苦しい体勢だということがわかるだけだろう。腰痛の原因かどうかはわからない。それに、66.4%が全体の数字か12.7%の中の数字かわかりにくいし、66.4%のうちの52.3%となると、全体の何%になるのだろう。30%くらいかな。52.3%という数字だけをボンと出されたらびびるが、実際は何人になるのだろう。


 日本独自の体育座りは、1965年に文部省(現文科省=文部科学省)が、学習指導要領の解説書「集団行動指導の手引き」で、「腰をおろして休む姿勢」として写真で紹介してから広がったそうだ。
 すぐに全国的になるわけではなく、どっかがやれば、どっかがマネして、じわじわと広がっていく。だから、じじいの自分は、体育座りの記憶があまりない。実際に体育座りをしようとするとバランスを崩してしまう。非常に座りにくい。自分にとっては楽な姿勢ではない。
 自分にとって楽な姿勢は「正座」だ。そりゃ、30分も1時間も正座をすれば足がしびれて苦しくなるが、10分程度なら、正座をして背筋を伸ばした、ちょっと体にストレスをかけた姿勢が案外楽だ。
 見た目が楽なあぐらなどより、ある程度のストレスがある正座が、実は私にとっては一番楽な姿勢だ。


 病原菌のいっぱいある時代は、平均寿命は短かったが、花粉症やアトピーはなかったように思う。人にはある程度のストレスが必要ではないか。病原菌や寄生虫がストレスとなり、人間の免疫力を高めていたのではないだろうか。


 体育座りも正座も、長時間同じ姿勢をすれば、体にいいわけがない。体育座りの代わりにパイプイスを使うという記事もあったが、イスに同じ姿勢で長時間座っても苦しい。エコノミー症候群になる。
 体育座りが悪いのではなく、長時間同じ姿勢でいるのが一番悪い。


 体育といえば、神戸では「駆け足、止まれ」の後、「12345」と言って止まる(イチ、ニ、サン、シ、ゴッ)。「秘密のケンミンSHOW」だったか「ちゃちゃ入れマンデー」だったか、どっかのテレビでやっていたが、こんな号令は神戸だけらしい。
 地域によっては「1234」「123」「12」と、「止まれ」の後の号令が違う。
 体育座りは全国的なものだが、号令は地域的な違いがある。けれど全国的には、号令を出して止まるという共通点がある。だから、「全体、止まれ」と言えば日本人は数字を口にする。
 それと同じように、1965年以降に小中学生だった人の何人かは、座れと言われれば体育座りをするだろう。それが楽だから。楽だと思う人も一定数いるだろう。


 今の子どもは、マスクに慣れてしまい、それ以外の年代の人とは違った感覚をマスクに対して持つようになるだろう。どんな時でもマスクをする大人も出てくるだろう(今でもマスク好きの人はいるけど、もっと増えるだろう)。

 昔々の暴走族は、白いマスクにマジックで卍のマークを書いたりしていた。今のマスクから見たら、なんじゃそりゃということになる(昔でも、なんじゃこいつらは、と思っていた)。マスクにマークやイラストを描くにしても、もうちょっと綺麗にする。実際、文字やイラスト入りの綺麗なマスクもたくさん出て来た。手書きの卍マークなんて、ださい。けれど、当時の若者は、かっこいいと思っている者もいた。こうしていろんなものが、感じ方が広がっていく。
 体育座りも一つの文化として一定数の人には残るのだろうか。



 と、この記事を書いて、しばらく文章を放置していたらoldsな話題の体育座りの話のNewsな記事があった。

 これまた「ほんまかいな」と思うアンケート結果が出ていた。49.4%が体育座り廃止が「良い」、「反対」が6.7%、「どちらとも言えない」が43.9%。半数近くが廃止が「良い」だけど、半数近くが「どっちでもいい」と思っている、いや、すぐに結論が出せないのが半数。また、体育座りが「楽」だと思う人が18.6%おり、座りにくいという人はたったの3.6%。人それぞれだ。私も「も」とか「たったの」という言葉を付け足して書いたが、それだけで数字の感じが変わる。まあ、このアンケートも全国の男女1,250人が対象という。どんな人を対象にしたかによっても数値は変わる。939人で腰痛の原因にされるよりはマシかな。
 ニュースといいながら、個人的な感想のようだ。こんなあいまいな根拠で記事にするより、廃止する学校に対する意見や新聞記事に対する意見を書いた方がマシだろう。

見出し画像はフリー素材「ぱくたそ」からお借りしました。
 


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